見出し画像

ミラーレス至上主義とされる中、時代に逆行してレフ機に完全移行したお話。

お久しぶしでございます。
かなり期間が空いてしまいましたが元気に撮影しております。

さて、今回はタイトルでもあるように「ミラーレス至上主義」な昨今にレフ機に完全に逆戻りしたお話をしていこうかと思います。

また、レフ機は各メーカーから生産終了になる噂、すでになっている現状がある中で、今レフ機を購入することについてプロの端くれ目線で書いていこうと思います。

安定>スペック

今まで私はSONYの高画素ミラーレス機であるα7Rivで2年ほどお仕事をしてきて感じたことが大きく二つあります。

半端ない描写力で最高
ちょこちょこエラー出て焦り散らかす

この2点です。この2点を掘り下げる前に、過去を振り返ります。
私はSONYに移行する前はCanonの1DX Mark IIをメイン機として使用しておりました。
以前もカメラ遍歴の記事で書いておりますが、1DXに不満があったわけではありません。(重さ以外はw)
なぜSONYに移行したかと言えばポスターなどの大判印刷される機会が増えて画素数が必要になったことと、連写が必要なくなったことが大きな理由でした。
移行した直後は高画素からくる超最高な描写性能と瞳AFなどの先進的な機能でそれはそれは大満足で使ってきました。
なのになぜCanonのレフ機に戻ったのか、ここから先ほどの2点を深掘りしていきたいと思います。

半端ない描写力で最高な件。
これは文字通りで言わずもがなですが、6100万画素の超高画素のセンサーは最高でした。シャドー部からハイライト部にかけての豊かな階調表現、どこまでクロップしてもディテールが残る描写性能に加え、当時最新鋭のAFシステムで人間の瞳のみならず動物の瞳にさえも一瞬でピントの合う正確さ、楽さがありました。

ちょこちょこエラー出て焦り散らかす件
αの名誉のために言っておきますが、こちらに関しては私の使用環境と合わなかっただけかもしれません。
というのも基本的に私はPCとカメラを優先で繋ながら撮影する「テザー撮影」という撮影方法が主でした。
エラーが出るというのはこのテザー撮影時にPCに画像が飛ばず、本体SDにも記録できず、なおかつ画面が固まって電源すら切れなくなってしまうことが多々ありました。
ファミリーフォトなどの撮影中に止まった時には焦りまくるわけです。
α7RivのRawデータは非圧縮で一枚128MB程度、圧縮でも60MB程度あります。データが大きすぎるが故のエラーなのか原因ははっきりとわかりませんが、PCと接続して撮影し始めると途端にカメラの動作がかなりもっさりしてしましました。
カメラのダイヤルでの設定変更の反映も使用に耐え難い速度に落ち込み、AFポイントを動かすのも体感で3テンポほど遅く、人物撮影でのテザー撮影は厳しい印象でした。
なぜαの名誉のためとか言っているかというと、PCに繋がずカメラ単体での撮影時は今あげた不満点はおおよそクリアになるからです。
単体での撮影時はそんなに遅くないんです。
なので風景用途などで使用される方は未だ良いカメラなのではないかと思います。

以上の2点を何ヶ月か真剣に考え、結果的に仕事で使っていく信頼の道具として描写力よりも安定感を取ることにしました。

今最新の機種ならいいのでは?

この疑問についても相当な時間を費やし考え、実機を触りに電気屋に何回も足を運びました(電気屋さん、買わないのに長居してすみません。)
αのプロ機であるα1にするか、CanonのR3,5,6にするか、NikonZ6ii,7ii,9にするか等散々悩みました。
そうこうするうちに一つの結論に辿り着きました。

