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日本全体のパワー低下につながる!? 固定回線が1350万に減ってるのに変えなかったNTT法

5分で読める、最新の経営ヒントを毎朝お届け。日経新聞の記事の中から、マーケッター視点で「今、知っておくべきデータ」をピックアップ。ビジネスマンの「やりたい」の成功確率をアップしてもらいたい!そのために、必要な視点やマーケティング戦略立案のノウハウを紹介しています。

記事の要約

昨年7月、モーリシャス島近海で座礁事故を起こした商船三井の貨物船「わかしお」は、乗員がスマートフォンの電波を捕まえるために陸地に近づき過ぎたことが原因だったとする運輸安全委員会の調査報告が発表された。洋上では通信環境が貧弱なため、乗員は陸に接近して携帯電話の電波を利用しようとしたのが事故につながったという。しかし、SpaceXのスターリンクなどの衛星通信サービスが実用化したことで、洋上や山間部でもブロードバンド環境が整備されることが期待されている。商船三井もスターリンクを導入し、船内の通信環境が格段に改善したと報告している。このため、こうした海難事故は減少するものと見込まれる。

一方、1985年に制定されたNTT法は、当時の通信事情を反映した内容で、固定電話のユニバーサルサービスをNTTに義務付けている。しかし通信環境はその後大きく進化しており、NTTの固定電話の契約数はピーク時の6000万を超えた数から1350万に減少するなど、この法律は時代遅れと言わざるを得ない。ブロードバンドアクセスのユニバーサルサービスの在り方を議論する時期に来ている。既に光ファイバー網の整備はほぼ完了している一方、その先の通信インフラをどう活用するかが問題となっている。スターリンクなどの新技術を使った安価なユニバーサルサービスの実現や、日本発の衛星通信サービスの構想が期待されている。

以上の通り、衛星通信の発展により海難事故の減少が見込まれる反面、通信環境の進化にそぐわないNTT法の改正が課題となっている。



固定電話からスマホ時代へ

NTT東西の固定電話の契約数がピーク時の6000万から1350万に減ったことを知って驚きました。僕自身も滋賀県に移住してからは固定電話を引いていないのですが、この減少幅の大きさには目を疑いました。法人だけでなく、個人の固定電話離れが加速しているのだと実感できます。固定電話に代わって光回線や携帯電話が主流となり、法的にも固定電話のユニバーサルサービスを課すNTT法が時代遅れになっていることが明らかです。

例えば、僕の両親も以前は固定電話が必須だと思っていました。でも両親がスマホを使いこなすようになると、固定電話の必要性を感じなくなりました。これは僕の周りだけでなく、全国的な流れだと感じています。個人や世帯単位では固定電話不要論が主流になり、社会全体として固定電話から携帯電話への移行が進んでいるのです。

洋上の通信事情も一変!

商船三井の貨物船「わかしお」がスマホの電波を求めて座礁した件も、洋上の通信事情の貧しさを物語っています。しかし、スペースXのスターリンクが実用化した今、船内の通信環境は一変。小さなアンテナを船首に設置するだけで、映像通話が可能になりました。

僕は1990年代後半に、オーストリアでのイベントに参加したことがあるのですが、そこでは固定電話以外通信手段がなく、どうしても日本のスタッフと連絡を取る必要があった際、スカイプ(インターネット通話)でことなきを得た、という体験があります。スターリンクなら砂漠でも通信インフラを手軽に構築できます。過疎地や離島の医療・教育にも大いに貢献できるでしょう。

新時代の通信を活かすチャンス

固定電話はその必要性を失い、携帯電話と衛星通信が主役に。通信インフラそのものは整ったと言えます。今こそその先を見据え、新時代の通信環境をどう活用するかを考えるべき時ではないでしょうか。

例えば、遠隔医療は高速大容量通信を前提とします。スターリンクがあれば、僻地でも専門医の診療を受けられる可能性が広がります。さらにVR技術と組み合わせれば、臨場感あるリモート体験が実現できるはず。教育現場などでの応用も期待されます。

日本人のおもてなしの心を活かせば、世界に誇れるサービスを生み出せるチャンスがあるのではないでしょうか。通信インフラだけでなく、その先のサービス開発こそが成長のカギだと思います。スターリンク時代の通信を、豊かな社会実現のために活かしていきたいと思います。


今日の問い

  1. 貴社では固定電話はどの程度まで削減されたでしょうか?個人携帯電話の利用促進など、社内通信を改善する取り組みはありますか?

  2. VRなど新しいテクノロジーを使った新サービスについて、貴社ではどのような可能性を考えていますか?おもてなしの心を活かしたアイデアはありますか?通信インフラを起点とした新規事業は検討されていますか?

  3. 地方創生の観点から、過疎地域での通信サービス向上に貢献できることはあるでしょうか?僻地医療や教育における貴社の役割を考えてみてください。


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