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ギフト&ポイント×アプリで変わる購買体験。顧客ロイヤリティを上げるEC運用術とは

ECにおいて顧客ロイヤリティを上げていくにはどうしたらいいのでしょうか?Appify主催のオンラインイベント Vol.1では、ECのエキスパート3名が参加し、新規のお客様を増やして、そこからリピート購入に繋げるための購買体験のつくり方について語り合いました。

北山 浩
エース株式会社 EC事業部担当責任者。現在、3つのECサイトをshopifyで構築・運用している。2020年から自身の備忘録として始めた「Shopify構築日記」は、EC担当者の手引きとして支持を集めている。

中島 功之祐
AnyReach株式会社 CEO。今年の4月上旬にリリースした自社のECサイトにeギフト機能を導入できるShopifyアプリ「AnyGift」は大きな反響を呼び、リリースからわずか1カ月の間に導入企業150社を突破した。

すがけん
Appify Technologies Inc. Chief Value Officer。最短14日でShopifyで構築されたECサイトをスマホアプリにするソリューション「モバイル」と、オンライン/実店舗/アプリでポイントを一元管理し、リピート促進につなげる「VIP」を展開。


eギフトを活用して新たなファンを増やす

すがけん
Shopifyを導入してEC事業を展開するD2Cの方は増えてきていますが、その中でぶつかる壁が「リピート購入に繋げたり、ロイヤル顧客を育てるにはどうしたらいいのか」ということです。
その課題についてAppifyの「モバイル」「VIP」の話だけじゃなく、先日「AnyGift」をローンチされた中島さん、そしてマーチャントとして実際にこれらのサービスを活用されている北山さんと一緒に話をしていければと思います。
まず最初に、AnyGiftとはどのようなサービスなのでしょうか。

中島
AnyGiftは「eギフト機能」を自社ECに簡単に導入できるShopifyアプリです。これまでeギフトを贈るには相手の住所を知っていないといけませんでした。AnyGiftは、相手の住所を入力する必要がなく、eギフトのリンクを受け取った方が住所を入力するとギフトが届きます。

AnyGift 公式サービスサイトより引用

中島
AnyGiftのスタンダードプランは、初期・月額利用料が無料で取引があった分だけお支払いいただく仕組みなので、ShopifyでECサイトを運用しているマーチャントさんであれば気軽に導入していただけます。

すがけん
これまでにAnyGiftを導入しているマーチャントさんには、どんなジャンルが多いですか? 

中島
AnyGiftをリリースする前は、eギフトとの相性がよさそうな食品系に絞って展開しようかとも考えていましたが、実際には食品系だけじゃなく、化粧品・雑貨など様々なジャンルのマーチャントさんに導入していただいています。

すがけん
ちなみに、マーチャントさんが取り扱っている商品の価格帯はどれくらいなんですか?住所を知らないぐらいの関係性の人にギフトを贈るときって、そんなに高いものを贈らないような気もするんですけど。

中島
確かに、一番多い価格帯は1,000円以上1万円未満ですね。ただ、一方で5万円以上の高価格帯の商品を取り扱っているマーチャントさんもいらっしゃいます。デジタルのeギフトだからこそ高価格帯でサイズの大きな商品でもプレゼントしやすいのかなと思っていますね。
例えば、ふとんって直接手渡しでプレゼントするのって難しいじゃないですか。でもAnyGiftなら、受け取り手が入力した住所に直接送ることができる。これもeギフトの面白いところだなと感じています。

すがけん
eギフトだからこそ気軽に贈れるのは、AnyGiftが受け取り手が住所を入力する仕組みを採用していることも大きいですよね。普通はECでギフトを贈ろうと思うと、相手の住所を入れるとき間違えないようにと思って、そこで手が止まって離脱しちゃうかもしれない。ただ実際に受け取る人なら、予測変換でパパっと自分の住所を入れることができる。これがお互いにとっての買い物体験をスムーズにするポイントだと思います。
eギフトを利用して顧客ロイヤリティを上げるには、マーチャントさんはどうやってAnyGiftを活用していくのがよいのでしょうか。

中島
例えば、ある商品を買ってくださったお客様に「他の方にもおすすめしてみませんか」というように促していくのが最初のきっかけとして良いと思います。
実際に使ってみて良いと思った商品からお客様の輪が広がっていくので、ギフトを受け取った方がその商品をきっかけにブランドを知ってファンになり、そこからリピート購入が生まれやすくなります。
また、LINEギフトなどの他のeギフトサービスと異なり、AnyGiftはShopify上に顧客データが蓄積されるため、ギフトを受け取った方に対して会員登録やアプリのダウンロードを促したりといった次のアクションに繋げていけることがメリットのひとつですね。

