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"秋山黄色"という色

4ヶ月ぶりの秋山黄色。「MY COLOR」3公演に行って、思ったことと彼が伝えたかったことは何だったのか考えたことを言語化してみる。

弾き語りや同期音源、サンプラー、キーボードを使って16曲を披露してくれたけど、ほとんどがギター一本と彼の歌声という本当に大切なものだけが残ったライブだった。

まず思ったのは、歌が上手くなっているということ。筋トレで肺活量が増えたり、歌に使う筋肉が鍛えられたのか、明らかに上達していた。私はプロでも何でもないけどそんな私でもめちゃくちゃ分かった。特に、高音の安定感。Caffeineの「流して!」や心開き三週間のアウトロの「ラララ ラ↓ラ↑ラ↓ラ↑」とか、夢の礫の「言っていないことがある」がよかった。サーチライトの「お前がいいんだ ごめんな」は本当に感情がこもってて多分大阪では泣いてたと思うのにとても綺麗だった。感情で言うと、Rainy dayのラストサビ「れーーーーーーーーーぃにーでーーーーーーぃ」の地声と裏声が混ざったような(ミックスボイスというのが正解なのか)ロングトーンが、コエカタマリン(ドラえもんの秘密道具)みたいなものがぶつかってきた感覚で苦しさの中に幸せがあった。直接心に響いてきた。うつつやソーイングボックスは優しい彼の声が心に沁みた。
弾き語りということもあって、歌声が際立って、素敵な声を持っているなあと思った。彼の切なくて、優しくて、勢いのある歌声が好きだ。

彼が話すと、本当に色んな感情や考えが渦巻いた。
不安、感謝、痛み、希望、癒し、安心、報い、覚悟とか、本当にぐっちゃぐちゃになってて、実際聞いてる時は涙を流すことしかできなかった。
でも終わってからは、自分が生きててよかったと思うのがいちばん最初の感情だった。それは、「何があっても俺はみんなの味方です。一緒に生きていきましょう。」と言ってくれたからだと思う。そういうことについても色々考えていたのだろうなと思った。嘘のないステージで、彼の作る音楽で、今まで聴いてきたのに生きるとか死ぬとか、そんな瀬戸際みたいなこと考えてたんだって分かろうとしてたけどちゃんとは分かってなかった。彼は、そこまで切なくて絶望している世の中を生きているんだと気付かされた。
「頭から足の先まで忘れたい」と言っていたのが本当に苦しかった。今ツアーのMCは秋山黄色の弱い部分をたくさん見せられた。たくさん考えたんだろう。私が想定できないほどたくさんのことを考えて考えて考えて。ファンに大切なものだけを残して言葉をくれたのではないかと思った。
その中で、ファンの存在が彼を生かしているのだと思ったけど、それ以上に彼が自身の存在価値を見誤らずにいてほしいと思った。私の人生には秋山黄色が必要なんだと。

「車の中に動物が閉じ込められていて、窓突き破って助けたらそれは犯罪です。でも俺は躊躇なく壊して助ける。そうやって生きてきた。それが偉いことであるとさえ思ってた。でも、それがこんなことになるなら僕は考えます。」
これがどう言う意味なのか、何を伝えたかったのか。やっぱり彼は、誰かを助けたかったんじゃないか、守りたかったんじゃないかとわたしは思う。
そうやって理不尽みたいなものと真っ正面に向き合って、弱い立場の気持ちを感じられるのが彼だと思う。
何も変わってないし彼の生き方を貫いただけ。
ただどの程度か法に触れてしまった

守りたいものを守ろうとした結果なのかもしれないと私は解釈している。

うまく言葉にできないし、全然まとまらないし、まだ今はずっとどこかモヤモヤしている。黄色さん自身も、「まだまだ整理しないといけない」と言っていたからもう少し時間が経つのを待つしかないけど、「僕はこれからです。」と言っていたことは覚えてるし、その言葉が嬉しかった。

「絶対やめないから!」「また会いましょう」と言う彼を信じるに値するライブだった。感情のままのギターとピアノと歌声、ちょっと控えめな笑い声、鼻を啜り泣く音、優しい話し声、そしてあの静寂。全てが嘘のない"秋山黄色"というこの地球上に一色しかない色だった。これからも、この"たった一色"に救われて、生きていくんだろうと思った。

辛さも不安も生きている心地がして
あの静寂も等身大を見た気がして
とにかく彼の生き様ごと好きだ

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