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アフターデジタル / OMO の概念と組織のあり方への考察

アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る 

この本は本当におすすめです。中国の進化を間近で感じ、デジタルの世界観でコンサル/サービス提供を続けていたビービットだからこその記事だなぁと。良書です。まだの方、ぜひご確認を。

この記事では、本の中身を解説するというよりは関連する備忘メモを書いておきます。(本当に意味わからないかもですがすみません)

リアルはデジタルの塊になる

もともと「デジタル完結」のみだったインターネットの世界は、リアルを含む次のバージョンにアップデートされていく。

個人的にはMaaS領域(Mobility as a Service)とかもイメージしやすいです。フィンランドのWhimが有名ですね。(定額制でバス、電車、タクシー、車、自転車などが乗り放題。1つのアプリでそれらが完結するようなサービスです)

MaaSの世界観の中では、「現在地から目的地まで、移動が意識されない世の中」の実現に向かっている。要は物理的制約がなくなるんですよね。ネットの世界と、リアルの世界の境がなくなっていく。

上記が実現されると、例えば不動産の価値は圧倒的に変わっていく(ex. 駅徒歩何分、に意味がなくなる)。また、商業施設のあり方も変わっていく(ex. 一つの施設の中にすべてをまとめなくて良くなる)。

今まで前提としていたすべての戦い方が変わっていきますよね。

結果としてマーケティングはもっと優しくなる

これまでマーケティングというと、狭義にはプロモーションのことを、広義には4P(Product, Place, Price, Promotion)の概念を指していました。

アフターデジタルでは、4Pの境目がなくなります。プロモーションにより認知が始まり、認知が始まった瞬間からサービス/プロダクトの利用も始まり、「場所」の概念も薄まる。境目はすべて溶けていきます。
(4Pの概念は、すべて「before digital」の時代のフレームワークだと捉えて良いですよね。)

結果アフターデジタルのマーケティングは「人が会社/サービス/プロダクトを認知してから、大好きになってくれるまでのストーリーをデザインすること」に変わっていきます。

そうすると、広告打って何万人にリーチして、何百人が初回利用してくれて、そのうち何%が次の利用につながって、というファネル型でのマーケ思考ではなく、①自社サービスを大好きな状態(かつお金が落ちる状態)はどのような状態で、②好きになってくれる人はだれで、③認知〜理想的な状態までどのようにストーリーを作っていくか、を定義していくことが重要なっていきます(打ち手はときに広告であり、UIであり、口コミであり。チャネルはあくまで手段。)

すなわち、もっともっと「人」を見たマーケティングになっていくと思うんですよね。ただ、全員を大好きな状態に持っていくことは難しいので「如何に大切な一握りの顧客と繋がり、如何に関係性を創造・継続していくか」が大事になります。まさにN1のマーケティングの世界観ですね。

マーケターが「人」のことを考え、よりよいストーリーを作っていく。「喜ばれる・好きになってもらうこと」が競争優位に繋がり、サービス/ブランドの定着化につながっていく。そんな形で、マーケティングはもっと優しくなっていくと思っています。

※くどいですが前提として「喜ばれる/好きになる」だけではなく「(長期的にでも)売上につながること」が何より重要です。(いろいろ流派はあると思うのですが)マーケは「認知を取る・印象に残る」ことが目的でもないですし、UXも「気持ちの良い/心地よいデザイン」が目的ではないと思っています。いずれも「誰に、どのような価値を、どのように体感してもらうことでビジネス成果(良質な関係性構築)につながっていくか」を考え、具体化することです。

アフターデジタルにおける「組織のあり方」〜「上司が言うことよりも、顧客の行動を重視する」〜

「人」を見たマーケティングでは、上司よりも(自分の感覚よりも)「顧客」が正です。つまり、上司が言うことよりも、顧客の行動が正しくなる。顧客というロジックを持って上司と議論をしていく、そんな組織になっていくと思っています。

(だからこそビービットは顧客が見えるUSERGRAMというサービスを提供しているのだなぁと、一本筋が通ります。)

そしてすべてがデジタルの塊になった世の中では、行動に対する反応がより返ってきやすくなります。PDCA回したい放題。

つまりサービスをグロースさせる人の問は、「次何をやるか」ではなく、「長期的に体験を良質化していくことに向けて、どのような検証をするか」に変わっていきます。アジャイル的な思想ですよね。

リアル企業がアジャイル的な動き方をできるようになった時、日本ももっともっと大きな進化が待っているだろうなと思っています。

いわゆる、デジタルトランスフォーメーションの真髄ですよね。デジタルを活用した業務に変わることでなく、長期的に目線が本質的になっていくこと、それこそがアフターデジタルの捉えている世界観なのかなぁと。

だいぶ雑ですが。メモメモ。


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