すがけん
eギフトをきっかけに新規のお客様にリーチするだけじゃなくて、そこからリピートに繋げることができるんですね。
北山さんは、実際にご自身のECサイトでAnyGiftを使っていらっしゃいますが、これまでの使い勝手はいかがでしょうか。

北山
現在は、3つのECサイトのうち1つにAnyGiftを入れて運用しています。お客様側の実際の購買体験を何度かテストをしてみましたが、贈る人・受け取る人にとって、特に迷うことなくスムーズに利用できるなと思いました。
ただ、現段階ではバックエンド側で使っている配送システムとAnyGiftの相性によって、データの流れが思うようにいかないケースもありました。Shopifyだけで販売されている場合は問題ないですが、実店舗と合わせて販売されている方は実際にテストをしてバックエンド側の挙動を確かめる必要があります。詳しい内容は「Shopify構築日記」の方に導入プロセスに沿って解説しているのでこちらをご覧ください。
こういったことは実際にテストをしないとわからないので、まずはアプリを入れてみて合わなければ最悪アンインストールするくらいの考えでどんどん試すのが大切かもしれませんね。

ポイント×モバイルアプリでリピートに繋げる

すがけん
次に「VIP」と「モバイル」についての話をしていきましょう。簡単にそれぞれ説明すると「VIP」は実店舗とECでポイントを一元化できるツールです。ポイントや会員ランクを活用してお客様それぞれに応じた働きかけをすることで、積極的にロイヤリティを上げるためのプログラムを組むことができます。「モバイル」は、Shopifyで構築されたECサイトをスマホアプリにするソリューションです。
EC事業者の方の中には、「ECサイトをわざわざスマホアプリにするメリットが分からない」という方もいらっしゃるのですが、北山さんは、実際に「モバイル」と「VIP」の2つを併用してみようとなったきっかけはなんだったんですか?

北山
今年の初めに「ポイントプログラムをやりたい」という話が社内で出てきたんですね。ただ、他のベンダーさんではどうしても期間的に間に合わない。そんな時に、「VIPとモバイルの組み合わせなら、物理カードを発行しなくてもアプリがポイントカードになる」ということを知って両者を併用することにしました。実際に開発を依頼してから運用開始まで、1カ月かからなかったくらいじゃないかな。

すがけん
今、アプリとポイントプログラムをローンチされて1カ月ちょっとですが、運用面での使い勝手はどうでしょうか。

北山
一番、懸念していたのが店舗スタッフのオペレーションが複雑になることでしたが、この点については混乱なくできていますね。実際に店舗でポイントを付与する時も、お客様にモバイルアプリで会員証を提示してもらって、スタッフはiPadかiPhoneでそれを読みこめばいいだけなので。
直近の課題は「いかにしてスマホアプリをダウンロードしていただくか」というところです。わざわざ手間をかけてまでアプリを入れるメリットは何なのか、それを伝えなければなかなかダウンロードまでいかないのかなと思います。

すがけん
WebやSNSに強い会社の場合、アプリで使える初回クーポンをつける方法で既存のお客様の1〜2割はアプリに移行してくださるケースが多いです。他にも、AnyGiftでeギフトを受け取るタイミングでアプリのダウンロードを促すのもいいかもしれませんね。 

北山
なるほど。さらにその先にあるポイントとしては、せっかく集めた顧客情報をどうやって使っていくかというところですね。

すがけん
そうですね。ECサイトをわざわざスマホアプリに置き換えるメリットって、端的にいうと「リピート顧客を育てられること」なんですよね。ポイントやランクに応じてプッシュ通知でスペシャルオファーが出せたり、ECでよく買い物をしてくださる方が店舗に来た際には一歩踏み込んだ会話ができたり。そういうところから顧客ロイヤリティが上がっていきます。
つい先日のリリースで出しましたが、スマホアプリの中で「チャネルトーク」を利用することができるようになりました。アプリ内でお客様に応じた接客ができるようになるので、さらに初回購入やリピートに繋がりやすくなっていきます。

PR TIMESより引用

中島
アプリの中ですぐにチャットで質問できるのはいいですね。製品によっては、結構細かい情報を知りたいものもあるので、プロの方にすぐに聞けるのは助かりますよね。

すがけん
ECモール等だと、たくさん情報が書いてあったとしてもスマホで全部それを読むのって大変じゃないですか。チャットで気軽に相談ができると、間違いなくロイヤリティが上がると思うんですよね。eギフトを贈るにしても、人にプレゼントするものだからこそ事前に細かいところまで確認しておきたいだろうし。
今日お話したAppifyの「モバイル」「VIP」と「AnyGift」はすごく相性がいいので、ぜひEC事業者の方はぜひ試してみていただけると嬉しいです。お二人とも今日はお時間をいただきありがとうございました!

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