翌日、月曜日の放課後。

俺と遥香は高級ホテルの

エントランス入口にいた。

◯◯:ヤバいな、何もかも規模が凄すぎる。

遥香:だね…

◯◯:よし、入るか。

遥香:…待って！

◯◯:ん？

遥香:◯◯がデレデレしないように、おまじない。

そう言うと遥香は突然、

俺の頬にキスをしてくる。

◯◯:なっ…

遥香:はい。じゃあ行こ？

…

…

エントランスホールに入ると、

遥香:綺麗…

◯◯:"夢の国"みたいだな、もう。

？？:そこの2人〜。

◯◯:ん？あ、"暁翔"。

暁翔:おっすおっす。"かっきー"も久しぶり〜。

遥香:久しぶりだね。

◯◯:暁翔も呼ばれてたのか。

暁翔:そりゃそうだろ、"沙耶香"の「彼氏」なんだから。

遥香:えっ？…暁翔くんも、メンバーさんの「彼氏」なの？

暁翔:そ！だからVIP待遇ってことよ。あとさぁ、◯◯お前、その"いつもの"スタイルで行くんか？

◯◯:あー、"蓮加さん"に言われたら前髪上げるよ。

遥香:"蓮加"…さん…？

暁翔:おっとっと…

◯◯:いや、これはその…あれだよ、うん。

遥香:仲良さそうで良かったですね〜。

遥香が頬を

とんでもなく膨らませる。

◯◯:違うって！…あ～～、おい暁翔、お前のせいだぞ。

暁翔:は？何でそんな…あ！"まいやん先生"！

麻衣:ハロー、みんなお揃いね。

◯◯:ナイスタイミング！

遥香:む…

麻衣:みんな待ってるわよ？じゃあ、レッツゴー！

暁翔:沙耶香ぁ！今行くぞぉっ！！

◯◯:コイツ…キモいな。

遥香:◯◯のくせに…

遥香はどういう

スタンスなんだよ。

はぁ、調子狂うわ。

ーーーーーー

麻衣:はい着いた〜っ

◯◯:ここって…

麻衣:ん？最上階のレストラン。貸切。おけ？

遥香:凄い…

暁翔:沙耶香ぁ…沙耶香ぁ…//

◯◯:やっぱコイツ気色悪いぞ。

暁翔は自分の顔を叩くと、

一気にキリッとした表情になる。

暁翔:はい、茶番は置いといて、はよ行くぞ。

麻衣:この子、メンバーの前では紳士"ぶる"から。

◯◯遥香:…

…

…

そしてレストランの

ドアが開き、

麻衣:はーい、みんな来たよ〜！

俺の目に昨日、

公式サイトで見た

"乃木坂46"のメンバー達が映る。

暁翔:みんな久しぶり。

◯◯:"松尾◯◯"です。今日はよろしくお願いします。

遥香:お久しぶりです、"賀喜遥香"です。

俺と遥香は一礼をする。

麻衣:じゃあ、みんなも挨拶して。

メンバー:私たち「乃木坂46」です！！

エグい。

これが本物…

その中には、しっかりと

蓮加さんの姿があった。

ちょっとだけ、

目が合った気がする。

麻衣:早速だけど、乾杯だけしちゃう？

ーーーーーー

白石先生は、1人だけ

デカいジョッキを持ち、

麻衣:えー、◯◯くんの「彼氏」就任と、遥香ちゃんの加入に、乾杯っ！

全員:乾杯！

こうして歓迎会は開始した。

麻衣:とはいえまだ17時だし、料理もまだまだだから、自由にしてて良いわよー。

暁翔:何時までですか？

麻衣:夜中まで貸し切ってるから、遠慮なく。飲むぞぉぉぉっ！！

明日が授業日だということを、

この人は忘れている

…気がする。

ーーーーーー

続く。