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【MLB】山本と今永の成績予測の試み後日談

 最近は動画投稿が主になりましたが、アップした後に気付くことも少なくないので後日談的なものを載せたいと思います。

 まず本動画はこちら↓


○山口まで綺麗に直線に乗っていることに驚き

 言いたいのはこれだけです。こちらの散布図は単純にMLB挑戦を起点として直近3年のNPBにおける1年当たりWARとMLB移籍後の3年間の1年当たりWARをプロットした図です。NPB3年間で40先発以上、MLB挑戦後はIL入り期間が3分の1未満という絞り込みを行いました。フォーク使いの千賀、岩隈を除いたオレンジの近似式(青は岩隈、千賀を含めた近似式)がとてもきれいです。サンプル数の問題はありますが、2012年以降にMLB挑戦した3年40先発以上の日本人先発投手のうち、和田、大谷、有原以外が長期離脱なしにシーズンを過ごし、7人が残りました。

DELTA、npbstatsのデータを元に投稿主作成

 もちろん、5人しかいない線なので信頼性はあまりないことは前提なのですが、やはり山口が目につきます。というのも山口以外は防御率や勝ち星は別として1年目からローテを守り短縮シーズンを除き毎年20先発以上しています。前田は途中からリリーフというシーズンがありましたが、ノイズ程度と考えれば基本的に山口を除く4人先発投手として起用され、先発投手としてのWARが比例関係にあったという話です。

 一方、山口は1年目が短縮シーズンだったことに加え、起用法はほぼリリーフでした。はっきり言ってしまえばシーズン前の時点からローテ争いに負けていたわけです。2020年にIL入りしていないので本当に実力でリリーフ起用され、WAR▲0.5という結果に終わり1年でMLBを去っています。これって偶然だとしても驚きだと思いませんか?先発投手としての起用ならともかく、リリーフ起用のみでしかも60試合シーズンとはいえ17試合しか登板せず、先発起用された他の4人と同じ近似式に綺麗に乗っているのです。NPBでの成績は先発とかリリーフとか関係なくMLB挑戦後の投手としてのパフォーマンスを示唆しているかもしれないと考えるととても面白いと感じました。

 また、WARはしばしば先発とリリーフの比較に適さないという言葉が聞かれます。今回の近似式が5人という非常に少ないサンプルであることも分かります。しかし、この山口の例こそ先発できない投手がリリーフに回り貢献度を下げるという事実を示唆しているようにも見えます。

 まとまりのない話になりましたが、とにかくリリーフ起用かつ登板数も少なかったノイズでしかないはずの山口が近似式に綺麗に乗っかっているのが偶然だとしてもある種の感動を覚えました。

※画像はMLB公式より引用


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