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舞台「ドラマチックハイスクール」感想

2022.10.07-2022.10.16 に開催された舞台「ドラマチックハイスクール」を観劇してきました。

観に行ったのは8日の夜公演、16日の千秋楽公演の2回。そして9日の昼・夜公演がアーカイブ配信されていたので両公演とも観ました。
ドラハイは私立恵比寿中学の星名美怜ちゃんが舞台初主演、そして同じくエビ中の風見和香ちゃん(推し!)が初舞台でした。
推しの初舞台、観に行くしか!!!

あらすじ

「青春に台本はない!」
アイドル・芸人・俳優と多岐に活躍する14人の個性的なキャストたちが挑むのは、“筋書きのない演劇”。この舞台には事前に用意される台本は存在しない――台本は俳優が稽古場で、構成演出 川尻恵太と理想の学校生活を語り合いながら作り上げる。

「ドラマチックハイスクール」公式サイトより

Story
私立春風高等学校に入学した結城芽衣子は、漫画家志望の陰キャ女子である。中学時代オタク扱いされ散々な目にあった芽衣子は、高校から心機一転、陽キャチームに入ろうと高校生デビューを果たす。が、元スポーツマンの不良、メガネの学級委員長、ギャルだけど面倒見がいいやつ、がり勉で東大目指してるけど家庭問題で悩んでるやつ、甲子園を目指しているが弱小高校に入って来た超高校級エースなど、漫画の題材になりそうなやつらが溢れていることに気づいた。芽衣子はそんな彼らの出来事を漫画として残す事にする――

「ドラマチックハイスクール」公式サイトより

作品のあらすじはこちら。
……なんだけど、公式サイトからコピペしてて気づいたけど、このあらすじ死に設定になってるキャラがいくつかある笑

「メガネの学級委員長」→裸眼の生徒会長
「甲子園を目指しているが弱小高校に入って来た超高校級エース」→「元スポーツマンの不良」にキャラが吸収されてる
まるっきり変わってるのは上記の2人で、あとがり勉が目指してるのが東大から医大になってたりする。

全体の流れとしては、生徒13人と先生1人が3学年持ち上がり同じクラスで3年間いろんな行事やイベントを行う中で青春したり悩んだり恋愛したり衝突したり悩みを打ち明けたり仲直りしたり……という青春ストーリー。
体育祭、深夜の学校探検(肝試し)、生徒会選挙、花火大会、文化祭、野球部の県大会、修学旅行、卒業式。
2時間半の舞台にこれだけのイベント(+日常パート)が詰め込まれてて、しかもキャラクター個々やキャラクター同士の関係性にしっかりスポットが当たるようになっていて、主人公は結城芽衣子(星名美怜)だけど全員にそれぞれの物語がある、濃密で楽しい舞台だった。

役名・キャスト

結城芽衣子:星名美怜(私立恵比寿中学)
高校デビューして陽キャに見せかけた陰キャ。漫画を描いてるが周囲には隠している。木戸あずさとは中学からの付き合いで親友。
金城徹太:佐奈宏紀
お金持ちで権力者でイケメンで秀才で誰にでも優しい。リムジンで高校に通っている。
加藤清海:田村升吾
映画監督志望。常にカメラを持ち歩いて撮影している。朝妻文慶とは幼馴染。
鈴木祐実:田島芽瑠
バスケ部女子。よく喋りよく仕切りたがるので男子と衝突しがち。
南沢花蓮:風見和香(私立恵比寿中学)
アイドル。仕事で学校を休みがち。芸名で学校に通ってる。成田武虎とは双子の兄妹。
木戸あずさ:鈴本美愉
腐女子(BL好き)。陰キャ。結城芽衣子とは中学からの付き合いで親友。
笠松楓:草地稜之(円神)
中学時代は野球部だったが高校では野球を辞めた。
林原波留:中本大賀(円神)
ノリの良いギャル男。稲垣樹利亜と仲が良い。
鹿目詩織:後藤萌咲
イマドキ女子。イケメンが好き。
森本時生:福島海太
担任の先生。生徒に舐められがち。お腹壊しがち。
成田武虎:村田充
口数が少ない。運動神経が良い。南沢花蓮とは双子の兄妹。常に花蓮を守るための行動を取る、妹思い。
朝妻文慶:唐橋充
読書家。思春期故に女子との付き合いが苦手。機械も苦手。加藤清海とは幼馴染。
稲垣樹利亜:馬場園梓
ノリの良いギャル。林原波留と仲が良い。
柴田邦男:なだぎ武
ガリ勉。周囲を見下している。親が医者で、病院を継ぐために医大を目指している。南沢花蓮に一目惚れする。

