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【転職としての星野リゾートvol.9】 「コンセプト」はいかにして重要なのか②

画像は 界 アルプス



コンセプトを見直す

前回からの続き
ここまでを簡単にまとめてみる。

企業が生存し続けるには、「誰に」「何を」売るのかと言う一貫性(=コンセプト)を考えることが重要である。
ファストフード店の店主は、「時間が惜しい人に」「ハンバーガーを」売ることに決めた。
しかし、このままでは、他店との差別化ができず、経営破綻してしまうのではないかと危惧している。
そこで、コンセプトをもう一度見直してみることにした。

まずは、「誰に」の部分。
時間の惜しい人にという言葉の解像度を上げてみよう。
時間の惜しい人とはどんな人だろうか。例えば、こんなのはどうか。
・時間が惜しい人は、「待つ」時間を嫌う。
・時間が惜しい人は、歩くスピードが速い。
・時間が惜しい人は、休日にも予定が入っている。

それを踏まえた上での部分。
・ボリューミーなハンバーガーは味に飽きて食べるスピードが遅くなる。
・液ダレするハンバーガーを食べることに気を遣う。
・香りが強いハンバーガーは店内喫食率が高い。

では、これらを掛け合わせると、どんなコンセプトが出来上がるのか。
例えば、
「シャナイ(社内・車内)バーガーの店」
 ※駄洒落センスは脇に置いといて。。。

これをコンセプトと置きながら商品開発をしてみると、
・手に持ちやすい小さなサイズ
・手で持っても汚れない
・持ち帰り専門
・香りが充満しない工夫がある
など様々に考えられる。

差別化による選択

上記はあくまでも例え話であるが、
そのように具体と抽象を行き来することによって、差別化をはかることができる。

差別化すなわち競合との棲み分けは、言い換えると、前回記事の冒頭で説明した「選択」の話に戻る。

選択とは、あるものの中から適当なものを選ぶことであると同時に、それ以外のものを捨てることである。

つまり、ビジネスの文脈においては、影響度合いの観点から見ると、
ターゲットを選択していると言うよりもむしろ、他のターゲットを捨てているといった表現の方が近しい。

このことはビジネスにおける特権かもしれない。
なぜならば、公的機関の場合そうはいかないからだ。

ここにビジネスの妙がある。
選択をしない場合、全方位に対して経営資源を使うこととなり、結局はどこにでもよくある企業になる。
しかしながら、選択をすることによって、そこにしかないトンガリを生み出すことができ、特定の人々に選び続けられる可能性が高まるのだ。

そういうわけで、日々コンセプトによる取捨選択と共存が行われている。ここまで書いて、これが今回の自分の気づきだった。

以上、お読みいただきありがとうございました!

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