見出し画像

贔屓のいない大劇場公演を観た話

今年もあと2日ですね。2021年、贔屓の卒業というイベントがありつつ、なんやかんやで引き続き宝塚を楽しんだ1年だった。

年内に書き留めておきたかったので、今さらながら新生雪組の大劇場お披露目公演を観に行った話をメモしておく。
遡ること約4ヶ月前。大劇場に雪組公演を観に行った。
贔屓と呼べる活動をしていたのは凪様だけど、彩彩コンビが大好物な私は、やはり咲ちゃんのことも見届けたいと思っており…
実際に公演を観たら、凪様がいない寂しさに負けて、もう雪組観劇からは遠ざかってしまうかなと思っていた。

いざ幕が上がると、4月まで観ていた景色とは全く違っていた。それも前向きな意味で。トップが変わるとここまで変わるのだと、衝撃を受けた。
常に真ん中に立つ咲ちゃんは、正しく雪組のトップスターで、今までもキラキラしていたけど、やはり輝きが違う。
パレードのラストで大階段の中央でスポットライトが明転した瞬間の眩い輝き。今まで見てきたトップスターさんに感じていものと同じ輝きをしっかり感じた。

下級生だと思っていた子たちも、どんどん真ん中に立ってショーの場面の中心となる。

そして、相手役の希和ちゃん。舞台を降りると、トップさんを慕い後ろをついて行く、娘らしい娘役。しかし、いざ舞台に上がると、咲ちゃんが求めていたような、共に並んで歩く娘役さんだった。さききわコンビは共闘という感じ。
まだ上手く言葉では表現出来ないけれど、だいきほコンビにしか出せない良さがあると同時に、さききわコンビにしか出せない良さや表現があると感じた。

そして、咲ちゃんを支える純白の羽を背負うあーさ。正直観劇前は、「もし贔屓も残ってくれたら、羽を背負う姿を見られたのかな?」とネガティブな方向に走っていたけど、生で2時間半新生雪組を見たあとに羽を背負うあーさを見て、何のネガティブな感情は湧かなかった。そこには、新生雪組の2番手の朝美絢がいた。
銀橋で向かいあってシャンシャンでコミュニケーションを取る二人を見て、さきあさという新しいオアシスを砂漠の彼方に見た気がした。

やっぱり私は宝塚が、雪組が好きだなー
なんて浮かれながら、家路に着いた。これからの雪組が楽しみ。

新雪組観劇後の8月の終わり、彩彩コンビがスポーツ紙の紙面を飾った。

「心から『おめでとう』と喜び、応援する自分がいました」と話す。在団中を振り返り「(彩風は)下級生だけど常に私の前を走っていた良きライバルでした」といい、「私にたくさん刺激を与え、奮い立たせてくれる特別な存在でした」とたたえながらエールを送った。


私は今まで、凪様のライバルの咲ちゃんがトップスターの座に就くという構図をまるで考えたことがなかった。ファン歴が浅く、咲ちゃんが2番手になってからの雪組しか生で観たことがない。下級生時代の二人を知らない。

この記事の凪様のコメントを読んで、「もし残ってくれたら羽を背負う姿を見られたのかな?」とか考えてしまった自分を呪いたくなった。
言い方が悪いけど、凪様はライバルの下で、トップになることが見込めない羽を背負う気はなかったということに気づいてしまった。
でなければ、「心から~自分がいた」というコメントになるだろうか?

でも、なんだか気づいたことにより、胸のすく思いがした。琥珀色~でやり切ったと感じ、本当に悔いなく退団されたこと、彼女が優しすぎるあまり私には見えなかったけど、トップへのこだわりがあったことがわかって。

歌劇の殿堂に、fffのゲーテとナポレオンの衣装が飾ってあった。彩彩が紡ぎ出す、舞台にスパイスを与えるほど良い緊張感、尚且つ深みのある二人芝居、好きだったな。

今は違う道を歩き始めたけど、また二人の道が交差する時がくる日を信じて待っていようと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?