全体の感想

最初に思ったのは、「2公演見てて正解だったな」ということ。
私は観たい舞台がもし1公演しか観れなかったら千秋楽だけ見るタイプのオタクなんですけど、ドラハイの千秋楽はアドリブの応酬すぎて初見があれだったらついていけなかったかもしれない。
(これは悪い意味ではなくて、面白いアドリブがありすぎたので事前に内容知らなかったら全部を堪能しきれなかったであろう、という贅沢な話)
なので、3公演目=まだ比較的アドリブが大人しい公演と千秋楽=一番アドリブの応酬が凄かったであろう公演の2つを観れて良かった。

それから、舞台のつくりが特殊で、後方に長方形のステージがあり、そこから花道のように縦長に伸びて、前方は円形ステージ。
T字の先端が丸い、みたいな。伝わる?
その特殊な舞台が生かされていて、前方と後方でそれぞれ違うことをやってたり、全体で一つのシーンでも奥行きがあって演技に躍動感があったりした。

8日夜に観たときは、どれがアドリブでどれが本筋なのかも分からないままに観てたから、14人が3年間を楽しく・時にはトラブルも起こりながら青春していく様を見届けた、という感じ。
とはいえ、森本先生のスローガンはあれアドリブなんだろうなって思ったし、スローガンを言った後の生徒からのツッコミや罵声がどれもキレがあって面白かった。笑
特に柴田くんは「誰かこいつを殺してくれ!」とかめちゃくちゃ際どいセリフぶち込んでてさすがすぎた。

千秋楽を観たときは、ここもアドリブだったのか!という驚きがあったり、前回より確実にパワーアップしているアドリブやいろんな絡みにゲラゲラ笑ったり、物語の結末を知ってるからこそ分かる「ここってこの後の伏線だったのか……!」とか「このシーンがラストに繋がるのか……!」とかの再発見があって、いっそう物語に没入していく感覚だった。

それから、千秋楽は最前席で見ていたこともあって、ひとりひとりの表情もよく見えた。
ラストの芽衣子が漫画を加藤くんに見せる前に文慶くんに見せるシーンがあったんだけど、それが私の席の目の前だったので芽衣子の目に涙が浮かんでいるのがはっきり見えてこっちももらい泣きしてしまった。

3年間を2時間半という短い時間で駆け抜けた物語だったけど、だからこそ一瞬一瞬がとても濃密で楽しい時間だった。

キャスト別感想

私は推しをおおいに贔屓するタイプなので、推しの南沢花蓮ちゃん(風見和香)及び成田武虎くん(村田充)の感想を先に書いて、後は配役順に書きます。

南沢花蓮:風見和香(私立恵比寿中学)

現役アイドルである和香ちゃんが「アイドル役」をやる、しかも脚本は自分たちで作り上げていく作品だから、どこまで本人に近しい役なのか、それとも全然違う「アイドル」像なのか、と思っていた。
実際の舞台を見て、南沢花蓮ちゃんはキラッキラしていて、オーラがあって華があって、女の子らしさもあって甘え上手で、名前の通り「可憐」な女の子だった。
柴田くんが一目惚れしてしまうのも分かるし金城くんが優しくしてしまうのも分かるし成田くんが守ってあげたくなるのも分かる。
風見和香ちゃんとはまた違った可愛さ、また違ったアイドル像があって、和香ちゃんがしっかり「南沢花蓮」というキャラクターを作り込んで演技していることが伝わってきた。

登校初日に遅刻した花蓮ちゃんがスローモーションで教室に入ってくるシーンについて、8日夜公演のアフタートークで「スローモーションのやり方をいろんな人に聞いて練習してた」「いろんな人に聞きすぎて、人それぞれ言うことが違うから混乱した」って可愛いエピソードを聞いたので、千秋楽やアーカイブ配信ではそこを注目して見た。
スローモーションでも花蓮ちゃんの歩き方は可憐で、柴田くんが一目惚れするのも分かるし、実際柴田くんの表情が瞬間瞬間で変わっていて面白かった。

文化祭の催し決めで揉めてるクラスメイトに「やめてください!」と叫ぶシーンで花蓮ちゃんが本当に涙を流していることに配信で気づいてびっくりした。本気の涙だった。
終盤で詩織ちゃんに対して「嫌いになれないの!」と言うシーンも、セリフの一言一言が真に迫っていて、その声に胸がぎゅっとなった。

