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#いまコロナ禍の大学生は語る イベントレポート

ひとつの区切り

 2020年に新型コロナウイルス感染症が流行し「コロナ禍」と呼ばれるようになってから3年あまり。2023年5月に、新型コロナウイルス感染症は5類感染症へと移行しました。コロナがなくなったわけではありませんが、それは社会にとって一つの区切りを意味していました。
 そんな5月に、もうひとつの区切りとして始まったのがこの「 #いまコロナ禍の大学生は語る 」というプロジェクトでした。コロナ禍で大学生を過ごした人たちが、noteという媒体を使って各々の経験を綴る。そして、そうしたnoteを下敷きとしながらzoomを使った交流を深める。そんな、参加者それぞれと強く紐づいた企画でした。本noteでは、5月21日に開催されたオンラインイベント「#いまコロナ禍の大学生は語る」の様子について簡単に振り返ってみようと思います。

同じようで違う

 イベントの前半は、4人の大学生経験者とファシリテーターによるトークセッションでした。トークセッションでご登壇いただいた4人は、それぞれ学年も大学も異なる4人で、ともすれば「コロナ禍の大学生」と一括りにされてしまう私たちの、それぞれの違いを浮き彫りにしてくれました。
 例えば、大学入学時にコロナ禍が始まった方は「コロナ禍によってすぐに大学が始まらないことによる安心があった」と語る一方で、既に大学に入学していた方々は「高校と大学のギャップ」を如実に感じていました。「自分たちばかり」と受けた不利益を感じた当時の1年生に対し、当時の上級生には「先輩からもらったものを返せなかった」という思いが生まれていたという話もありました。コロナ禍で活動がオンラインになったからこそ、オンラインの活動に参加できたという人もいれば、だからこそ地域の活動に参加したという人もいました。受けた影響は同じようでいて、でもそこで過ごした日々はそれぞれ違う。その人だけの経験がたくさん掘り起こされました。
 登壇者のおひとりはトークセッションの最後にて、「コロナ禍が始まった当初は、皆色々大変で、ネガティブではない変化やよかったところは口にしづらかった。なんとなく同じ不利益を被った仲間として振る舞ってきていた。3年経ってみて、よかったところと悪かったところがそれぞれあって、それを切り分けられるようになってきた」と語ってくださいました。私たち一人ひとりがこれまで感じてきたことはそれぞれ違うのだ、という素朴な実感をもう一度手に入れ直した時間でした。

ワードクラウド

 トークセッションの後には、5月20日時点で公開されていた「#いまコロナ禍の大学生は語る」noteの投稿文における、単語の出現頻度×スコア(一般的な文章におけるその単語のレア度)を図的に表示したワードクラウドと、単語と単語の共起(同じ文に登場する)の仕方を図的に表示した共起図を参加者で目にしました。

ワードクラウド

 ワードクラウドについては、様々な気付きや意見が寄せられました。
 「すいません」や「ごめんなさい」はいったいどんな意味だったのだろう。「おかえり」があって「ただいま」はない、「入学」があって「卒業」はない。「授業」が「サークル」よりも大きくなっているのはコロナ禍だから? 「思う」や「感じる」が多いのは断言しきれなかったから?
 このレポートをお読みの皆様は、このワードクラウドからいったいどのようなことを感じますか?

いまコロナ禍の大学生がつながる

 ワードクラウドを見た後は、イベントの後半では4,5人のグループでの交流の時間となりました。グループの中の1人が、既に公開されているnoteから印象に残ったものを紹介し、そこから派生してグループ内でそれぞれの経験について語り合うというものでした。
 参加者の一人がイベント後に「コロナ禍というのを紐帯に色々な話が聴けて楽しかったです」と感想を寄せて下さったのですが、まさにその通りの、「コロナ禍」を通してコロナ禍の大学生がつながる不思議で素敵な時間となりました。
 トークセッション同様、それぞれ異なる環境にいた大学生経験者による語りは、互いにとって新鮮なもので、「自分が味わってこなかった感情をたくさん知った機会」になったようでした。それと同時に、そうした異なる背景をもった人どうしても、分かり合ったり考えを深め合ったりすることのできる時間でもありました。

いまコロナ禍の大学生は語る

イベント集合写真

 イベントのなかでは「紹介されたnote、まだ読んでいないのであとで読もうと思います」という声を聞くことがありました。このイベントは、イベントの2時間で完成するものではありません。むしろ、これまで約70人が執筆してきたnote記事に支えられ、そしてこれから再び読まれ再び書かれていくnote記事へとつながっていくイベントでした。コロナ禍を経験した大学生が「同じようで違う」こと、そして「コロナ禍」を通していまひとがつながること。この2つは、イベントだけでなくnote記事でも実感できるものだと思います。
 このレポートをお読みの皆様も、ぜひ引き続き、#いまコロナ禍の大学生は語る 記事をお読みいただければと思います。そして、もしお時間と気持ちが合いましたら、ぜひ皆様自身のコロナ禍についても、ハッシュタグを添えてお聞かせいただけるとうれしいです。


この文章は、「#いまコロナ禍の大学生は語る」企画に参加しています。
この企画は、2020年4月から2023年3月の間に大学生生活を経験した人びとが、「私にとっての『コロナ時代』と『大学生時代』」というテーマで自由に文章を書くものです。
企画詳細はこちら:#いまコロナ禍の大学生は語る|青木門斗|note
あるいは、 note企画概要
ぜひ、皆さまもnoteをお寄せください。


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