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「検定」と「資格」は違う

先日こんなツイートをしたのですが。

情弱宣言。


すると、「G検定」は「G検定」ですが「E検定」は「E資格」であるとご指摘をいただきました。


情弱の上塗り。




いやしかしながら。


「G検定」「E資格」とわざわざ呼び分けているのはなぜなのか。


普段あまり意識していなかったけれども「検定」と「資格」は違うのか。

気になったので調べてみました。

検定

私の持っているものだと日商簿記検定なんかは「検定」です。他に漢字検定やeco検定なども持っていますがこれらは全て「検定」ですね。

さて、まずは定義を確認してみましょう。

人または物を検査し、これが一定の基準に合致しているかどうかを確定または認定する行為をさすが、その効果は法律によって一様ではない。
 たとえば学校教育法は、小学校、中学校、高等学校の教科用図書(教科書)の文部科学大臣による検定について定めているが(学校教育法34条、49条、62条、70条、82条)、同法上は、この検定を受けた教科用図書以外の図書を教材として使用することを禁止しているわけではなく、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」により、無償給付または無償給与すべきものは、検定を受けた教科用図書に限られているにすぎない(同法2条、3条、4条)。これに対して、薬事法は、厚生労働大臣の指定する医薬品が厚生労働大臣の指定する者の検定を受け、これに合格したものでなければ、販売し、授与してはならないと定めている(43条1項)。
 そのほか、建築基準適合判定資格者検定(建築基準法5条)や警備業務(警備員)検定(警備業法23条)などの資格試験がある。[稲葉一将]

コトバンクより引用(出典は「日本大百科全書」)

https://kotobank.jp/word/検定-492747

わかりづらいですが、「スキルがある一定の基準以上あるよ」と認めてもらうのが検定だという理解で良さそうです。

資格

続いて資格です。

私が名乗っている「中小企業診断士」も資格のひとつです。

これまた定義を確認してみます。

…あることを行うのに必要な条件を一般に資格と称し,設定主体と適用範囲の違いにより,(1)国等の公権力がつくっている公的な資格制度と,(2)民間のそれとに分けられる。後者には民間団体の設定するものもあるが,大部分は企業内資格制度である。…

コトバンクより引用(出典は「世界大百科事典」)

https://kotobank.jp/word/資格-517181

「検定」はあくまでスキルの証明に留まるのに対し、「資格」は何かを行うために必要なものという位置づけのようです。

弁護士や税理士がわかりやすいですかね。その資格を持っていないと活動出来ません。


おっとここで質問が来ました。(自作自演)


「中小企業診断士には独占業務が無いと聞きました。資格を持っていなくても活動出来るのではないでしょうか。」


確かにおっしゃる通りです。中小企業診断士の資格を持っていなくてもコンサルタントとして活動することは出来ます。

では「資格」では無いのか。

資格は資格なのですが、先に挙げた弁護士や税理士とは性質が違います。

弁護士や税理士は「業務独占資格」であるのに対し、中小企業診断士は「名称独占資格」なのです。

国家資格は「業務独占資格」と「名称独占資格」に分類される

両方名前の通りですが、業務独占資格は「その資格を持っていないと業務を行うことが許されない」資格です。

弁護士や税理士の他には「医師」「美容師」なんかもそうですね。

対して名称独占資格は「その資格を持っていないと名乗ることが許されない」資格です。

中小企業診断士の他にはキャリアコンサルタントや保育士が該当します。

かといって「検定」は持っていなくても持っていると言っていいのかというとそうではないでしょうが、名称独占資格は職業として名乗るものが多いので(~士など)「職業として自称が許されるもの」という理解が正しいかもしれません。

民間資格

国家資格があれば民間資格もあります。

冒頭に挙げた「E資格」も一般社団法人ディープラーニング協会が定めた民間資格です。

https://www.jdla.org/

国家資格のような「法律の定め」はありませんが、企業や団体が独自の基準を設けたものになります。法律の定めが無い以上は基本的に業務独占にはなりえないため、名称独占資格に近い性質と言えそうです。

「検定」と「資格」の差

明確な定義が用意されていないためやや私見も入りますが、「検定」は単純に「スキルを認定するもの」であることに対し「資格」は「ある業務を実際に行うに十分なスキルを持っていると認定するもの」という違いのイメージでしょうか。

簿記と公認会計士を例に取ると、簿記は経理のレベル把握に留まるのに対し会計士は監査業務などを行っても良いという証明となります。

ざっくり言うと「資格」の方が条件が厳しいということです。

「G検定」と「E資格」の話に戻ると、「G検定」は「ディープラーニングの基礎的な部分を理解している」スキルの認定であるのに対し「E資格」は「ディープラーニングの実装などの業務を実際に行うのに十分な」スキルの認定ということになるのだと考えられます。


以上です。本題と直接は関係ありませんが、他者とのやり取りは「知らなかったこと」を知るきっかけになります。積極的に交流することで知識の向上を図るのも良いですね。



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