花蓮ちゃんvs柴田くんのシーンはどのシーンも大好きで、初舞台であれだけアドリブをぶち込む人を相手に笑わされながらも一生懸命「南沢花蓮」を演じ続けた和香ちゃんが愛おしすぎた。
雨の傘のシーンでは柴田くんの奇行を毎回必死でツッコんでたり、夏祭りの鉄串のシーンではそれを踏まえて「やっぱりくれないよね〜」って最初から諦めてたり。
それらの仕返しってわけじゃないけど、屋上の柴田くんに対する「好きーー!じゃなーーーい!嫌ーーい!でもなーーーい!」は花蓮ちゃんが柴田くんを翻弄するシーンでめちゃくちゃ笑った。
初めて見たときは「いきなり告白!?」ってびっくりして、そこからの「じゃなーい!」でそうきたかぁ!とめちゃくちゃ笑った。
まぁそれに対して柴田くんは「ぼくと結婚してくれるんですね!」と謎ポジティブ解釈発揮してて全然ブレてなかったけども。笑

千秋楽でなだぎさんが話してた「柴田くんのスピンオフ」は絶対実現してほしいし、花蓮ちゃんには当然出演してもらって、また2人の絡み(と柴田くんを撃退する成田くん)が見たい。

そして何より、花蓮ちゃんと成田くんの兄妹コンビが大好きだった。過保護なまでに花蓮ちゃんを守る成田くんと、お兄ちゃんを慕う花蓮ちゃん。
初回、千秋楽、配信と、見れば見るほど2人の関係性が素敵で好きが増していった。

2人が双子の兄妹だとバレるのは体育祭のシーンなのだけど、その前に登校初日のシーンで森本先生が「成田は停学だから……」と言ったとき花蓮ちゃんが小さく「えっ……?」と反応してることに千秋楽で気づいた。
こういう細かい伏線セリフ、花蓮ちゃんだけじゃなく結構至る所にあって、2回目以降に見て気づくのが楽しかった。

文化祭の催しを決めるシーンで、花蓮ちゃんがロミジュリを「頑張りたいけど……」と言ってるところ、言いながら手元では成田くんのダンボール制作を手伝ってたの、現場では気づいてなくて、配信を見て気づいてめっちゃキュンとした。
その後、文化祭で2人でダンボール乗り物に乗るシーンで「お前将軍な。おれ暴れん坊やるから」と言う成田くんをツッコミもなく丸ごと受け入れてニッコニコ楽しそうにしてる花蓮ちゃんもめちゃくちゃ可愛かった。

花火大会でお面を外したがりつつも「だめだ」と言う成田くんの言うことを素直に聞いてお面を付けたままにするところに2人の関係性が見えて好きだった。
でも、単に「守られてる妹」というだけじゃなく、すぐ暴力で解決しようとする成田くんを止めるシーンには「対等な兄妹」という空気感があって、それも良かった。

ラストの校歌斉唱のシーンでは、花蓮ちゃんの歌声がとてもよく聞こえてきた。綺麗な高音が14人の中でも存在感があって、あぁ花蓮ちゃん(和香ちゃん)の歌声が大好きだなあって改めて思った。

「青春はここにある 春風に乗って」
ドラハイを象徴するような歌詞もとても素敵で涙が出た。
校歌のCDがあれば買ったのにな!
事後通販でもいいから出してくれないかな!


そして、これは舞台の感想とはちょっと違うけど。
千秋楽の日、Cブロックの最前列で、和香ちゃんと2回目が合った。
1回目は花火のシーン終わりだったかな、成田くんと花蓮ちゃんがBブロックとCブロックの間の階段から降りてきたとき。暗い中でもはっきりと目が合ったのが分かって、浴衣姿の和香ちゃんにドキドキした。
それから、最後のカーテンコールのとき。みんなが円形ステージに並んだとき、まさか和香ちゃんが真正面に来るとは思ってなくて。目の前で和香ちゃんが立ち止まって、めちゃくちゃびっくりした。
そんな奇跡みたいな運命みたいなこと、ある???
舞台の感動で胸いっぱいになってる状態で起きた突然の出来事で、和香ちゃんの優しい笑顔と目が合った瞬間ぶわっと涙が溢れてしまって、その後しばらく号泣してしまった……。

同じくCブロックの座席だった友達もカーテンコールで目が合ったと話していて、たぶんあの一瞬の限られた時間の中でできる限りの人と目を合わせてたのだろうと思う。
和香ちゃんのそういう誠実なところ、本当に素敵だ。

成田武虎:村田充

南沢花蓮ちゃんの双子の兄、成田くん。(花蓮ちゃんは芸名、成田くんは本名のため名字が違う)
登場即タバコで停学したり何かと暴力で解決しようとしたりする不良なんだけど、それ以上に妹思いな一面が大きくて気付けば成田南沢兄妹が大好きになってしまいました。アクスタも買った。