んー、わからん。
仕事で使ってみなきゃわからん。

乱暴な結論ですが、率直な感想でした。
α1やα7iv,R5,6,Z6ii,Z7iiなど触ってみたところ、確かに単体での使用でもすでにα7Rivよりはレスポンスよく動くのは確かでした。
しかしながら実際にPCに繋いでのテザー撮影など激しい環境で使った時にどうなるかまでの判断材料になりませんでした。
無論、お金という制約がなければ全て手に入れて使った上で判断すればいいのでしょうが、カメラはボディだけでは ただの塊ですのでそんなわけにもいきません。
レンタルという手もありますが、この辺の機種をレンズとともに一通りレンタルしたらそこそこのレンズ一本買えてしまうので、悩みました。
Youtubeでありとあらゆるフォトグラファーさんの最新機種のレビュー動画を見ましたし、記事も読み漁りました。
テザー撮影において問題なさそうな人もいらっしゃいますし、やはりミラーレスになってから私のαで起きていたようなエラーが出るという記事も散見しました。
100万円くらいするものをそんなに不確定要素の多い状態で購入する勇気と資産力がありませんでした。

信頼、、、Canonのレフ機!?

次の機種として考えていたのも気がつけば全てミラーレスでした。
電気屋さんで現行機種のレフ機を触ってみた時に「これかも」と思ったのが、今回購入した「5D Mark IV」でした。
なんというか、カメラってこれだよなーと思いました。
そもそも1DX Mark IIでテザー撮影していて困ったことが一度もなかったんですよね。そこが最大の決め手でした。
とは言え2000万画素はちょっと少なすぎるのと、連写は要らないので「5D Mark IV」となったわけです。
すでに購入してから2ヶ月程度使い倒していますが結論最高です。
確かに最新鋭のAFはありませんが、中央一点でしっかり合わせてやれば全く問題ありません。
私の撮影ジャンルで5D IVのAFに問題があるようなら純粋に私の腕が足りないと思います。
言い換えれば、最新の機種の素晴らしいところは腕でカバーすればいいという考え方ができるカメラだと思います。
逆にどんなにスペックの良いカメラを使ってもシステム的にエラー等頻発して止まってしまったら、人間側でカバーできないということです。

なぜCanonにしたか

レフ機も各メーカーまだギリギリ残っています。
しかしなぜCanonを選んだのか。それは下記の通りです。

・以前Canonを使っており、一部EFマウントのレンズを所有している
・まだCanonはレフ機の生産終了を公言していない
・優秀なEFレンズ群のコスパが最強
・再度ミラーレスに移行する時にCanonを選ぶ可能性が高い

EFマウントコスパ最強説

文字通りですが、EFレンズは銘玉と呼ばれる非常に素晴らしい性能を持った設計の古いレンズがたくさんあります。
いままで銘玉と言われたレンズは年月を経ても価格落ちが少なく、高額なものも多かった印象です。
しかし昨今のミラーレス至上主義でEFでしかなかった焦点距離のレンズ群もほとんどがRFマウントで発売されました。
やはりユーザーもRFマウントへ移行する方が多く、メルカリやラクマといったフリマサイトでもEFマウントレンズの出品が増えているように思います。
そして、価格もかなり落ちてきている印象を受けます。
RFマウントはボディももちろんですが、レンズも非常に高価です。
写りが良くなっているのは間違いないと思いますが、価格差を考えた時に自身の中で合点がいきません。
ミラーレスになり画素数も5000万画素を超えてくると確かにEFマウントレンズの設計では耐えられないのかもしれません。
しかしながら現行のRFボディもR6 Mark II、R3はともに2400万画素程度。
5D Mark IVよりも画素数でみれば少ないです。
すなわち今後RFに移行するとしてもよほどの高画素機にしない限りはEFレンズの描写で十分なのではないかと考えた次第であります。
話がそれますがEFマウントのボディでも5DSや5DSRなど5000万画素超えの機種がありますし、それを巨大なポスターなどで使用されてきている実績があります。
なのでRFに移行したとしてもしばらくはマウントアダプタでEFレンズを使用し、RFのII型が出る頃にRFのI型で揃え始めるのも吉と考えました。

