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【2023TDLレビュー】CWSファーム立て直しはできたが

 一昨年、昨年と厳し目ながらもコンテンダーとして動き無理をし過ぎた影響が強い印象に見えましたが、今夏のトレードで大分立て直しました。デッドライン直後には全体トップ100以内のクエロを含め、6人が傘下TOP20以内にランクイン。ディラン・シーズ、ルイス・ロバート、アンドリュー・ボーン、エロイ・ヒメネスの4人以外の選手についてはオファーを聞くという方針に基づき、レンタル選手を着々と売りました。

〇CWSの主要なトレード一覧

※ Pro Rkはプロスペクトランキングの略。MLB公式のランキングを用いている。全は全体の順位。#は旧所属における順位。外は旧所属TOP30外

〇レビュー

 全体で見れば非常に巧く立ち回りました。リンとケリーは1.5年あるとはいえ、チームオプションなので実質的にレンタル選手と考えると、放出した多くの選手はレンタル選手と言えます。こうした中、不調のジオリトにロペスを付けて、クエロを獲得できたのはスティールといっていいでしょう。また、6点台のランス・リンでTOP100に近いナストリーニを獲得。パフォーマンスがイマイチなレンタル選手で質の高いプロスペクトを得られました。さらにデッドライン直前には今季開花し、FAまで5年あるバーガーを放出してこちらも先発のトッププロスペクトであるエダーと交換。レンタル選手主体のトレードで大きな成果を得たと言っていいでしょう。

〇TDL直後のチーム状況

 連敗と連勝を繰り返しています。ラインナップも今季限りとグランダルやアンドラスを依然起用とデッドライン後の再建チームそのものです。ティム・アンダーソンやベニンテンディ、モンカダ、コラスらは不調のまま。今後を考慮すると、彼らがこのままだと今夏のファーム立て直しくらいではコンテンダーに戻るのは厳しそうです。アンダーソンのチームオプションはオプションを行使されない公算が大きいでしょう。唯一、ローテに今季デビューのジェシー・ショルテンズが定着して、そこそこの成績を残しているのがポジティブな部分でしょうか。

〇2024年以降の見通し

 2024年は引き続き厳しそうですが、それでもグランダルの契約は終わりますし、アンダーソンやクレビンジャーのオプションを破棄すればサラリーには余裕ができそうです。また、トミー・ジョン手術により来季絶望となったヘンドリクスもオプションを破棄すれば1年15Mが10年15Mになるのでキャッシュフロー上の余裕にはつながるでしょう。2024年にロックされているペイロールが100M弱なので転売要員を何人か契約して来夏のデッドラインに備えるのが賢明だと思われます。

 一方、2025年になるとモンカダやバマー(2025年以降オプションあり)の契約が終わるのでさらに余裕が生まれます。長期契約組の野手のパフォーマンスによっては、ここで2~3年契約の中堅どころの先発投手を加えて勝負というのは一つ考えられそうです。

 さらに言えば、2023年デッドラインではヒメネスやルイス・ロバート、シーズをアンタッチャブルとしましたが、彼らもパフォーマンスが最大化したシーズンにかつてのセールやキンタナのように保有期間が多く残っているうちにトレード放出を検討すべきでしょう。本気で再建を目指すなら今オフにでもルイス・ロバート放出はアリかもしれません。

 2025年勝負を目指すか、さらなる再建に向かうのかは2024年のルイス・ロバート、ヒメネス、シーズ、ボーン、ベニンテンディらのパフォーマンスにかかっていると言えます。個人的には、ルイス・ロバートやシーズがいる間ではなく、コペック、ボーン、クロチェット、コラスらの世代になるのではないかと見ています。そのくらいの時間軸で再建しないと中途半端な結果に終わってしまう可能性が高いでしょう。

※画像はMLB公式


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