花蓮ちゃんパートでも書いたけど本当に2人の関係性推しです。
成田くんの過保護っぷりが可愛い。花蓮ちゃんのピンチとなると、なりふり構わず身体が動いちゃうところが良い。

花火大会でお面を付けさせて「外しちゃダメ?」と可愛くゴネる花蓮ちゃんに対する「ダメだ」の言い方が好き。強い語気じゃないのに有無を言わせない感じもあって、お兄ちゃん〜〜〜!ってなる。素直に言うことを聞く花蓮ちゃんも愛おしい。

体育祭で花蓮ちゃんがうっかり「お兄ちゃん」と呼んでしまって「あ、おま……」って小さく言うところも好き。
口数は少ないけど無感情ではないのよね。
ちょっと隙のある花蓮ちゃんのことなので、たぶん度々こういうことが起きてると思うんだけど、たぶん全部許しちゃうんだろうな、ってところも想像できて好き。花蓮ちゃんに対して怒ったことなさそう。

卒業後SPになってのセリフ「俺が守らないで誰が守るんだ?」はスパダリ(スーパーダーリンの略)すぎて最高。
そう、スパダリなんですよ成田くん。
長身で身体能力抜群に高くて妹想いで寡黙。クラスメイトに対しても情に熱く、悩んでいた波留に対して掛けた言葉も本当に素敵だった。そしてアイドルの妹がいて本人も彫りが深いイケメン。美形の家系かよ。謎のダンボール好きもミステリアス度が増す魅力でしかない。
そんなん惚れない方が無理じゃない???
絶対密かにファンクラブ作られてるタイプだろ。作られててくれ。ファンクラブに入れてくれ。は?作られてないなら私が立ち上げますけど???

花蓮ちゃんとの関係性だけじゃなく、男子組ともなんだかんだ仲良くしてたのもほっこりポイントだった。

男子組の古今東西ゲームで負けた人に対する処刑人(ケツバット)で毎回いろんな野球選手のバッティングフォームを真似してたのは男子高生あるあるだ〜!と思って楽しかった。
成田くんが負ける回はあるのかな?あるとしたら誰が処刑するのかな?と見てたら、9日夜公演で負けてた。「お寿司のネタ」で言いたいやつを前の人に言われて苦し紛れに出てくる答えが「大根」って!可愛すぎか!処刑人代役は笠松くんだった。

修学旅行のシーンで、舞台後方で女子たちが樹利亜の下着がない!と騒いでる間、前方では男子たちが部屋でわいわいやってるんだけど、千秋楽のときに男子たち何やってるんだろ〜と見てみたら金城くん(だったと思う)と成田くんが真剣白羽取りして遊んでて愉快だった。
金城くんのフェイントに騙されて白羽取りに失敗する成田くん可愛すぎた。

どのシーンだったか、加藤くんがカメラを回してるところで少し前に出た後に「撮影の邪魔してすまん」みたいな感じで加藤くん文慶くんに謝りながら縮こまりながら後ろに下がるのも優しくて可愛くて好きポイントだった。
……何しても可愛いし好きにしかならんな???

そんな魅力しかない成田くんの一番の好きポイントは身長です。花蓮ちゃんとの身長差がツボ。なんだあの長身は。身長差萌えすぎるだろ。
せっかくアクスタ買ったけど、アクスタはみんな大体同じくらいの高さにされてしまってるため身長差が再現されてなくてちょっと物足りない……。

和香ちゃんが千秋楽後にインスタに載せた兄妹ツーショットが最高です。
この!身長差!背が高すぎて写真に収まるために屈んでる成田くん!す、好き〜〜〜!!!

結城芽衣子:星名美怜(私立恵比寿中学)

ここからは配役順に感想を書いていきます。
というわけで、主人公の結城芽衣子ちゃんから。

芽衣子は良い意味で主人公みが強くなかったというか、いやちゃんと主人公だったし物語の中心にいたんだけど、「結城芽衣子のための物語」ではなく「個々の物語が集まってできた青春群像劇の、結城芽衣子視点」くらいの立ち位置だった。
これだけ個性の強いキャラクターたちの中で、芽衣子は強烈な個性がある方ではなく、だからこそそんな中にあっても埋もれない(モブ化しない)のは絶妙なバランスだなと思った。

加藤くんと2人きりになるシーンが度々あり、加藤くんはめちゃくちゃ芽衣子のこと意識してるのに芽衣子は無頓着なあたりに芽衣子の陰キャぶりが感じられて好きだった。
自分はあくまで観測者の立場で、当事者になるとは微塵も思ってないというか。
逆告白を受けるまで自覚なかったんだろうなぁ。
ラストシーンではそんなぎこちない2人の関係も変化していて、お互いの夢を叶えて信頼関係が出来上がってたのもとても良かった。

