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抗がん剤治療の副作用はいつごろから?  副作用一覧と対策・注意点

▼加筆修正版▼

はじめに

以前、noteに経験を活かした情報発信の記事を掲載したとき、ヤフー上で無記名ライターにパクられた事があり、とても嫌な思いをしたので念のため記しておきます。当記事の著作権は放棄しておりません。

それでは気を取り直してまいります(*´ω`*)

抗がん剤治療の前に小さな不調をケアする

抗がん剤治療が始まると、免疫機能が低下しますから、小さな病気が大きくなってしまう可能性があります。例えば虫歯を治療しておく、膣にはカンジダ等が潜んでいないかどうか診察してもらう等、小さなケアを済ませておきましょう。

抗がん剤治療の副作用一覧(代表的)

味覚障害
ふらつき
倦怠感・発熱・関節痛・筋肉痛
息切れ・咳・痰・鼻水・発熱(間質性肺炎を発症する可能性がある)
排尿困難・血尿など排尿障害
むくみ(ムーンフェイスなど)
吐き気・嘔吐・食欲不振
食欲過多
便秘・下痢
手足の痺れ
口内炎・乾燥肌・湿疹など肌トラブル
出血・内出血
脱毛
爪の変色・変形
尿失禁

(個人差があります)

初めての抗がん剤治療と2度目の抗がん剤治療では副作用が出始める早さや強さが変化します。また1クール毎に副作用の種類が追加されたり、副作用の強さが増してゆきます。

ただし体質によって、副作用があらわれない人も居るようです。逆に副作用が強すぎて抗がん剤治療の継続が難しい人も居ます。抗がん剤治療若葉マークの患者さんは安全のために、初回は入院しながら治療を受ける事になるでしょう。

抗がん剤治療のクールとは?

抗がん剤治療は1クール、2クール……と数えます。分かるようでよく分からないな……? というかたに向けてのご説明ですから、知っている人は読み飛ばしてくださいね(*´Д`)

1回の治療目安は、大体3クールから6クールで、症状に合わせて医師と患者が相談して決めます。

■感染症以前の治療パターン

1クールは3週間かけておこないます。
1週間に1度、外来で抗がん剤の点滴投与を受けます。

例えば・・・
(1)月曜日に外来で点滴を受けたら、帰宅して日曜日まで副作用と共存しながら自宅で過ごします。
(2)翌週の月曜日にまた点滴を受け、帰宅して日曜日まで自宅療養します。
(3)翌々週の月曜日にまた点滴を受け、帰宅して日曜日まで自宅療養します。
これで1クールの終了です。これを3回繰り返すのが3クール、6回繰り返すのが6クールですが、副作用がきつい場合は、4週目に治療のお休みをもうけます。

つまり・・・
(1)月曜日に外来で点滴→自宅療養
(2)翌月曜日に外来で点滴→自宅療養
(3)翌々月曜日に外来で点滴→自宅療養
(4)翌々々月曜日から日曜日まで、治療お休み(˘ω˘)
これを1クールとします。

つまり・・・
~途中にイレギュラーが無かった場合には~
1クールは3週間から4週間かかる。6クールだと半年間治療が続くイメージ。

イレギュラーとは・・・
毎週おこなわれる血液検査で白血球の数値が下がり過ぎると、治療が延期になります。その他、輸血を要するほどの貧血症状、体調不良などの場合も治療を延期します。患者本人の継続できるか否かという気持ちも大切です。

■現在(感染症禍)わたしの治療パターン

※医療機関によって異なります

感染症禍で外来治療を休止しているため、3週間に1度、入院して治療を受けます。通常1週間ずつ、3週間かけて投与する点滴を、3週間ぶん1度に投与しますから、副作用も強く出ます。
外来治療と同じく1週間ずつ点滴投与する事もしてくれるようですが、毎週入院となるため、どちらの方法が良いかなあ? と、わたしは現在思案中です。

他の点については外来治療パターンと特に変わりありません。
4週目に治療のお休みをはさむ事もできます。

つまり・・・
(1)月曜日に入院→初日・血液検査 2日目・点滴 3日目・退院
(2)翌月曜日→自宅療養
(3)翌々月曜日→自宅療養
(4)希望者は、翌々々月曜日から日曜日まで治療お休み(˘ω˘)

