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反省しない人

「この子はちっとも反省しない。普通じゃない」と言われて、病院を受診した人がいる。

受診したのは 高校生の男性。

受診を指示したのは 学校の先生。

数人で万引きをして補導され、学校に連絡があり、先生にきつーく叱られた。

指導の最後に、
先生「反省しているか」
生徒「はい」
先生「もう絶対しないか」
生徒「絶対にしないとは言えません」
先生「反省してないのか!!」
生徒「反省してます」
先生「じゃあもう絶対しないだろう!」
生徒「絶対とは言えません」
先生「なにーー! ( `ー´)ノ 」
といういきさつがあったらしい。

結論から言えば、本人は発達障害の圏内であった。

彼らの論理では「しないように努力するか?」と聞かれたら「はい」だが、「絶対にしないか?」と聞かれたら、可能性としてありうる、絶対にしないようにするには自分が死ぬしかない、となる。

もちろんこういった状況では「するかもしんないよー」と心の中でいいながら、「絶対にしません、すみませんでした」と泣いてみせるのが、”模範的”な態度であるということが理解できることが高校生くらいの年齢になると要求される。

発達障害圏の人の場合はこれが難しく、彼らは決して反省していないのではない。

一方 なんでもすぐに「すみませんでした」「もう二度としません」と頭を下げ、すぐにまた繰返す「普通」の人たちは多い。

私にとって彼らの方が反省していない人たちである。

少数派というのは苦労するものである。

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