千秋楽、下手奥の階段から登場するシーンで転んでしまった芽衣子、というか美怜ちゃんが「私ってこういうことあるよね〜」とアドリブでその場を成立させ、そのまま痛いそぶりも見せず、1シーンやり切った胆力がすごかった。
あんまり足元を見てなかったので傷の状況は見てないのだけど、芽衣子が近くに来てこちらに背を向けたとき、ふと足元を見たら靴下の高さが左右で違っていて「何事もなかったように続けてるけど、何もなかったわけじゃないんだよな……」と思った。

芽衣子が加藤くんに漫画を見せる前に文慶くんに確認するシーン。
文慶くんがCブロック前の階段に座っていたので、千秋楽ではこのシーンをかなりの近さで見ることができてグッときた。芽衣子がぽろぽろと涙を流しているのが見えてもらい泣きした。
贔屓目なしでドラハイの中で一番好きなシーン、感動したシーン、ここかもしれない。

金城徹太:佐奈宏紀

柴田くんの次にやりたい放題なキャラが金城くんだったと思う。笑
何もしてないときは爽やかルック正統派イケメンなのに、"金持ち権力者キャラ"がどんどん酷くなって(褒め言葉)細かい面白いシーンが多かった印象。

8日夜に見たときはそこまで酷くなかったと思うんだけど、千秋楽はまず目力が凄かった。笑
金城くんにスポットライトが当たる度に目をかっ開いてて、怖いくらいだった。笑
しかもその目のまま客席を見てくるので、一度目が合ったけど「イケメン」より先に「こえーよ!www」と思ってしまいました。
生徒会長になった後のシーン、ジュリアたちが話してる後ろでパントマイム的なことをしてて、千秋楽では「おにぎりおにぎりちょっと詰めて〜♪」の動きをしてたり、9日夜は猫?何?なんかあざといポーズをしてた。お茶目で自由人だった。

あと体育祭でリレーの走者をやらない理由「実行委員だし、実況担当だし、」という台詞に「イケメンだし」が挟まる回と「勝ち組だし」が挟まる回があったのは把握しました。愉快。
他のパターンもあったんだろうか。

生徒会長になったときの公約「4階建ての校舎を6階建てにします」という台詞が千秋楽では「40階建てにします」と盛りに盛りまくられてて笑ったんだけど、その結果千秋楽の柴田くんが屋上から飛び降りようとするシーンは「これ、40階建ての校舎で起こってるはずなんだよな……」と思ってしまってジワジワ面白かったです。

スーパー生徒会長、ほぼほぼ学校長になったときに得られた権力は「全ての交通機関が無料になります(でもリムジン通学)」「給料が出ます」「気に食わない先生をクビにできます」「休みを好きな日に決められます」「テストの内容が事前に分かります」等々パターン豊富で、それに対する周りのツッコミ含めどれも面白かったなあ。

樹利亜が「あいつウザいのか優しいのか分からんな」って言ってたのがあまりに端的かつ的確に金城くんのキャラクターを表してて大好きなセリフです。

加藤清海:田村升吾

平凡なキャラクターかと思っていたら最後にどんでん返しがあって初見のときはめちゃくちゃ驚いた。
芽衣子の告白シーン撮影が伏線なのは初見ですぐ分かったけど、2回目=千秋楽を観たときに「あ、このとき文慶くんに打ち明けてるんだ」とか「文慶くんの行動は全部知っててのことだったんだ」とか「柴田くんの『悩み事がない人には~』に反応したこのセリフもそういう意味だったんだ」と仕掛けの多さにさらに驚いた。
アーカイブ配信を見ていたら柴田が「半径2km以内のデータを消す」と言ったときに一瞬「あ……」と反応していた細かい演技もあった。
1回目と2回目以降で印象が全く変わるキャラクターだったし、裏主人公的なポジションだった。

鈴木祐実:田島芽瑠

いろいろ仕切って男子と衝突するリーダー的な女の子、いるいる~!
私の場合は高校ではなく中学のときにこういう子いた。その子は吹奏楽部だったけど。陰キャにも優しくてそこそこ人望ありつつ「あいつちょっと出しゃばりすぎてウザくね?」とも思われがちなタイプ。
リアリティありすぎてずっと当時の同級生の顔がチラついてた。笑

笠松くんと鈴木のパーカーコンビ、好きだったなあ。
芽衣子は2人を主人公&ヒロインにしたスポーツ漫画を描いてほしい。
最後に笠松くんが鈴木に対してプロポーズのタイミング伺ってたのが2人の関係性が垣間見えて好きだった。