自宅療養中も、白血球の数値や体調確認のため、1週間毎の血液検査と診察があります。

抗がん剤治療1クール目に起こりやすい副作用と対策

・【点滴日】パクリタキセル+カルボプラチン併用療法(TC療法)では、初めに吐き気止めを点滴します。眠くなったり、気分が躁状態になりやすいタイプのお薬です。点滴中、気持ちよく眠ってしまうのも良いですし、ひとつ注意点として、お薬の影響で躁状態のときに通常の自分ではしないような言動を発したとしても、あまり気に病まないよう気楽に行きましょう。

また、副作用の出始めにはタイムラグがありますから、点滴中はリラックスして過ごす事ができます。

躁状態で行動的になる人も居ますが、吐き気止めが作用しているための擬似的な元気ですから注意してください。抗がん剤の影響で免疫力が急降下しているので、人混みへ行かない、親しい人と濃厚接触しないよう注意しましょう。外出時のマスク・帰宅後のうがい・手洗いを忘れずに。(要は感染症対策と同じ)

・【点滴後】1クール目にあらわれやすい副作用は、

味覚障害
ふらつき
倦怠感・発熱・関節痛・筋肉痛
排尿困難
むくみ(ムーンフェイスなど)
吐き気・嘔吐・食欲不振
食欲過多
手足の痺れ
便秘・下痢
口内炎・乾燥肌など肌トラブル
出血・内出血
脱毛

(個人差があります)

■味覚障害

飲食の際に、苦味を感じる等

■ふらつき

障害物の無い場所でも、ふらつき転倒リスクがあります。慎重に歩行しましょう。

■倦怠感・発熱・関節痛・筋肉痛

抗がん剤で本来必要な細胞も叩くため、一時的にあらわれる弊害です。無理せず休養を。

■排尿困難

排尿の頻度が減ったり、うまく排尿できないと感じる場合、医師に相談を。尿の色にも注意。一時的な症状である場合が多いです。尿の色が濃い場合、水分の摂取量が不足しているサインですから、水やお茶等でしっかり水分補給を。

■むくみ(ムーンフェイスなど)

抗がん剤点滴後、吐き気止めとして、「デカドロン」というステロイドを3日分処方されます。むくみの原因はこれだけではありませんが、デカドロンの定期的な服用を継続すると、むくみで顔がまるくなります。(ムーンフェイス) 結構人相が変わるほど、むくんでしまいますが、服用を止めれば元に戻りますので安心してください。ちなみにデカドロンを服用しない場合、治療中のつらい吐き気が倍増します。

■吐き気・嘔吐・食欲不振

吐き気止めを点滴しても、デカドロンを服用しても、100%吐き気を抑制する事は難しいと言えます。飲食しやすいものを無理のない範囲で取り入れながら過ごしましょう。ゼリー飲料などがおすすめです。味覚障害もありますから、案外酸っぱい系などがお勧め。わたしはクエン酸ドリンクを気に入ってよく飲みます。

■食欲過多

吐き気止めの点滴やデカドロンというステロイドの影響で、逆に食欲過多になる場合があります。(つらい副作用の中休み期間に多い) 治療中、身体が栄養を必要としているサインでもありますから、常識の範囲内で(あえて常識という表現を使用しますね、ご気分害されるかたがおられましたら、ごめんなさい)食べたいものを食べたいだけ食べて良いと思います。また食べられないタイミングも訪れますから、食べられるときには食べて、体力をつけましょう。

■手足の痺れ

手足共に、指先の痺れが常態化します。ふらつきと相まって転倒しやすいので歩行に注意。手の指先に関しても、細かい作業等、影響の出る場合があります。たとえば錠剤のお薬をパッケージから押し出すのが大変であれば、袋のパッケージに変更して貰うなど、困難な事を医師に伝えて解決策を提案してもらいましょう。刃物の取り扱いにも注意。尚・手足の痺れは治療が終わっても治らない場合があります。

■便秘・下痢

抗がん剤治療に入ると腸の働きが鈍くなる、逆に腸が敏感になりすぎる人が多いようです。排便コントロールについては、便秘薬を取り入れる等、自分に合った方法を日頃から確立しておきましょう。

わたしのお勧めは、無痛系なら「麻子仁丸料」または「酸化マグネシウム錠」。日頃からコツコツ継続スタイルに向いているのは「潤腸湯」です。健康食品では、「モリモリスリム」というお茶がよく出ますが、腹痛を伴います。