必要以上に進化するミラーレス機

強めの表現ですが、私感としては文字通り必要以上の進化だと思います。
もちろん新しいものは良いことは間違い無いです。
前途したようにお金に糸目をつけなければ全部買います。
しかし限られたお金というリソースのなかで自分に最適な道具を選ぶ。
ここが今回の私の最大のテーマだったような気がします。
ここでのお話は全て私の主観であり、私の被写体に対しての考え方なので全ての方に当てはまることではありません。
しかし今から始めてカメラを買われる方や、プロとして初めていきたい方に新しい機材でないとダメなのではないかという得体の知れない不安感を拭っていただき、自身の納得するカメラを購入していただきたいと思います。
5D Mark IVは中古備品で18万円程度。R6 Mark IIは35万円です。
性能から考えれば35万円でも高くないことはわかりますが、差額は17万円。
レンズもRFとEFでは価格差があることは説明しましたので、買えるレンズの本数やストロボなどの外部機器を揃えるお金に回すことができます。

RFマウント
ボディ
R6 Mark II(35万円)
(まだ中古品が出回っていないので新品価格)
RF24-105 F4L is usm(16万円)
合計51万円

EFマウント
ボディ
5D Mark IV(18万円程度)
予備バッテリ(5000円程度)
SD 128GB(6000円程度)
CF 128GB(1万円程度)
レンズ
24-105 f4L IS USM(5万円程度)
50 f1.4(2万円程度)
100Macro(7万円程度)
135 f2(8万円程度)
ストロボ関係
Godox AD300Pro(6万円程度)
ライトスタンド(1万円程度)
ソフトボックス(1万円程度)
コマンダー(9000円程度)
合計51万円

同じ51万円でもこれだけの差があります。
確かに最新鋭のR6 Mark II と RF24-105 F4L IS USMは素晴らしい描写力を持っているのかもしれません。
しかしカメラはレンズあってのもの。
ポートレートで被写体と背景の分離、圧縮効果を得たいなら105mmf4では135f2のようにはいきませんし、最短焦点距離というのがレンズにはありますからMacroのように被写体に寄った世界観を出すことはできません。
何が言いたいかというと

AFなど性能の進化、最新レンズの描写力を得るか、
あえてレフ機を選択し豊富で手の出しやすいレンズ群を手に入れて
表現の幅を増やすのか。

ということに尽きます。
「フィルム」と「デジタル」ではそもそものワークフローが大幅に変わりますので同じことは言えないと思いますが、「ミラーレス」と「レフ機」はどちらもデジタルであり撮影後のデータの編集をはじめとしたワークフローは同じです。
すなわち、レフ機は古くてもうそろそろどうしようもないという風潮がありますが、実際一歩引いて冷静に考えてみるとそこまでミラーレスと変わらないよねっていう話です。
それでいてミラーレスが普及するまで(ここ5年以内の話)はプロも現場でガッツリとレフ機を使ってきていたわけですから、それに耐えうる安心感があるわけです。
その上素晴らしいレンズが安価に、豊富にあるわけです。
しかもRF機の価格、安定が担保された時期にRFボディを購入してもマウントアダプタで今まで揃えたEFレンズを使えるわけですから最高なのではという個人的見解です。

情報過多な現在も自身にあった最良の選択を

Youtubeを見ているとプロの方が最新のミラーレス機を褒めちぎる動画が多くあります。もちろんその中での内容は嘘ではないと思います。
しかしそんな方がはすでにミラーレスのボディもレンズも潤沢に所有しているわけです。
何が言いたいかと、そういった方が提唱しているコスパ最強なカメラ、レンズ等と、自身の環境でのそれとはまた違うのではないかということです。
そういった有名な方のコスパ最強は確かにコスパ最強なのかも知れませんが、意外にもこういった選択もあるよというお話でした。

今回も長くなってしまいましたが最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは良いカメラライフを。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?