病院での柴田父とのアドリブバトルは毎回面白かった。
大体は柴田父(というかなだぎさん)の方が知識豊富なのでコテンパンにイジられ倒すんだけど、千秋楽では事前にキン肉マンネタを調べてきたらしくカウンターパンチを食らった柴田父が一瞬面食らった顔してたのが愉快だった。
でもその後「じゃあキン肉マンが倒した超人の名前を一人言ってみろ」と言われて変な超人名言って「オリジナル超人をつくるな!」とやっぱりコテンパンにされてて笑った。
オリジナル超人、なんて言ってたか覚えてないけど「バッファローマン」って言いたかったけど思い出せなかったんだろうな、ってニュアンスの名前だったな。笑

木戸あずさ:鈴本美愉

8日夜公演に行ったときは喉が調子悪くて掠れてたんだけど、そういう声のキャラかと思って全然気にならないくらい声と役が合ってた。なのでカーテンコールだったかアフタートークだったかでその話をされて「え?!そうだったの!?」と驚いた。

陽キャ女子が多いD組の中で一人落ち着いたトーンで、でも単なる「大人しい女子」ではなく、柴田に「君はこちら側の人間だ」と言われても「一緒にしないでください」と意外とはっきり自己主張をするし、中身の個性はかなり癖があってジワジワ面白いタイプだった。
芽衣子に「あずはちょっとそういうの(BL)が好きなだけじゃん?」と言われて「ちょっとじゃない。すごく好き」という返しのセリフがめちゃくちゃ好き。笑

最初の自己紹介のとき、文慶くんがテンパって「加藤氏……以外には、本が好きです」という台詞があるんだけど、これってつまり「加藤氏が好き、それ以外には本が好き」という意味なので木戸さんは絶対聞き逃してないだろうなと思ったし、雨のシーンで「どっちが受けだと思う?」「加藤くん」「当たり」ってやり取りもその台詞を踏まえてのことじゃないかな、と思って見ていてニヤニヤした。

笠松楓:草地稜之(円神)

8日夜に見たときはとにかく「声が良い」という印象だった。程よい低音でイケボ。何喋っても「おお、めっちゃ良い声だな」という感情が先行してしまい、8日夜はその印象しかなかった。
2回目の観劇となった千秋楽ではようやく声が耳に馴染んで笠松というキャラクターの面白さを掴めるようになった。

笠松くんは不良というより反抗期男子って感じ(特に何も悪さしてないし。タバコ吸ってた成田くんの方がよっぽど不良じゃんね)。
鈴木の浴衣姿を見て「フツーじゃね?」って言うんだけど内心は「可愛い、けど素直にそんなこと言えない」だったんじゃないだろうかと思う。
そういうツンデレなところ好きです。かわいい。

そんな笠松くんが一番笑顔だったのは千秋楽で柴田をぶん回してたときだった、と思う。笑
あのときの笠松くんが一番イキイキしてて可愛かった。柴田に一泡吹かせてやった(物理)感のあるドヤ顔気味の笑顔が最高に大好き。

林原波留:中本大賀(円神)

波留が樹利亜の告白を断ったときは、樹利亜の反応を見て「同性愛者なのかな?」と思っていたけど当たらずとも遠からずで、その後の展開で「見た目は男性、心は女性」ということが明かされた。
なるほど、だから最初の登校シーンで森本先生と写真撮るとき先生に肩抱かれて「先生、近すぎ」って嫌がったんだなあ。嫌がったというか、恥じらいだったわけだ。

その後は成田くんが「波留は波留だ」と言ってくれたのをきっかけに成田くんにお弁当作ってあげてたり何かと仲良くしていて良い関係っぽかったけど、たぶん成田くんはその言葉通り「性別がなんであれ波留は友達」と思っていて波留のひそかな恋心には鈍感だったんじゃないだろうか、と思った。(そしてそのひそかな恋心を私は応援していた)
それにしたって出版社襲撃時の「クラスメイトじゃなくなったら俺らの関係はなくなっちまうのかよ」はイケメン台詞すぎるし友達相手に言うことじゃないが。笑
成田くんは根っからのスパダリすぎるけど、花蓮ちゃんしか眼中になさそう。ドシスコンめ。

