ドキドキ!プリキュアについて【6】

今回はちょっとオーディションのお話をします。
ドキプリのオーディションは(日付は明かせませんが)三日間に渡り、総勢72名で行われました。こちらの希望で、一人で何役か演じて貰う方もいますから、延べ人数で言うと膨大な数です。
ご存じのとおり、プリキュアはビッグタイトルです。週に一度の本編の収録以外に、玩具、各種イベント、CM(番組告知なども含む)、キャラソン、映画etc……と派生するお仕事がいっぱいあります。一度決まったらその一年間はプリキュアにかかりきりというのは、決して大袈裟な話ではないのです。受けるほうも当然、気合が入ります。

一方、それだけの人数ですから選ぶ方も大変です。なので、私はポイントを絞ることにしました。マナはとにかく元気でキュンキュンさせてくれそうな人、六花は視聴者の目線に一番近いキャラクターなので声質がナチュラルな人、ありすは声質は柔らかいけれど芯が強そうな人を選んだつもりです。全員のお芝居を聞いた後、プロデューサー、監督、メインライター、音響監督が一人一票という形で候補者を絞りこんで行き、バランスを整え、最終的に現在のキャストに決まっています。そんな中で、一番難航したのは真琴です。マナたちよりも先にプリキュアになったのだから、クールな声の役者さんが良いのではないかという意見が出たからです。ですが、古賀監督は「時間軸で言えば確かに先輩だけど、トランプ王国から救いを求めて来るキャラクターなんだ。だから、どちらかと言うとあの四人の中では妹のポジションなんだ」と主張して、宮本佳那子さんに決まりました。もちろん、オーディションの段階ではラストの細かい部分まで決まっていたわけではありませんが、その判断が45話のソードの台詞「誰か、助けて……マナーッ!」へと繋がるわけですから、慧眼と言わざるを得ないでしょう。

結果的に、ドキプリのキャスティングは本当にうまくいったと思います。座長としてみんなをまとめてくれた生天目さん(本人にその自覚はないようですが、間違いなく人を惹きつける魅力があります)、マナのサポート役としてチームを盛り立ててくれた寿さん、みんなを優しく見守ってくれた渕上さん、みんなから可愛がられていた宮本さん、キュアエースという難しい立場のキャラクターを演じきった釘宮さん、キュートだった妖精たち……みんなキャラクターにぴったりだったと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

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