HIV検査で陽性→感染している可能性はどのくらい?

HIVは、いわゆる「即日検査」で調べることが多いです。採血して30分も待てば結果が出るので、とても便利です。

この即日検査で「陽性」という結果が出た場合、本当にHIVに感染している可能性はどのくらいあるのでしょうか。答えは最後の方に出てきますので、結論だけ知りたい人は途中の計算は飛ばしちゃってください。

今回は、保健所のデータを使って考えてみます。ちょっと古いデータなのですが、現在に当てはめてもそんなに違いはないと思います。

まず、保健所でHIV検査を受けた人の中で、HIVに感染していた人の割合は0.3%でした。つまり、1000人が検査を受けると、そのうちの3人はHIVに感染していたということになります。

そして、HIVに感染していないのに即日検査で陽性が出る割合は0.5%とされています。つまり、1000人が検査を受けると、そのうちの5人はHIVに感染していないのに検査が陽性になってしまいます。

まとめると、1000人が即日検査を受けるとそのうち8人(3人+5人)が陽性となります。

このうち、本当にHIVに感染しているのは3人ですから、
「HIV即日検査が陽性の人のうち、本当にHIVに感染している人の割合」は
3/8 x 100 = 37.5%という計算になります。

ちょっとややこしいですが、HIV即日検査で陽性となった人のうち、半分以上の人はHIVに感染していなかったわけです。

こういうデータは、検査を行う上ではとても大切ですし、質問されることも多いです。大切なのですが、一般にはあまり知られていません。というわけで、今回記事にしてみました。何かの参考になれば幸いです。

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