最後にみんなが再会したときの波留の服装が絶妙な可愛さで波留にすっごく似合っていたし、着こなしていたのがとても良かった。

鹿目詩織:後藤萌咲

後藤さん本人も「嫌なやつ」と言っていた詩織ちゃん。でも、こういう嫌なやつこそ物語には大切だったりするので、結構好きな役どころでした。

イケメンが好きで、金城くんに積極的にアプローチして、でも弱い部分を見せられない不器用さもあったり、花蓮ちゃんにノートを取ってあげる優しさと金城くんを取られそうになって嫉妬心が沸々としてしまう感情の揺れ動きがあったり。
人って完全な善人も完全な悪人なんていなくて、両方あるのが人間だよね、っていう、なんだか一番人間臭い子だったなぁと。

「こんなに大ごとになるなんて思ってなかった」という台詞が大好きでした。
花蓮ちゃんが詩織ちゃんに「嫌いになれないの」と言ったのと同じように、詩織ちゃんも、花蓮ちゃんに金城くんを取られそうになっても(実際は違うんだけど、詩織の視点からはそう見えてたはず)花蓮ちゃんのこと、嫌いになれなかったんだね、と思った。

森本時生:福島海太

私の高校時代の担任が新任で若い先生で、私含めクラスメイトも先生に対して親しみ半分舐めてる半分なとこあったから、森本先生に対して「若い先生って高校生から舐められるよね、分かる分かる」って思って見てた。なんなら一番共感できたかもしれない。笑

森本先生の学年スローガンは毎回アドリブだったのでメモしてたんだけど、一番笑ったのは8日夜の3年生スローガン「I wanna be a pop star」。
突然の平井堅wwwって笑ったし、客席からは拍手起こってましたね。めちゃウケてた。

あと、アフタートークで「福島さんと美怜ちゃんが同い年」って聞いてめちゃくちゃ驚きました笑

朝妻文慶:唐橋充

不器用ながら、記憶を失った加藤くんをフォローしようとする姿がカッコよかった。
「思春期です」とか言って女子が苦手な隠キャ組のように見えるけど、女子たちからは「文慶」って名前呼びされてるの地味に勝ち組でしょ。

木戸さんとのコンビが好き。でも隠キャ同士であの2人はどちらからも好意を向けたりしなさそうだし、どこまでいってもあの距離感の関係性なんだろうな。そこがまた良いのだけど。
序盤のLINE交換の流れで「機械は弱くて……」発言からの終盤木戸さんとの出版社ハッキングのシーンで木戸さんが言ってることあんまり理解できてなさそうな感じが、キャラクターに一貫性あって好きだった。
「IPアドレス……先生、お願いします」とか、自分で説明できなかったんだろうなぁと思うとちょっと可愛かった。笑

Cブロック前の階段から登場するシーンで毎回いろんな入り方?をしていたのがツボで、狭い小窓から侵入するようなのとか、パスワードを入力すると扉が開くのとか、いくつかパターンがあったと思う。
文慶くんの後に同じ場所から木戸さんが登場するときがあって、文慶くんと扉の仕様が変わってる(木戸さんは普通に扉をガラガラと開けて入ってくる)のが地味にツボだった。

稲垣樹利亜:馬場園梓

樹利亜はスーパーサブというか、取り立てて目立つシーンはあんまりないんだけど(修学旅行くらい)、ちょこちょこと面白いシーンや面白い一言が多かった。

大のスタバ好きでスタバに行くことを「スタバしばきに行ったろか」「ボコボコにしたろ」って言ってたり、たまにスタバじゃなくてドトールしばこうとするのは笑ったし、
女子みんなでプリクラを撮るときは毎回相撲取りのポーズ(回によって貴乃花だったり白鵬だったり)をみんなにさせる謎のレパートリーの多さに笑ったり、
柴田ともちょこちょこやり合ってた(というか大体柴田が悪口言って切り返す形)のもさすが芸人2人の掛け合いで面白かった。

一番笑ったのは、千秋楽の回の、神社で願い事を言うシーン。
目を閉じて手を合わせてからめちゃくちゃ念じてる動きの多さに笑ったし、何をお願いしたのかと思ったら「星名美怜ちゃんのような見た目になれますように!」ってキャラ名じゃなく美怜ちゃん本人ご指名でめちゃくちゃ笑った。
会場からも拍手起こってましたね。天才的なアドリブ、最高だった。

波留との関係性も素敵だった。
波留に告白して気まずくなったときも明るく努めようとしたり、その後波留のカミングアウトを受けても「しゃあないな」の一言で受け入れていて。
その後のシーンを見てても本当に良い意味で「変わらない」ところが良かった。
成田くんが「性別が何だろうと波留は波留だ」と言ったけど、その言葉を一番体現してたのは樹利亜だったなぁと。

