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#20「在庫戦略モデルで製造業の常識を変える」株式会社FACTORY X 代表取締役 神谷 喜穂さん

「Startup Now」では、資金調達を実施したばかりの起業家をお招きし、創業にかける想い、事業の現状や未来の話まで、アレコレお伺いするインタビューをお届けしています。このインタビュー記事は要約版となっております。気になった方はぜひFull VersionのPodcastもお聴きください!

第20回目は、株式会社FACTORY X 代表取締役 神谷 喜穂さんをゲストにお招きしました。
Factory Xは、製造業の在庫最適化に特化したソリューションを提供するスタートアップです。
代表取締役の神谷さんに、Factory X創業の経緯や事業の展望についてアレコレ伺いました。


幼少期から在庫管理に出会うまで

神谷さんの生まれと育ちは、トヨタ自動車の本拠地も近い愛知県岡崎市。物心ついた頃から、家の裏にある工場を眺めて過ごす日々でした。製造業への憧れは人一倍強く、将来の夢はハードウェアエンジニアでした。しかし14歳の時に脳の病気で倒れ、後遺症の影響もありハードウェアエンジニアの夢は諦めざるを得ない状況に。モノヅクリへの憧れを頂きながら過ごす日々の中で、17歳の時に在庫管理という分野に出会います。「自分にできることは何だろう」と考えた時、製造業は譲れないという強い思いがありました。幼いころから 数学やパズルが得意だった神谷さんは、その能力を在庫管理に活かせるのではと考えました。また、プログラミングの力を借りれば、体調に左右されず自宅でも仕事ができると思ったことも大きかったです。「製造業の在庫管理をITの力で効率化したい」。神谷さんは17歳にして現在の事業の原型となるものを思いつきます。

FACTORY Xを創業するまで

大学・大学院では在庫管理の理論的な研究を重ねます。オペレーションズリサーチなどの手法を用いた在庫最適化の研究は、海外の学会でも高い評価を受けました。 しかし、いざ製造業の方に話を聞いてみると「在庫はゼロが理想」という考え方が製造業界の主流になっており、大きな違和感を覚えました。一方で、実際現場に足を運んでみると、適正な在庫の必要性は明らかでした。つまり、経営サイドと現場サイドの認識には大きなズレがあることに気づきます。在庫はコストでしかなく、可能な限りゼロにすべきだと経営者は考えていますが、現場の人間からすれば、適正な在庫があってこそ、製造ラインは滞りなく流れていくのです。
大学院卒業後は、アクセンチュアにてコンサル×IT、エクサウィザーズ社にてAIを活用した在庫分析のシステムやAIロボットの事業開発の経験を経たのちに独立。経営と現場の溝を埋めるべく、独自の在庫戦略モデルの開発に乗り出します。FACTORY Xのモデルでは、単に在庫を積み上げるのではなく、予算・生産・財務の情報を統合的に分析し、本当に必要な在庫量を割り出すための独自の計算ロジックを構築しています。データエンジンや計算ロジックといった部分は共通化しつつ、そこに入れるデータを作るところは完全に顧客ごとにカスタマイズして提供しています。

製造業界における在庫に対する認識の移り変わり

かつては「在庫はゼロに限りなく近づけるべき」というのが製造業界の常識でした。需要予測が容易な時代は、在庫を最小限に抑えることが良しされていたのです。 ところが、時代は変わります。サプライチェーンのグローバル化が進み、需要も多様化する中で、ゼロ在庫を目指すことがかえって非効率を招くようになってきました。市場の変化スピードについていけず、機会損失が生じてしまうことが徐々に顕在化してきたのです。 そんな中、コロナ禍で世界中のサプライチェーンが寸断され、多くの工場が操業停止に追い込まれます。「このままではいけない」と、コロナ禍を機に製造業界でも適正在庫の重要性が急速に再認識され始めたのです。 FACTORY Xの在庫ソリューションもまさにこのタイミングで大きな注目を集めることになります。「需要予測が難しい時代だからこそ、適正な在庫バッファーを持つべきだ」その主張が正しかったことが、コロナ禍によって明らかになったのです。

FATCORY Xのカルチャー、一緒に働く仲間を募集中

神谷さんのビジョンを信じ、製造業の発展のために尽力する、そんな正義感の強いメンバーがFACTORY Xに集まっています。チームメンバーは現在5人程度、神谷さんの妹もメンバーの一人です。元テレビ局ADの妹は、物事をわかりやすくすることが得意です。製造業は専門外の領域にも関わらず、持ち前のセンスで 難解な事業内容や在庫理論をわかりやすく伝えるビジュアル化などで活躍しています。 在庫管理の知識は必ずしも必須ではなく、入社後にキャッチアップすれば十分です。現在は、PdM、GCP/Python/Reactといった比較的若い言語のエンジニア、ITコンサル出身または海外経験のあるビジネスサイド、COOなど、各職種で幅広い人材を求めています。「在庫戦略の未来を信じられる人」を仲間として募集しています。
日本の製造業は長らく「カイゼン」の力で世界をリードしてきました。しかし、グローバル化が進む現在、製造業にもDX/新しい考え方が必要な時が来ています。製造業の在庫戦略モデルの構築という、新たな挑戦を行うFACTORY X、神谷さん率いるユニークなチームが、日本の製造業をどう変革していくのか、注目しています。


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