愚痴は聞き流すもの。

仕事が遅くなって深夜に帰宅。有難い事にカミさんは私がどんなに遅く帰っても、必ず寝床から起きてきて夕飯の支度をしてくれます。で私が夕飯を食べている間、パートに行ってる職場での話、大概が愚痴なんだけどソレを延々と喋っています。
私にだって解ってますよ。カミさんがその愚痴に答えを欲しいわけではなく、ただ喋りたいだけだって事。最初の頃は何か答えなくちゃいけないのかな、と色々考えて少々負担だったのですが数年前から聞くだけで良いんだって解ってからは、TVを見ながら適当に相づちを打つようになりました。

問題がおきたのは金曜の夜。

伏線はありました。夕方、カミさんから「日曜に(私の)お母さんが田舎から出てきて、中学入学する娘のお祝いをしたい。と連絡があった。少し疲れ気味だから断って欲しい」というLINEが入りました。
せっかくお祝いしたい。と両親が言って来ているのに、とは思いましたが確かにここ数日、カミさんの体調が良くなかったので田舎に断りの電話を入れました。カミさんには「今夜遅くなる。身体がキツイなら夕飯の支度は自分でするから寝ててください。」と返信をしたのです。

仕事を終わらせて深夜0時に帰宅。ダイニングに入ると、カミさんが起きてきて夕飯の支度を始めました。少し機嫌悪そうに。
こういう場合、寝てて良いよ。と言っても聞く耳を持たない性分なのは分かっているので黙ってテーブルにつきました。
「日曜の件、断りの電話しておいたよ」「そう。ありがと。」
私が夕飯を食べ始めると早速、本日の愚痴が始まりました。(はいはい、と。)
保険代理店の事務員。留守番とお茶汲み程度のパート。と始めたのだけど面接の時には聞いてなかった内容の仕事が回ってくる。(その分、時給は上げて貰ったらしい)ボスが他所の代理店から募集人を引き抜こうとしててトラブりそう。出入りの生保会社の担当営業が使えないヤツだ…以前に何度か聞いた事、新しい案件…「色々煩雑な事があって…ブチブチグチグチ…」

いつもは右の耳でカミさんの愚痴を聞き流し、左の耳でTVのスポーツコーナーを見るのですが、この晩は時間が遅過ぎてました。TVを点けてなかった事も要因。
カミさんの愚痴がひと段落した数秒後、私の口から言わなくても良いモロモロが飛び出したのです。私も少しだけ疲れていました。

「キミの言い分も解るけど、色々な事に頭を悩ませ過ぎじゃないの?理不尽な事は何処の職場でもあるし、キミがあれこれ言ったところで如何ともし難い事、あるよね。そんな風にキリキリしてるから疲れちゃうんだよ。」

ホントは(毎度毎度、愚痴を聞かされる身にもなってよ〜。こっちも疲れちゃうよ!)という気持ちが前々からありました。ただそれをストレートに言う事ができず、今から思えば夕方の件も頭の片隅に残っていたのかしらん。
珍しく意見を言う私の顔を見つめていたカミさんの表情がだんだんと強張ってきた瞬間、気づいたのですが後の祭りでした。

「あなたはいま解ったような事を言ったけどホントは何にも解ってない!あたしが疲れているのは仕事のせいだけじゃないの。毎日の食事、洗濯などの家事全般!大変なのよ!主婦業というものをあなたは軽んじてる。そんなに思いやりの無い人とは思ってなかった!お互いに労りの気持ちが持てないようなら一緒に暮らす意味がらないよね!」

そのあと速攻で謝罪して事なきを得ましたが、要らんことを言ったことに後悔しきりの金曜日の夜でした。悔い改めます。てか、もう愚痴には意見しません。おしまい。



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