お金に支配されずに生きる
さて、私は2015年に独立したわけですが、独立してよかったな~って思うことのベスト3くらいに「お金に(あんまり)支配されなくなったこと」が入ってるかなと思います。
あ、たくさん稼げているわけではないんですよ。まあまあシビアですよ。
学生時代で親のお世話になっていることはもちろん、バイトでも正社員のサラリーマンでも「お給料」という形でお金を手に入れていたときよりも、独立したことで「お金」をリアルな対象として見られるようになりました。
ほら、お給料って、多少の変化とかボーナスとかはあるにしても、ある程度一定じゃないですか。
増やすのはなかなか大変ですよね。半年とか一年に一回の査定で、若干上がったり下がったり。そんな中で多少インパクトがあるのは、残業をいっぱいすることだったりしますかね。でも、今はそんなに残業するなという雰囲気ですね。
逆に、例えば「今月は、給料めっちゃ下げていいので、今さっき思いついた新規事業に全力注がせてください!」みたいな上申は、多くの企業であまり通るイメージがありませんね。
そもそも、収入がある程度の一定ラインで見えちゃっているおかげで、支出もけっこうある程度の一定ラインでロックしちゃっていることが多いかなと思います。「この給料なら、これくらいの家賃のお家に住めるぞ」みたいな。
そんなわけで、従業員でいる時代は、お金ってやつがある意味神格化とまでは言わなくとも絶対的かつ比較的遠い存在、アンコントローラブルなもの、大上段の目的として先にあって、そのために時間リソースは一定は捧げないといけない、そんなふうに思い込んでいたところがありました。
ただ、独立するとだいぶその考えは変わるわけです。
独立してすぐのときは、「お金」に対しては
・とにかく毎月必要な日銭を稼がないと死ぬ
・起業したら収益をどんどん拡大しなければいけない
という2つの視点が占めていました。てなわけで、当初は、引き続きほぼ完璧にお金に支配されているわけです。
前者はリアルに当然にその通りのやつです。最初の2年くらいで、2度くらい死にかけました。最近も、プチ死にかけました。
後者は世の中の経営者はみんなそうなのかも知れませんが、売上とか規模を上げないといけないという脅迫観念がわりとありましたね…。どっからそのプレッシャーがやってくるのか、正直謎ですが。
さて、独立当初、仕事といえば受託中心でした。受託ってやつは
1. 自分の時間リソースとほぼ引き換え
2. 納品さえすれば、かけた時間リソースが短期的にキャッシュになる
3. 常に新規案件を受注する必要がある
という特性があります。簡単にいうと、自転車操業です。運悪く、新規案件の数が少なかったりすると収益が下がります。なので、収益が厳しいときは、嫌な仕事でも仕方なくお受けするしかなくなります。
逆に、運悪く、新規案件の数が多すぎても、自分のマンパワーには限界があるので受けきれずに逃します。
受託100%は危ないぞ、と。
それで、多少リターンは先々になったとしても不労所得的に収益が得られる事業にシフトしなきゃ…と思って、いくつかトライしました。
AdSenseとかYouTubeとか…汗
その中で、ある程度の花が開いたのが、書籍執筆とコミュニティ運営です。これらは、受託とはその特性がだいぶ異なっていて
1. 自分の時間リソースは超先行投資
2. 時間リソース投下から、だいぶ時間を経てから継続的にこつこつキャッシュを生み出す
3. 少しずつ積み重なる
と、こんな感じです。
なるべく早い段階でこれらに投資して蓄積を増やせたほうがハッピーですので、そちらにたくさんの時間リソースを投下したいところですが、やりすぎると足元のキャッシュが尽きて死亡します。
なので、資金繰りを見ながら、一定量をリソースを投下して、余裕がなくなったら受託を積極的に受ける…こんな立ち振舞をうまいこと継続しながら、蓄積していくということになります。
そんな立ち振舞。決して余裕があるわけではないのですが、直近のお金をむしろ取らずに、自分の時間リソースを資産の蓄積に回すという、コントローラブル感。
蓄積が増えて来たら、より一層時間リソースを、もっと『人の役に立つこと』に割り振れるかな?
つまり、究極的には「お金」は私が『人の役に立つこと』をし続けるための、サステナビリティを支えるためのツール。それ以上の役割は持たなくなるということになります。
金に支配されていないぞ感というか、どんどんその支配から逃れている感というか。
そこに向かっているのは、悪くないなと思います。
決して、「独立が最高!」と言いたいわけではないです。(自分にはその選択肢しかなかったわけです)。
もし「お金」に支配されてるな~と感じるところがあるのであれば、そこから「お金」を支配するようになるまでのストーリーを、それぞれが考えてみるといいんじゃないか、と思った次第です。
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