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重要なのは広告じゃない — 17kgがアプリ公開8カ月で12万ユーザーを獲得できた理由

17kg(イチナナキログラム)は、2017年にInstagramを起点にしてスタートした韓国アパレルを展開するブランドだ。昨年6月に公開したアプリのユーザー数は瞬く間に増加し、現在では12万人以上となった。注目すべきは、その運用にできるだけ広告費をかけないこと。インスタ発のD2Cブランドが、どのようにすれば広告費を抑えて直接ファンを獲得することができるのか、その理由について17kgの作井正太朗さん(ブランドマネージャー)と丸山千鶴さん(メディア運用責任者)に話を聞いた。

左上 : 丸山千鶴さん(17kgメディア運用責任者) 右上 : 作井正太朗さん(17kgブランドマネージャー) 下  : すがけん (Appify Technologies CVO)

トレンドを生み出し、牽引し続ける17kg

—17kgとは、どのようなブランドですか。

10代後半から20代前半の女性向けに韓国アパレルを扱うD2Cブランドです。価格帯はだいたい2,000円から3,000円くらい。現在は、メインの17kgのほかにもudresserやBEEPなど合計5つのブランドを展開しています。韓国アパレルの特徴は、カラーバリエーションが豊富なこと。17kgでも毎日10商品ぐらい新作を公開しているので、お客様からすれば他の人と被りにくいところがメリットですね。

売り上げの4割がアプリ経由。SNSに依存しない体制をつくる

—17kgがアプリを導入されたのはどんな背景があったんですか。

もともと17kgはInstagram発のブランドで、SNS運用には創業初期からかなり力を入れていて、今では49.8万人のフォロワーがいます。しかし、アルゴリズムの頻繁な変更などでインスタからのコンバージョンが上がりにくく、このままでは頭打ちになってしまうかもしれないという危機感を抱いていました。今のままのSNS依存体制だとかなり危険だなと思ったのがアプリ導入の主な理由ですね。

—現在の売り上げを分解すると、どれくらいがアプリやインスタ経由なんですか?

約4割がアプリ経由で、残りがWebサイト。Webの方は、だいたい3〜4割くらいがインスタからのアクセスですね。アプリを公開したのは昨年の6月なんですけど、だいたい月に1.5万人のペースでユーザーが増えていて、今では12万人以上になりました。年内には20万人を目指したいなと思っています。

17kgのアプリ画面

—月に1.5万人増はすごいですね。EC事業者の中にはインスタからアプリのダウンロードに繋げるのが難しいという話も聞きますが、この点でなにか工夫したことはありますか。

最初は、単純にストーリーやLINE@などで告知をしていました。それだけでも、かなりダウンロード数は伸びましたね。それはおそらく、17kgの顧客層である若い世代がアプリをダウンロードするということに抵抗がないからかもしれません。むしろアプリの方が分かりやすくて、気軽に買い物できるというのはあるんじゃないかな。

—広告費をかけてダウンロードしてもらうというよりは、そもそものインスタのフォロワーが17kgで買い物をしたいと思っている人が多いんですね。

そうですね。加えて、何となく17kgを知っているという人にもアプリをダウンロードしてもらうために、途中からは500円分の初回登録のクーポンをつけたりしました。そうすることで、さらに登録者数も伸びやすくなりましたね。

アプリとSNSの決定的な違いは顧客接点のハードル

—実際にアプリを運用していて、SNSやECサイトとの違いは何かありますか。 

アプリってダウンロードさえしてもらえたら、通知を送ればそのスマートフォンに表示がされるじゃないですか。でもSNSの場合、最初にSNSを開いて、フォローをしてもらって、運よくフィードやストーリーで表示されてっていう感じでステップが多いんですよね。アプリでは、気になる通知であれば、見てもらえる。ユーザーとの接点をつくるハードルはぐっと低くなったと感じますね。

—ちなみにアプリの運用ではどんなことを意識されているのですか?

キーワードを明確にすることは常に意識しています。ターゲットが若い世代なので、プッシュ通知であれば、「セール」や「送料無料」などの具体的で目立つキーワードをなるべく入れるようにしたり、絵文字を使ったりして目に留まりやすくなるように工夫していますね。
あとは、アプリにのせるアイテムはWebサイトのようにすべてを載せるんじゃなくて、サイトやインスタで反応が良かったものをいくつかピックアップしてアプリに載せるようにしています。そうすることで、ユーザーの欲しいアイテムがアプリを開けばすぐに見つかる工夫をして、継続的にアプリを使ってもらえるようにしています。

—先ほど話にも上がりましたが、17kgはインスタのフォロワーがもうすぐ50万人ですよね。具体的にはどういうことに気を付けながらインスタを運用しているのですか。

インスタのフィードであれば、その時のトレンドを踏まえつつ、刺さるキーワードを画像に合わせて散りばめるようにしています。反対に、インスタのストーリーであれば、既存のフォロワーに向けて、あまり文字は入れずにできるだけ画像を大きく表示するようにしています。ストーリーはフォロワーに対する訴求で、フィードはフォロワー外の方にも届くようなイメージでつくっていますね。
フォロワーを増やしていくためには、ハッシュタグを運用することはもちろんですが、一番重要なのは、いかにして発見タブに載ってそれをタップしてもらえるかということですね。発見タブに並んだ時に埋もれてしまわないように、なるべく見栄えのいい画像をつかったり、キーワードの文字を大きくしてみたり。それぞれの投稿の反応を見ながら試行錯誤しています。

17kgのInstagram。キーワードを入れたフィード(左)とシンプルなストーリー(右)

Appifyでコストを抑えつつシンプルに始める

—アプリを導入しようと思うと様々な選択肢がありますよね。その中でもAppifyを選んでいただいたのにはどんな理由があったんでしょうか。

一番大きかったのはコスト面ですね。Appify以外にも検討しましたが、ECのアプリをつくるにはだいたい初期費用が数百万で月額の運用コストも数十万かかってしまう。Appifyの場合、初期費用がかからず、運用コストも月に5万円からで、個別の機能に対して追加料金も必要ない。特にプッシュ通知が無制限で配信できるのは、かなり費用対効果が高いと思います。まず、お試し感覚でスタートしたいなと思っていたのでAppifyを選びました。
あとは、機能面がシンプルでわかりやすいのも大きいですね。プッシュ通知、検索、お知らせと抽選販売。他社の場合は、だいたいオプション機能が30〜40個ぐらいあったりして、そこに追加料金が発生する場合もある。機能がシンプルでわかりやすいので運用に時間をかけずにできています。

—ここまでアプリを運用してみて、どんなブランドならAppifyとの相性がいいと思いますか。

すでにSNSを運用していて、コアなファンがいるブランドであれば、導入したらすぐその成果が出やすいんじゃないでしょうか。あと弊社みたいに、SNSからの流入が頭打ちになりそうで、これ以上SNSからの売り上げを伸ばすのがきついなって感じている事業者さんは向いていると思います。運用していくのも楽なので、アプリの運用に時間がとられない分、本来やるべきコンテンツの作成や、もっと購買体験を良くするためのするための施策に時間を使えるのがいいですね。

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