プログラミング研修をうまくやる方法

弊社では、企業向けにVBAまたはGASをお教えする研修のお仕事をしています。

だいたい、毎週2時間×8回ないしは2時間×12回で、全くの初心者から実務に活用できるくらいまでをお教えします。毎回、宿題を出して、その回答や相談をチャットでお受けしています。

コストとしては、全体で40~54万円くらい。参加人数は関係ありません。

はっきり言って、私一人でVBAとかGASで作れるようなプログラムは、各企業で独自に作れてしまったほうが、圧倒的に費用対効果が高いです。

開発して納品しても、クライアントの知識はほぼ増えません。

プログラミングは一朝一夕に身につけられるものではないので、習得して実務で活用できるようになるためには数ヶ月から半年くらいはかかります。しかし、それ以降はずっと価値を生み出し続けるボーナスタイムに入ります。

そのスキルによって生み出される価値は

・ルーチンワークの自動化による従業員の生産性の向上
・業務フローの棚卸しの機会の創出
・社内のデータの構造化および可視化の機会の創出
・従業員の市場価値の向上
・外部開発会社と会話をするための基礎知識の習得

など、様々なものが考えられます。

ていうか、数十万の投資をしておけば、以降は人件費以上のコスト負担がなしに、いろいろなツールを開発・保守できるのですから、そこだけ見てもお得です。

さて、そんな超絶オススメの企業研修ですが、「うまくやる」必要があります。

まず、そもそもですが、ゴールとしては「企業の中にVBAまたはGASが使えるコミュニティを作る」をゴールにします。

チームということは、つまり複数人、最低2人以上。そして、それぞれが独立した存在ではなくてチームとしてコミュニティを形成していることを目指してます。

1人だけだったり、複数人でもコミュニケーションがないバラバラな存在になってしまうと、学んだ知識や頑張って作った成果物の管理が個人に依存してしまいます。すると、会社として資産を残せなくなるというリスクがあります。

逆に「できるだけたくさんの人をできる」を目指さないというのも重要です。あくまで、2人以上の少数精鋭が育てられればOK。

確かに、「なるべく多くの社員に…」とか「選ぶのは申し訳ない」とか企業側の気持ちもわかるのです。

しかし、参加人数が5~6人を超えたあたりで、気軽に休んでしまう人や、課題をクリアせずに次回の研修に参加する人が出てきます。片手で数えられなくなるくらいから、急激に当事者意識が落ちます。

プログラミングの学習で大事なのは、センスとかよりも「習慣化」そして「当事者意識」なのです。逆に言うと、それができないと全く習得できません。経験上でも、脳科学的にも、間違いありません。

なので、研修のご発注をいただく前に「毎日時間を確保することが現実的で、ちゃんと目的がある人だけ集めてください」とお願いしています。

研修でいうと3回目くらいでしょうか。For文とそのロジック作りあたりが最初の難関になります。そこをペースを落とさずに乗り切れるかが序盤の気をつけるべきポイントです。

ロジック作るような演習を研修時間内にやると、人によって解答時間に大きな差が生まれるので、全正解を待つとカリキュラムの進行に影響が出てきます。

なので、宿題にしちゃうようにしています。基本的にはそれでうまくいきます。

ただ、前述の通り、参加者をうまく構成できなかった場合は、ロジック作りがクリアできないまま次の回も参加する方が出てきます。

プログラミングの学習は一定のところまでは積み重ねなので、前の回がクリアできないと、新しい情報が全く入ってこなくなります。それで、その人に前回と同じことを説明する時間が取られてしまいます。

これはほんと時間がもったいない…

真のゴールは社内にコミュニティ、つまり2,3人でもチームを作ることなので、その人の遅れを取り戻すことは優先度的には高くありません。

なので、申し訳ない(と、全然思ってない)ですが、ある程度無視して進めちゃいます。

最大の優先課題は、進んでいる人が引きずられてペースを落とさないようにすることです。ちゃんとやる人にリソースは使ったほうがいいのです。

というのが、うまい企業研修の受け方かなと思っています。まとめると

・参加者を習慣化、自分ごと化できる人に絞る
・コミュニティを構成する

たったこれだけ。あ、あとはお金が数十万必要でしたね。

でも、それだけで事務系のルーチンワークはかなりやっつけられる能力が手に入ります。

経営者なら、やらない手はないと思うんですけどね(ポジショントーク)。


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