私が初めて恋したトップコンビの話
2022年12月25日、クリスマスの日に、初めて恋したトップコンビの最後の勇姿を見届けた。
そう、私は「さききわ」コンビが大好きだった。初めて特別な想いを寄せたコンビだった。
朝月希和ちゃんが退団する、さききわコンビが見られなくなる。その実感がなかなか湧かなくて、なんならまた見られる気が今もしている…
正直に言うと、実はプレお披露目の全国ツアー、運良く友だちになってくれた大劇場初日を見届けても、最初はこのコンビにピンとこなかった。
恋することに理屈はない。それは突然だった。
東京公演の個人的初日の『Fire Fever!』のデュエダン「一つの愛」を観たあと、ものすごく心に響いた。観た後にじわーっと心に温かさが広がる感じ。観劇した後、次の日もその温かさは消えずむしろ段々ときめきに変わっていった。
希和ちゃんの芸名由来のように、朝の月の如く心に残っていた。
まだはっきりこの頃は自覚できていなかったが、後から思えばこの瞬間に恋におちたんだな、と思った。私は初めてトップコンビに恋をした。
ODYSSEY中止期間にさらにのめり込み、さききわ好きなことを自覚し始めた。
その後の夢介センセは、見られない時間が私の中の恋心を育てたのか、全てのさききわが絡む瞬間にときめいていた。
気の強い女性と、彼女の心を上手く掴んで引き寄せる男性。
前を歩く男性と付き従う女性という、私が勝手にトップコンビに抱いていた定石を打ち壊してくれた。CITY HUNTERから引き続き、お芝居・ショーを通して新しいコンビ像を見せてもらえた気がした。
咲ちゃんは、ついてくるだけではなくて並んで歩くことを相手役の希和ちゃんに求めていた。
舞台上でも、きっとお稽古場でもそれは実行出来ていたのだと思う。
一方で私が堪らなく好きだったのは、ふとした瞬間に、咲ちゃんをキラキラの瞳で見つめている希和ちゃんの表情。本当に咲ちゃんを慕っているのだなと感じた。二人の周囲からも、珠玉のエピソードの数々が聞かれた。
本人たちからはあまり発信が無かった分、突然降ってくる裏話一つひとつが宝物になっていた。
新しい形を提示しながらも、宝塚の男役娘役像もしっかり受け継いでいる、絶妙なバランスが素敵だった。
希和ちゃんは、新しい扉を開けてくれた咲ちゃんのことを先生のようだったという。
私からしたら、さききわコンビが宝塚の本当の楽しさを教えてくれたから、希和ちゃんも先生のような存在だ。
咲ちゃんの特番の締めのコメント、「希和ちゃんの想いものせて2023年に繋いでいく」が素敵だと思った。
そう、咲ちゃんはこれからも雪組のトップとして舞台に立つ身。なんとなく、「相手役が変わる=まっさらな気持ちになる」みたいなことを勝手に想像していたけど、宝塚の雪組の歴史、咲ちゃんの男役としての芸の道に、希和ちゃんがいたという事実は変わらない。
そして、私がさききわコンビを好きになったという事実も消えない。スカステでさききわコンビの公演の放送がある度に、この初恋のときめきを思い出せるのかなと思うと、寂しいだけじゃなく、少し楽しみでもある。
希和ちゃん、ご卒業おめでとうございます。
本当に沢山のときめきをありがとう。
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