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「モノづくりの国」の逆襲。エアロネクストの知財戦略はコトの時代における新たな勝機

エアロネクストという会社がかっこよい

ご存知の方も多いと思いますが、2018年頃から数あるピッチで賞を総なめしているエアロネクストという会社がかっこよすぎます。

簡単に紹介すると、「ドローンのデファクトスタンダードを作っている会社」です。マネタイズのキーとなるのは、「知的財産」です。

そもそものドローンビジネスでいうと、点検/検査や、物流、農業の分野に対し非常に可能性を秘めており、今後の社会インフラになっていくと注目が集まっている領域です。これまで人力で行っていた鉄柱の老朽化点検、危険な箇所の偵察など、様々な分野でドローンの活用が期待されています。(もちろん法的に超えないと行けない壁はあるとは思うのですが、圧倒的に利便性が上回ります)

そんな中、エアロネクストの持っている4D Gravity™という技術が世界的に注目を集めています。
これまでのドローンが克服できなかった、強風時や運送時でも、重心がほぼ動かない技術を持っているのです。結果として燃費の向上や、運送や撮影の安定性確保など、様々な分野に応用が可能となります。

この4D Gravity™こそ、今後のドローン業界におけるスタンダードとなる、エアロネクストのコアとなる技術です。

代表の田路さんは、あの「テレビ番組表」を立ち上げた方

彼らのビジネスをもう少し良く理解するためには、代表の田路さん経歴をお話すると良いかと思っています。

彼は、電子番組表「Gガイド」の立ち上げに携わり、そこで特許やライセンスビジネスを最前線で学んで来た方です。

日本初の電子番組表「Gガイド」サービスの立ち上げに関わることになる。最近ではテレビのリモコンに番組表ボタンがないことのほうが珍しいが、これをつくったのが、米・ジェムスター社と電通が共同創業し、1999年から2017年まで代表をつとめた電通のグループ会社・IPGだ。
彼はこの電子番組表サービスを普及させるためのプロセスで、エアロネクストの戦略の鍵と言っても過言ではない、知的財産(IP)を活用したビジネスとの出会いを果たした。 (from Startup DB

エアロネクストの根幹となる知財戦略・IP経営は、このときの経験が活かされているのですね。

CxOとして、CIPO(最高知財責任者)を置いている会社はとてもめずらしいですが、こういった背景などを聞くとうなずけます。

「アフターデジタル」において「モノづくり」の国が勝つためのヒントが大量に眠っている

以前、「アフターデジタル/OMO の概念と、組織のあり方への考察」という記事では、主に「モノからコトへ」の文脈について書いていました。

この「知財戦略」や「IP経営」という言葉は、まさに「モノづくりの国である日本にとっての、大きなヒント」になりうると思っています。

もちろん他の会社も知財については考慮しているとは思いますが、エアロネクストのすごいところはドローンという新たなインフラ/プラットフォームの中でコアとなりうる技術の知的財産を持っているところだと思っています。単に、「モノの性能(スピードが早い、や長時間の電池など)」に関する知財ではなく、「プラットフォーム実現のためのコア技術」だからこそ、「コトの時代」における戦い方ができているのではないかと。(うまく表現できておらず申し訳ないです)

次世代のプラットフォームにおけるコア技術を知的財産として保有しておくことは、プラットフォーマーに依らない安定したデータの取得・収益の確保に繋がります。技術によってプラットフォームもより良いものになっていくため、プラットフォーマーと補完し合いながらよい世界の実現につながる気がしています。



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