柴田邦男:なだぎ武

書きたいことがありすぎる。面白かったシーンがありすぎる。笑
8日夜→千秋楽→9日昼夜アーカイブ配信の順に見たわけですが、千秋楽ではアドリブ増えすぎててゲラゲラ笑ったし、アーカイブ配信ではアドリブ少なすぎて「あれ!?ここでアレ言ってなかった!?」ってアドリブがないことが逆にジワジワ面白く感じたりしてとにかく愉快な役だった。

千秋楽で二宮金次郎コスプレの薪を両隣の鈴木&笠松に奪われたり必死に取り返したり抱え込んだりしてたの楽しかった。抱え込んでるの見て、あの薪結構クッション性あるんだなぁとか思ったり。笑

アニメネタが多くて、「私のIQは53万です」「フリーザだ」に始まり、体育祭で花蓮ちゃんに応援されてヒュンヒュン言いながらちょっと浮いてたのもスーパーサイヤ人パロディだろうし、鉄串を振り回すシーンは日によって進撃の巨人パロディの日と鬼滅の刃パロディの日があった。
あと柴田父=柴田肉男にくおも通称「ミート君」だったし。

千秋楽では柴田というかなだぎさんがメタ発言連発してて度々拍手が起こってた。
その一つが柴田父vs鈴木の病院のシーンなんだけど、「お前らが今まで散々こいつを甘やかしてきたせいだぞ!」ってめちゃくちゃ客席の田島芽瑠のオタクにヤジ飛ばしてたの笑った。
笠松くんにぐるぐる回された後も草地稜之のオタクに同じようなこと言ってて笑った。

雨の中の傘シーン、花火大会の鉄串のシーンでの動きは本当どんどんグレードアップしたんだろうなって千秋楽見てて思ったし、傘どんどん壊れてくし、好き放題やってる柴田……というかなだぎさんに翻弄されて笑いを堪え切れてない花蓮ちゃん(和香ちゃん)が可愛すぎてとても助かりました。
千秋楽ではもう傘として機能してない傘を「まぁ今日で最後だしいいか」と、メタ発言で笑わせてから退場してまた拍手が起きてた。笑

屋上飛び降りのシーンでは花蓮ちゃんが「好きーー!」と叫んだ瞬間『柴田てめえ!!!許さん!!!』と私の中の南沢花蓮ガチ恋な部分が飛び出しそうになったけど、その後「じゃなーーい!」と続いたのでニッコリしました☺️

一番笑ったのは笠松くんにぐるぐる回されるシーンで、8日夜に見たときはそもそも回してたっけ?ってくらい印象に残ってなかったのに、15日は大回転になっててゲラゲラ笑った。三半規管やられて鉄串を支えにしてフラフラしてる柴田くん、あんなに弱った柴田くんもなかなかなくて面白かった。
9日の配信見てたら昼は普通に回ってて、夜は大回転になってて、カーテンコールでなだぎさんが「もっと回してもいいよと言ったら回されすぎた!こいつのこと舐めてたわ!」と言ってて愉快だった。この日があっての千秋楽だったんだな〜と。
そして千秋楽のときはどのシーンだったっけ、ラストの成田くんにオトされた後だっけ、もう一回柴田くんが回されるシーンがあったのもゲラゲラ笑った。
というか笠松くんが近づいていった時点で「おっ?おっ?またやる?回る?」ってめちゃくちゃ期待してたし、実際回され始めてゲラゲラ笑った。2人とも楽しそうで可愛かった。
笠松×柴田、木戸さんにおすすめしたいカップリングでした(コラ)。

あ、あと最後の同窓会シーンで脳を2つ持ってる柴田くんが「こっちが○○の脳で、こっちが××の脳」と言うセリフの人名は毎回アドリブだったと思うのだけど、8日夜に言ってた「こっちがアンジャッシュ小嶋の脳で、こっちの汚い方がアンジャッシュの渡部の脳」って言ってたのがめちゃくちゃツボでした。
本当に際どいセリフが多すぎて大好き。笑

おわりに

ドラハイ千秋楽から2週間以上経ってしまった〜〜けど感想たくさん書けて満足です。
本当に楽しい舞台だった!
配信含め4公演見ても全然見飽きなかったし、毎日観に行ってた人の感想ツイートを見てても毎回いろんなアドリブがあったみたいで「今日も行きたかった〜!」とグギる日々でもありました。

普段のnoteだったら舞台見れなかった人向けにあらすじを書くんだけど内容が多すぎて濃すぎて書けなかった、本当にそれくらい青春がぎゅっと詰まった作品でした。
再演……は難しいかもだけど、円盤化とか、柴田くんのスピンオフとか、ぜひお願いします。待ってます。

そして、こんな素敵な作品に出会わせてくれた推し、風見和香ちゃん。本当にありがとう。
初舞台を見届けることができてとても幸せでした!


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