■口内炎・乾燥肌など肌トラブル

肌が過敏になります。肌への刺激を避けると共に、肌トラブルがつらいときは医師に診てもらいましょう。皮膚科薬を処方してもらうと良いです。口内炎の予防にはビタミンB1・B2・B6ですね。それから就寝前の歯磨きをサボらないように頑張って。

くち寂しい時など、クエン酸にビタミンが配合されたものを、お湯で割って飲んでいます。

・口内炎に効く漢方薬は?半夏瀉心湯

お湯に溶かし(煎じる)、口の中に薬を行き渡らせるように含みながら飲むと、口内炎の炎症箇所に直接の効果と、体内に吸収されてからの効果、ダブル効果が期待できます。漢方薬独特の癖が少なく、飲みやすいと感じます(個人的感想)。わたしは1日3回を2日間服用すると、翌朝大きな口内炎の痛みが引きました。

・漢方薬が苦手は人は?

うがい薬が良いでしょう。口内炎に直接貼り付けて保護するシール(医療用)や塗り薬などもあります。シールを貼り付けたり塗り薬を塗布しやすい場所に出来た口内炎には抜群の効果を発揮してくれます。

■出血・内出血

鼻をかんだら血の塊が出てきたり、知らぬ間に指を内出血していたりなど日常的に起こります。治療中は採血の後も、しっかり止血しましょう。歯間ケアでフロス等を使う際にも(使わない方が良いらしいですが、使いたいですよね……)歯茎が傷つかないよう気を付けましょう。カミソリの使用を控えましょう。出血から感染症を引き起こす場合があり、抗がん剤治療中は免疫の働きが期待できないため、自分を守ってあげる意識が必要です。

■脱毛

脱毛は最初の抗がん剤治投与から2~3週間後に起こり始める事が多い副作用です。

わたしの場合、初めての抗がん剤治療では最初の抗がん剤投与の1クール目は2週目から徐々に頭髪が抜け始めました。シャンプーのときにお風呂場で、髪を手で梳いても梳いてもエンドレスで束になって髪が抜けてくるので、手で梳くのをやめるタイミングを決められず、なかなかお風呂から出られませんでした。その後は無理に髪を抜き取ろうとせず、普通に洗髪して優しくタオルドライしつつ様子を見て、最終的には煩わしくなり丸刈りにしました。

そして今、2度目の抗がん剤治療に挑んでいますが、最初の治療が終わってすぐ床屋さんで丸刈りにしてもらったので、頭髪の脱毛についてはよくわかりません。1クール目の2週目あたりからアンダーヘアが抜け始めてきたかな? と感じ、まだはっきりとはわからない程度だったのですが、3週目の入浴中に洗っていたらアンダーヘアが半減しました。

初めて脱毛を体験する人は、入浴中に突然ごっそり抜ける事を体験するかと思います。ショックを受けてしまう場合があるかも知れませんが、大丈夫です。全ての毛が抜けてツルツルになりますが、治療が終わると必ず生えてきます。ただし髪質は変化する可能性が高いでしょう。わたしは比較的良い髪質でしたが、現在はやや硬め。

白髪で生えてきて徐々に黒の色素が戻ってくる人、チリチリで生えてくる人など様々です。一時の変化に悲観しない事。最終的に髪質が変わってしまったなら、新たな髪質に似合うヘアスタイルを楽しむ心意気でまいりましょう。

1クール目 まとめ

1クール目の1週目、いちばん最初の治療は、副作用からの回復が比較的早いです。点滴を受けた日から4~5日間は悪夢にうなされるような辛さでも、6日目に突然、霧が晴れ渡るように「抜けた~!」 という感覚を味わう人も多いかも知れません。

脱毛に関しても、まだ帽子やウィッグを購入しに行ったり、前もって髪を短くカットしておく等の準備をする余力がある事でしょう。是非とも、この期間に脱毛への準備を整えてくださいね。

おわりに

ひと記事完結のつもりで書きまじめましたが、思いのほか長くなったので、連載にします。ひとまずアップしますが、必要の際には随時加筆修正してゆきます。副作用のまにまに、完結させられるよう頑張りますね。ワッショイ!

※いずれメインブログに移す予定で、ざっと下書きしている記事になります。