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［ 何気ないワンシーンに物語を ］

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撮った写真を載せています。レタッチなども。
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［星野 カナタ］
［星野 カナタ］

［星野 カナタ］

良い夫婦の日は終わりましたが。

    ［星野 カナタ］

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    親友に似ている色。

    青くて、冷たくて。でも優しくて、落ち着く。私の親友のよう。「青が似合わない」と言われる私にとって、その色は遠い存在だと思ってしまうのだ。でも彼女は、いろんな色を纏って私を、周りを魅了して輝き続ける。時に孤独で、時に賑やかなあの人が好きだ。
    ［星野 カナタ］

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    悲しみの雨に濡れたから。

    雨とライトの光。遠くで風が鳴っている。ぼんやりした頭に入ってきては駆け抜けていく。ひっそりした時を忙しく走る車たち。私の視線は、窓の外を眺めるのをやめられないでいる。叩きつけられた雨粒が流れていくのをガラスの向こうからなぞって、哀れむだけ。
    ［星野 カナタ］

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    秋は○○。

    「秋は、夕焼け。」と書き出して、ふと枕草子が浮かんだ。そういえば、「秋は夕暮れ。」とうたっていなかったっけ。学生ぶりに思い出した気がする。「春はあけぼの」とよく耳にするけど、夏や秋、冬のことを覚えている人は少数だろう。私もどこかで聞いたフレーズだと思いながら書き出して、結局枕草子を検索していた。古から言われてきたことは、本当なのだ。四季の美しさをうたったあの人は、誰よりも感受性が豊かで、素敵な人だったに違いない。この景色を見て、秋は夕暮れと謳わずにはいられなかったのだと思うと、胸が熱くなった。
    ［星野 カナタ］

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    移り変わる景色には、秋の終わりを。

    みどりの中に見つけた赤い色。中心から色付いて、季節の輝きを放つ。このままもう少し。でも明日には、明後日には…。もう２度と見れない今の景色が、胸を打つ。赤く染まる頃、きっと秋が終わって冬に染まるのだろう。
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    ミラーに写る、遠い未来に。

    誰の行方を照らすのか、鏡の向こうに映る影。あたりは真っ暗なのに、ぼんやり光っている。どこに行こうかな。そして、私はどこへ行くのか。わからないまま、進んでいくの。これからも。
    ［星野 カナタ］

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    秋のサクラと、曇天と。

    曇天の空に向かって伸びる秋の花。春には桜が咲くけれど、秋にも桜が咲くらしい。木や枝はなくとも、しっかりとした茎と葉を携えて。桃色、橙色、赤色と、綺麗な彩りを放つ、力強さがここにあった。
    ［星野 カナタ］

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    オレンジよりも橙色と伝えたい。

    秋の色は木々に、葉に、問いかけると教えてくれる。優しくて易しい、色だった。
    ［星野 カナタ］

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    Unlimited:BLUE

    シャッターを押す時、ほんの一瞬だけ息を留める。時が止まって、私の魂も切り取られるような、不思議な感覚に心が震える。燃えるような青が広がる。身体の芯から、じわりじわりと広がる高熱の蒼さ。触れると火傷しそうなほど、冷えた碧い色。
    ［星野 カナタ］

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    陽が沈んで、胸を痛めた日。

    明日は、新しい１日の始まりだっていったのは、誰なんだろうか。陽が沈むのを見つめているだけで、こんなに毎日胸が苦しくなるのに。「明日なんて来なくていい。」そんな薄っぺらいことを、何度思ったことだろう。明日になったからって、何にも新しく書き換えられないというのに。人生が新規作成の毎日だったら、どんなに楽なことなんだろう。ボタンをポチりと押して、何もかも忘れて、真っ白になれたらいいのに。
    ［星野 カナタ］

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    空に謳えば。

    青いキャンバスに、うろこ雲を描きたした。電線はまるで、五線譜のように伸びて、雨のように音符が降ってくるのを待っているみたい。私はそっと歌を唄って、空へ投げてみる。何にも答えてくれない代わりに太陽が溶けて、それはそれは綺麗だった。
    ［星野 カナタ］

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    その日、僕の世界が終わる。

    「明日、世界が消えるんだって。」何を馬鹿げたことを。いつも冗談を言わない君が、突然そんなことを言うなんて。「そうなんだ。じゃあ月へでも逃げようか。」そんなジョークを返すと、悲しそうな顔をして俯いた。「遠くの街に引っ越すんだ。」絞り出すような小さな声だ。「僕のこと、忘れないでね。」そうしてようやく気づいた。僕の世界に君がいるのも、今日までということなんだね。「忘れるわけないよ。ずっと一緒だったじゃない。」そう返せば笑ってくれるかもしれないけれど、その言葉が口から溢れることはなかった。
    ［星野 カナタ］

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    芽吹く秋の陽

    太陽が焦げついて、燃えるような暑さは何処へやら。あの嫌いな季節が終わった後の太陽は、名残惜しそうに、草木を自分の色へ染めているようだ。緑に映える、深くて赤い、紅色。冷たい風に負けないよう震える葉が、気丈に振る舞っていた。
    ［星野 カナタ］

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    残らないものに、興味もない。

    繋いでいたいのに離した手と手。あの日の空が目に映った。移ろいだ景色だけが、僕を残して。みんな忘れていく。行き先告げる信号機が、頭の上で光るけれど、目的地なんて誰も知らない、僕も言えない。ずっとこのまま、平行線な日常を繰り返す。