シナリオを書く時に気をつけていること(クローズド編)

CoCをはじめてもうすぐ2年。

やったセッション数が200くらいになってきて、探索者の数も50を超えてきました。

わたしはKPよりもPLでセッションに参加するのが好きなんですけど、それはそれとしてシナリオライティングにも興味があって

頭が爆発してしまって1本書き下ろし、
過去にシナリオ集で2本(うち1本は無料公開)書き、こういうのがしたいなと思って1本書き(修正中)、ぐちゃぐちゃにしたい探索者のために1本書き(まだ書き終わってない)。で、またシナリオ集を出すので現在2本書いています。

クローズドシナリオが好きなので、7本書いているうちの6本がクローズドです。
6本も書いているとパターン化が明確になってきたかなと思ったので忘れないようにここに残しておこうかなと思います。
いろんな方の書き方を真似て作って、そうして自己流に行き着いたので正しいとは言えないけれども。


●シナリオの書き方

大前提として、クトゥルフ神話TRPGをとしてのシナリオ上で最低限必要なものはクリア条件、そして、真相に携わる神格・及び団体(または個人)だと思います。
これは私の書き方なので参考にはならないかと思うんですけど、下記の通りの手順を踏んでシナリオを書くようになりました。

① シナリオ内でPLにやってほしいこと、KPがやりたいことを書き出す
② シナリオを書く上での縛りを決める
③ 神格を決定する
④ シナリオの舞台、できればマッピングまで行う
⑤-A NPCや教団などを決める
⑤-B アイテム、呪文などを決める
⑥ クリア条件を設定
⑦ シナリオチャートを軽く作成する
⑧ シナリオ時間内に至る経緯(背景)の設定⑨ エンディング
⑩ 導入
⑪ マッピング、設定した舞台を元に探索箇所の書き出し
⑫ 探索内容、技能のせて値
⑬ ひたすら穴埋め
⑭ 辻褄合わせチェック
⑮ 記号チェック
⑯ 文字校正
⑰ テストプレイ
⑱ 追加情報整理、修正等を3回ほど

⑧までは2日くらいで書けて、あとはひたすら自分との戦いのような気がする。

①のやりたいことは、もうしたいことを書き出すだけの作業で例えば
・探索者にハッピーな気分になってもらいたい
・それはそれとしてうちよそがしたい
・<投擲>が振れるシナリオがほしい!
・PvPがしたい
・発狂率が高いシナリオがほしい
・ニャルラトテップを真面目に出したい
程度のことで、だいたい10項目くらい書き出して、できること、できないことを判別していく。

その上で②の縛り内容を決めていく。
②の「縛り」の内容としては例として
・APP15以上の探索者限定
・<目星>を振らない探索
・NPCが出てこない
・2時間以内(15000字くらい)で終わらせる

シナリオ、書き始めると無限にスケールが大きくなったりとか無限に呪文が出てきてしまったりとかするので、ある程度最初に首を締めておけば想定外のことを自分が書かないようになったのと、自分はデザインのときもそうなんですけど縛りプレイがある方が作りやすいというのもあって設定しています。

でも、やりたいことと縛りについてはできないことも多いので、その時は次へのストックとして取っておくことも多いです。

やりたいことが特になければシナリオグラム(http://syun777.sakura.ne.jp/tool/cthulhu/scenario.rb)でアイディアを拾うことも良くやっています。


●クローズドで必要なことは

クローズドシナリオを書く上で特に気をつけていることがあって、

・閉鎖された空間から出れない理由/出れる理由を明確にする
▶例えば「大雨で外に出ると危険」などの納得できる理由を定義付けておくとシナリオが破綻する確率は減る。閉鎖空間から出る場合はペナルティ等を明確にしているとKPも助かる…わたしは助かる

・脱出のクリア条件を明確にする
▶最初にクリア条件、エンディングを書くのはこれを明確にしないと根本がズレるため。PLの「何をすればいいのかわからない」という不安を拭うために必要だと思う。

・余計な描写、余計な探索箇所を入れない
▶本来は机があるけれど机の描写は入れない、という感じで…ここらへんの裁量はKPにもよると思う。なので最近は明確に探索箇所はここです、と描写の後にPLにお伝えできるよう冒頭に記載している。

・クリア条件に推奨技能を必要としない
▶<目星>に成功しないと詰む、ということをしないように気をつける。

そういうので出るのはSANCやシナリオの背景がわかる情報程度にとどめる。

あくまで自分のシナリオを書く上での条件なのでそうでなくても楽しく回せればいいとは思います。

でももう少しシンプルに情報を提示するのがいいかな、と思って試行錯誤中です。


●なぜこんな書き方になったか

多分わたしは、クトゥルフ神話TRPGの「ゲームシステム」部分が好きで、ステータスをサイコロで振る「自動化したシステム」が気に入っていて、なおかつ「現代日本」を舞台にしていて、探索者は「一般人」であることが好きな部分です。
あとは「リプレイ動画を見て覚えた」というのもひとつの好きになった原因ではないでしょうか。

複雑化したシステムが探索者の人間味を、サイコロの出目が探索者の人生を表しているように感じれるこのシステムのことが好きなので、わたしは多分ずーーっとこのシステム部分と向き合うことになると思います。
なので、書き方が少しシステマチックになっているのではないかと。
パターン化して、システム化して、バリエーションを増やしていければいいな…。
こちらが提供するのは、あくまで探索者が探索をする「舞台」で、それぞれに起こる物語は
プレイした人分、違う印象になっていくといいなと、漠然と考えています。

なのでまずは得意なクローズドから。
シティはまだ全然書いていないからパターンをつかめていないので
シティ、頑張って書きたいな〜とは思う。

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