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「オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム」の熱狂に見る深夜ラジオの時代の変化

深夜ラジオの歴史が始まって間もなくフォークソングのブームが起こったことでその世界観はいわゆる「集会」に近くなり、みんなで手を取り合って繋がる、バカな話をしていても最後には熱く語るという形が主流になっていったわけですが、それを否定したのがタモリさんやたけしさん、更にとんねるずのお二人であり、そこから深夜ラジオは「泣かせずに笑わせ続ける」「繋がるなんて嘘くさい」といった思想が中心となり、「ハガキ職人」という言葉の誕生により、リスナーが「競う」時代へと突入していきました。
その影響は次世代のパーソナリティー、特にお笑い界からラジオへと踏み出した人達に受け継がれていき、新たなスタンダードになっていったわけですが、更に世代が入れ替わり、今、再び「みんなで繋がろう」に回帰し始めている、そんな時代のムードを表していたのが今回の「オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム」だったのではないか、と思いました。
そういう方向性を番組側がいつから意識していたのかはわかりませんが、投稿コーナーが番組のメインから徐々に離れ(これだけ歴史を重ねているのに「オードリーのオールナイトニッポンといえばこの人」という投稿者は、初期から送り続けている方々以外はあまり思い浮かばない)、「競争」の構図を捨てた時から、今日の光景への道のりは始まっていたのかもしれません。

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