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オンライン・メシエマラソン

1.メシエマラソン

 2022年3月の「Beyond星空案内人講座」で「メシエマラソン」の紹介をしました。その時に「聞いたことはあったけど、詳しい内容を知らなかった。知ることができて良かった。」という方が多かったです。

 「メシエマラソン」は1970年代にアメリカで始まった ”110番まであるメシエ天体を一晩で見よう” というイベントです。メシエ天体を星図上にプロットすると、偶然 赤経0h付近に天体が無いことから、春分の日の頃の月灯りの少ない夜に開催されているそうです。

2.電視観望でメシエマラソン

 試しに2022年3月10日(月齢8)の19時半から翌午前1時半までメシエ天体観望をしてみました。特に準備をしたワケでもなく、ただ星図を頼りに天体を導入したのですが、5時間の間に55個ほどのメシエ天体と、近くのいくつかのNGC天体を見ることができました。

3月10日の5時間で観望した天体一覧

 このようにCMOSカメラを使った電子観望では、眼視観望でそらし目などを使わなくても星雲や銀河を確実に見ることができるので、淡いメシエ天体も確実に見ることができました。これは便利だ!

3.オンライン・メシエマラソン

 そうして Beyond講座の有志から、Zoomを使った「オンライン・メシエマラソン」をやってみよう、という話になりました。開催は2022年4月2日(土曜、月齢1.2)。
 この日は、Zoom主催者が行っている毎月恒例のオンライン天体観察会の日だったため、「オンライン・メシエマラソン」は配信の終了する21時からのスタートとなりました。配信の後に、同じZoomを使って、望遠鏡にメシエ天体を導入してはASI Studioの画面を共有するという方法で、メシエ天体の画像を参加者みんなで天体確認をしたり鑑賞して過しました。

4月2日に観望した天体のいくつか

 マラソンの勢いで次々とメシエ天体を導入して観望していくと、効率が良いので、その時に見えるメシエ天体を見尽くしてしまいました。そのため真夜中に1時間ほど休憩を入れ、暖かい夜食を摂り、メシエマラソン再開。
 その後次々とメシエ天体を観察し、隣家で見られない天体を除いてメシエ天体を見尽くし、合計77天体を走破して、午前3時で終了となりました。
 この時の反省として、電視観望を使ったメシエマラソンは天体の導入と確認の効率が良い反面、その時に見えるメシエ天体を見尽くしてしまい、休憩を入れないとならないという効率の悪さから、数回に分けた「ハーフマラソン」にしようということになりました。

4.オンライン・メシエマラソン(ハーフ)

 開催を24時までとした「オンライン・メシエマラソン(ハーフマラソン というか クオーターマラソン)」の第1回(春の回)を2022年5月28日(月齢28)、第2回(夏の回)を7月30日(月齢2)、第3回(秋の回)を10月29日(月齢4)に開催しました。
 毎回メーリングリストを利用して全国各地にランナー(天体を導入して天体画像をZoomで共有する)を募り、導入した天体を確認する伴走者、確認した天体の記録を付けるサポーターと決めて開催しました。ランナーが全国各地であれば、どこかで星空に恵まれて天体導入と画面の配信ができるものです。
 第4回(冬の回)は、季節としては1月開催ですが、冬は寒いので開催はナシとして、次は定番の春分の日の頃に、夜通しで「フルマラソン」をする予定です。

夏のオンライン・メシエマラソンの様子

夏のメシエマラソン用 天体導入シート
SharpCapでの画面共有
ASI Studioでの画面共有


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