センス・メイキング理論と予算

こんにちは、ステラ・システムズCEOの原です。 ステラ・システムズでは「予算を簡単に」をミッションに、みんなが簡単かつ迅速に予算(単年度のみならず複数年度の中期経営計画・事業計画含む)を策定・モニタリング・修正できる世界を目指しています。特に、スタートアップの資金調達のための予算策定、資金調達後の予算実績分析のモニタリング、予算修正を応援しています。

コロナ騒動が長引き、イベント等が次々となくなっていくので、手持ち無沙汰になりがちです。前向きに考えて、本を読む機会や英語の勉強時間を確保しようと思っています。今日は現在読んでいる早稲田大学大学院・ビジネススクール教授である入山章栄氏の著書「世界標準の経理理論」から、センス・メイキング理論という面白い理論があったのでご紹介したいと思います。

ある軍隊がアルプス山脈の吹雪の中で身動きがとれずにいました。その中で、ある隊員が偶然ポケットの中に地図を見つけて、みんなでこれで帰れるはずだと下山を決意し、猛吹雪の中地図をおおまかな参考にし、下山に成功します。しかし、下山した後にわかったのはその地図はアルプス山脈ではなく、ピレネー山脈の地図だったのです。

センス・メイキング理論は間違った地図でも地図は必要という単純な話ではなく、①感知、②解釈、③行動の3プロセスに分かれています。上記の例では、①軍隊は猛吹雪で命の危険がある状態であると感知し(センス・メイキング理論は平時ではなく異常事態で役立つ理論と言われています)、②地図を見つけたことによりこれで帰れるはずだと腹落ちし、③実際に行動に移しています。

これは予算でも同じこと言えます。①については、現状の不安定な状況(VUCA)についてはみんな不安に思っています。それに対して、②経営者はストーリー(=予算、事業計画)を語りみんなを腹落ちさせる、もしくはみんなで腹落ちするストーリーを作っていく必要があります。そして、そのストーリーに従って、手探りでみんなで一致団結して行動していく。間違った予算でもいいとは全然思わないですが、みんなで腹落ちする予算であれば、ある程度粗くても許容されると思っています。手探りで進んでいく中で(予算実績分析していく中で)、修正していけばいいので。一方で、どれだけ精緻な予算でも、メンバーの誰も腹落ちしていない予算には意味はないと思っています。私がコンサルに入るときも一番最初にすることは、経営者が腹落ちするようなファイナンスストーリーを共有することです(共有できれば、細かい部分は後で調整ききます)。

ステラ・システムズは、スタートアップの皆さんセンス・メイキングする予算・事業計画の策定をお手伝いしています。何か気になることがあれば、hara.dsk.stella@gmail.comまでお問い合わせください。

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