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9nineが示した女性アイドルグループを長く続けるための道筋

女性アイドルが卒業を決める理由は色々存在するが、その中の代表として年齢的な物がある。
少女性を要求されるイメージの衣装や演出。
更には年下のメンバーも次々と入ってくる。
そこに居続ける自分の姿に違和感が生じ、次のステージに進もうという意思が出てくる。
そんな感情はわからなくもない。
では、長く活動するためにはどうすればいいのか…。
それに対する1つの答えが示されていたライブに行った。
1月13日にZepp Tokyoで開催された、「9nine one man live 2019 beyond the Cloud9」。
メジャーデビュー9周年を迎えたパフォーマンスガールズユニット9nineの、今年初のライブである。
その夜公演を見させて頂いた。
ファンに高い人気を誇る曲を揃えたセットリストを、磨き上げられたダンスと歌で表現していく。
決して斬新なことはしていないものの、その完成度で観客を魅了する姿は、さながら師匠クラスの漫才師のようでもある。
更にはMCパートでは、「台湾での生写真撮影」の裏話を披露。
ちゃあぽんこと西脇彩華さんの「どの番組に持っていってもフィットしそうな適度なサイズ」のエピソードトークを筆頭に、そこから派生して他のメンバーもそれぞれの話題を切れ目なく繋げて笑わせていた。
そんな満足度の高いライブで特に印象的だったのは、「大人になったからこそできる見せ方」が随所に取り入れられていたところだ。
例えば「茜色」という曲の際には、フラメンコを思わせるような艶を感じるダンスで見る者の目を引く。
醸し出す雰囲気は「ライブ」と言うよりも、「ショウ」に近い世界だった。
その流れから始まった「少女トラベラー」も、衣装と合わせてセクシーに映る。
かつてはリアルに「少女」に近い時代に歌っていた歌詞も、また違った物として聞こえてくる。
4人は「9周年を迎えた自分」に等身大に向き合い、それに合わせた形に無理なく自然に表現をアップデートしていたのだ。
刹那的な若さと勢いで組み立てるのではない、経験を重ねるほどに進化していく未来を予感させる道筋。
その光景を眺めながら、
「この人達は10年後も9nineでいてくれるかも」
「たとえ結婚しても活動を続けてくれるかも」
という期待が持てた。
そしてそれはアイドルブームが収束してきた現代において、全く正しい方向性だと思えたのである。
9nineが「大人アイドルグループ」としての背中を見せれば、女性アイドルの世界はもっと広がるのではないだろうか。
今後も目が離せない。
次のライブは4月6日、中野サンプラザだ。
http://9nine-fan.lespros.co.jp/sp/

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