人魚大好きおじさんなので、公開時から「行くぜ！」というテンションのままで東京の公開が終わり待ちに待った横浜の公開も今日が最後という日に観に行きました。
仕事が忙しかったんだもん。

横浜唯一の単館映画をやってくれる映画館「ジャック＆ベティ」、実は初です。
噂通り小さな映画館で、応援の意味を込めてメンバーズクラブに入会してきました。映画沢山観るどー！
今の時点で「修道士は沈黙する」「軍中楽園」「君の名前で僕を呼んで」「泳ぎすぎた夜」「心と体と」と観たい映画たくさん！
チケット買ってから入会したのはあほでした。ま、いっか！

で肝心の映画ですが。
…………ん？

………………………………お、おう。

えっと、期待しすぎたのかもしれません。
個人的にこの映画で一番のクライマックスは、海から姉妹が歌って呼んでるところでした。
キターーーーーーーーッ！
「食べないよ」と云いながら食べる気満々！
歌声がとても綺麗。
OPの絵（始まる前の人魚の影絵？最高）も素敵だし、原稿サボってきてよかったよ！！！
と、テンション最高でしたが、ここから次第に「え？」「おおっ？」「…………え？」と下降していくのでした。

よく「考えるな、感じろ」と云いますが、全く説明がなくても分からせる手法はとても好きです。
顕著な例が、映画「ハートキャッチプリキュア」なのですが、これはまた別の機会に（笑）
子供アニメと侮るなかれ！
が、「ゆれる人魚」は最初から全くわからない。
最初の三人は、クラブの3人でしょうか。歌姫、ベーシスト、ドラマー？
襲ったかどうかわからないまま、何故かクラブのシーンに。
あらすじ読んでいたから何となくわかったけれど、TVで放映時にカットされたみたいな感じです。
あらすじはこんな。

『1980年代のポーランド・ワルシャワで、人間たちを捕食して生きる美しい人魚姉妹は海からあがりナイトクラブにたどりつく。ストリップやライヴ演奏を披露する大人の社交場で、ふたりは得意のダンスと歌を披露し、すぐにスターになる。そんななか、姉シルバーはベーシストの青年ミーテクと恋に落ちる。初めての恋に浮かれるシルバーだが、妹ゴールデンは、そんな姉を複雑な眼差しで見つめていた。人魚にとって、人間の男は“餌”でしかないからだ。やがてふたりの間に生じた緊張感は限界に達し、残虐で血なまぐさい行為へと彼女たちを駆り立てる……。』（公式サイトより）

海からあがりナイトクラブにたどりつく。
ここが説明ないまま、何故か歌姫に匿われている人魚二人。
しかも、人魚ネタでは絶対の「皆に秘密」じゃない。
人魚だということを隠してナイトクラブで働くのかと思ったら、堂々とステージで人魚になっちゃった！
なるほどストリップちゃあ、ストリップ（笑）
この時の機長とキャビンアテンダント風の衣装、可愛い。
客は皆驚くけれど、だからと言ってありえないくらい観客が来る訳でもマスコミが来る訳でも、科学者に付きまとわれる訳でもない。
普通に人気者になってました。
こういうのは不自然なのに、人魚の体だけ妙にリアルで面白い。
異常に長い尻尾（まあ、足の代わりについてたらあれくらい本当はあるのかも）、臍や性器はなくてつるっつる。（でも乳はある不思議）
名前を紹介されたのは人魚の二人だけなので、正直他の人の名前は字幕では最後までわからず。台詞では名前呼んでいるのかもですが。呼んでいないかなあ。
関係も謎。ボーカルとドラマーは夫婦？ベーシストは二人の息子？
で、ナイトクラブに溶け込んだ二人ですが、姉のシルバーがベーシスト（めっさ顔綺麗）と恋に落ちたっぽい…………まではわかりました。
この後あたりからよくわからなくなっていくんです。
皆で楽しくTVを見ていたんですが、殺人事件のニュースから一転。
まあ、皆「この人魚やりやがった！」って思ったって事なんでしょうけれど、いきなり人魚が「私たち、一度も遊びに連れて行ってもらってないし、働いてるのにお給料ももらってない」と訴え始め、今度は野生の猫みたいな喧嘩を姉妹が始めてしまいます。何故？
そんな二人をドラマーがグーで顔面殴って、気絶したか死んだかわからない二人を絨毯で簀巻きにして冬の海？川？へ投棄。
どういう事？？
人間食ったから、そんなのは置いておけないから殴って捨てたって事？？

いきなり出てきた角の人も人外らしいけれど、これも謎。
あ、人外がどうにかしていらない部分を取って人間になれたって事か！（これはたった今、意味がわかりました）
これで気づいたのか、シルバーが「尻尾取っちゃえ！」といきなりトンデモ手術で人間と足を交換しました。
真っ二つにして入れ替え。……………………おいおい（笑）
つけて縫ったらなんとかなっちゃった！みたいなんですが、魚の足付けられた女の人は誰？？？

でも、致す事はできなくて（なんでベーシストが血まみれになったのか謎）ベーシストは他の人とくっついちゃうのでした。
まあ、一度、この人は人魚を海に捨ててるしね。
で、結婚式の日、いきなり「朝までに奴を食わないと海の泡になる」みたいな話が出てきて…………え？

いや、いきなりすぎるでしょ。
小さい頃から考えた事なかったけれど、海の泡になるって…………そうか。なんか洗顔フォームみたいですやね。

「人魚姫」の現代アレンジでもいいんですが、結局何が描きたかったんだろう。
いろいろ詰め込みすぎて、主軸がぼけてしまった印象を受けます。
ホラーファンタジーでもいいけど、誰にも感情移入できませんでした。
せめて人魚姉妹に感情移入させてくれよ！

何か謎ばかりでしたが、青が基調の映像は綺麗でした。
ただ私は80年代に興味がないので響きませんでしたが、そういうファッションが好きな方にはたまらないのかも？
ロシアや東欧の言葉の響きが好きなので、歌も良かったです。
誰しもが浮かぶと思うのですが、金髪と黒髪のデュオ…………t.A.T.u.？（笑）
わかりやすく、私は彼女たちの歌は大好きでした。

あ、あともう二つ。鍵穴から覗いて見えたのは何だったのかよくわからなかったのと、ゴールデンと百合ってた警官？はどうなったのか。

確かめればわかるのかもですが、もう一度見返す気にはなれないなあ。

OPは最高！…………以上！

期待しすぎちゃったなあ。