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2023年TDL、CWS短期的再建の第一歩か

 ルイス・ロバートやアンドリュー・ボーン、エロイ・ヒメネスらのデビューのタイミングでグランダル、ランス・リンを獲得し、ティム・アンダーソン、モンカダ、ジオリト、シーズら若手の台頭もあって2020-2021年にプレーオフ進出を果たしました。しかし、若い選手が伸び悩んだまま年齢を重ね、ベテランのも衰えを見せる中、2022年はコンテンド継続の姿勢を貫きましたがギリギリの5割、今季は優勝ラインの低いア・リーグ中地区の中でも既にプレーオフ進出は絶望的となっています。ファームシステムも枯れ気味の現状下、今夏はディラン・シーズ、ルイス・ロバート、アンドリュー・ボーン、エロイ・ヒメネスの4人以外の選手についてはオファーを聞く姿勢を鮮明しています。


〇先発投手

 ルーカス・ジオリト(残り半年) 放出可能性:A
 2019年からフロントスターターとして活躍しているものの、昨年から安定感が欠けている印象です。QOレベルではないので残す意味は薄いでしょう。想定見返りは、TOP100クラスのプロスペクト1人+1~2人。2017年デッドラインTEXによるダルビッシュ有放出、2018年デッドラインTORによるJ.A.ハップ放出と同程度を想定。

 ランス・リン(残り半年+1年チームオプション) 放出可能性:A
 かつては170IP以上は見込めたタフマンも年齢を重ねイニングイーターぶりが鳴りを潜めました。一方、ERA6点台ながらxERA4.50と内容はそこまで悪くないので移籍を機にバウンスバックの期待は持てます。想定見返りは、傘下TOP30内1人を含む1~2人です。2019年デッドラインPITによるジョーダン・ライルズ放出と同程度を想定。

 マイク・クレビンジャー(残り半年) 放出可能性:C
 エースポテンシャルを見せた時期もあったものの、TJから復帰後は振るわず。7月16日時点でIL入り状態でリハビリ登板にもはいっていないようなので放出可能性はCとしました。想定見返りは、傘下TOP30内1人を含む1~2人です。想定見返りは、傘下TOP30内1人を含む1~2人です。19年CINによるロアーク放出と同程度。

 マイケル・コペック(残り2年半) 放出可能性:D
 未だに開花しきれないフロントスターター候補。成長期待もある今のうちに売るという選択肢もなくはないと思います。想定見返りは、全体TOP100内1人、傘下TOP10内1人を含む3~4人です。2017年デッドラインCHCによるホセ・キンタナ放出にやや劣る程度を想定。

 ディラン・シーズ(残り1年半) 放出可能性:E
 2022年はCY争いに顔を出すほどの活躍を見せたものの今季は不調です。想定見返りは、全体TOP100内1人、傘下TOP10内1人を含む2~3人です。2017年デッドラインOAKによるソニー・グレイ放出と同程度。

〇リリーフ投手

 ケイナン・ミドルトン(残り半年) 放出可能性:A
 今季キャリアハイをたたき出しているチェンジアップが武器の右腕。想定見返りは、傘下TOP30内1人を含む1~2人です。2021年デッドラインCHCによるアンドリュー・チェイフィン放出と同程度を想定。

 レイナルド・ロペス(残り半年) 放出可能性:A
 かつてのスタータープロスペクトがリリーフで開花も今季は不調。想定見返りは、傘下TOP30外1~2人です。2019年デッドラインSEAによるハンター・ストリックランド放出と同程度を想定。

 ジョー・ケリー(残り半年+1年チームオプション) 放出可能性:A
 ここ2年は投球内容の割にERAは悪いものの、ソリッドなハードスロワーです。想定見返りは、傘下TOP30内1人を含む1~2人です。2021年デッドラインCHCによるアンドリュー・チェイフィン放出と同程度を想定。

 ケンドール・グレイブマン(残り1年半) 放出可能性:A
 ドナルドソン放出トレード時のスタータープロスペクトがリリーフ転向で開花。想定見返りは、傘下TOP10内1人を含む2~3人です。2020年デッドラインBALによるマイケル・ギブンズ放出と同程度を想定。

 アーロン・バマー(残り1年半) 放出可能性:B
 2022年までソリッドでしたが今季は不調。バウンスバックを待ってもいいかもしれません。想定見返りは、傘下TOP30のプロスペクト1人+1~2人の合計2~3人。19年DETによるシェーン・グリーン放出よりやや小さめ。

〇野手

 ヤズマニ・グランダル(残り半年) 放出可能性:A
 打撃が売りの捕手もここ2年で一気に衰えてしまいました。放出にも金銭を付ける必要がありそうです。想定見返りは、PTBNLレベルが1人。2017年TEXによるジョナサン・ルクロイ放出と同程度。

 エルビス・アンドラス(残り半年) 放出可能性:E
 3割常連を期待されていた安打製造機も期待外れのキャリアでベテランの年齢となりました。放出可能性は需要が無い可能性を踏まえました。想定見返りは、PTBNLレベルが1人。17年TEXによるジョナサン・ルクロイ放出と同程度。

〇総評

 ディラン・シーズ、ルイス・ロバート、アンドリュー・ボーン、エロイ・ヒメネスの4人は放出候補から外しており、シーズを除く3人をコアとしながら短期的な再建を目指すスタンスに見えます。放出候補に目を向けると、ジオリト以外はそこまで上位のプロスペクトは見込めないかもしれませんが、リリーフ投手の需要は大きそうなので上記の想定見返りよりも得られるものは大きいかもしれません。

 CWSの場合、ファームシステムが枯渇しているので、とにかく数を集めてファームの層を厚くすることが優先でしょう。ドラフトで有望選手を集めるにしてもマイナーで競争する選手の質が高くないと成長は促されない傾向にあるように思われます。ファームが強いチームはランキングに出てこないマイナー選手の質も高く、育成によって開花するケースも少なくありません。CWSもまずは数を集めて内部育成によってプロスペクトに昇華させることを目指すべきだと思います。

※画像はMLB公式

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