a roomy yakyo🪴

育児の記録→移住の記録。

a roomy yakyo🪴

育児の記録→移住の記録。

マガジン

  • 小田原移住生活記録「もせるごみ」

    2021年1月。五反田→小田原に家族3人で移住した横山家の記録

最近の記事

冬の小田原を楽しむための最高の食材、或いは深海の魔物退治について

小田原で過ごす2度めの冬がやってきた。 昨年は移住したてで右も左もわからないままの時に、脚を骨折。松葉杖をつきながら暮らしていた。脚が治る頃には冬が過ぎ去り、暖かな桜が見事に咲き誇る季節になっていた。そんなわけで昨年は、ぜんぜん冬を満喫する感じではなかった。 だが今年は違う。 我々家族は冬の小田原を120%楽しむべく、ついに禁断の魔物に手を出したのだ。そいつの名は 「鮟鱇 -ankou -」 言わずと知れた「深海魚」だ。 だが、こいつを食したことのあるジャパニーズ

    • 小田原という身近な楽園

      コロナウイルスが世界を席巻する2020年夏。 妻も俺もフルリモートワークとなり、前職のオフィスが近いという理由だけで借りていた東京・五反田のマンションに住んでいる理由が消失した。というより、俺はその年のはじめに会社を辞めて独立していたので、高い家賃を払ってこのマンションに住んでいる必要は、そもそもなかった。 五反田は思い出深かった。 前職のオフィスが五反田に移転してから焼肉屋、スナックふくむ夜の街を十二分に堪能し、馴染みの店もたくさんあった。 はじめて娘を授かり、妻と切磋

      • YOKOHAMA PARTY BABY

        かっこいい山手のかっこいいマンション フレンチ仕様のハレンチパーティー 横山 剣 過日。 10年来の付き合いになる学生時代の後輩が結婚式を挙げるということで、港町横浜はホテルニューグランドに家族勢揃いで赴いた。 娘にとっては初めてとなる結婚式で、家人は浮かれ、兼ねてより準備していたベイビー用ドレスを着させ、本人も十何年ぶりに着るパーティ用のドレスを身に纏い、準備万端。お昼も頂いていないことだし、早めに行って中華街で軽く食べましょうなんてことで、五反田より泉岳寺で乗り換えて

        • ワンナイトカーニバル前夜

          行こうぜ、ピリオドの向こうへ 綾小路翔 東京は五反田という、庶民的な猥雑さと山手の高級感がいい感じにブレンドされた街に宅を構えている。「構えている」なんて大層な言い方をしたけど、ふつうに賃貸のマンションだ。 しかも、拙宅はオフィスビルとちらほらとした飲み屋に囲まれており、閑静な住宅街という風情では無い。そのため仕方がないことだけれど、娘が寝付くちょうど20時半頃、外で一次会が終わる。 「じゃあじゃああじゃ、つぎ、つぎぃ、次はああ、カラオケ行く人ぉおぉ」 「じゃああああじ

        冬の小田原を楽しむための最高の食材、或いは深海の魔物退治について

        マガジン

        • 小田原移住生活記録「もせるごみ」
          2本

        記事

          復讐するは我にあり

          目には目を。歯には歯を。 ハンムラビ法典 「やられたらやり返す」なんていうフレーズが流行ったのも、もうすでに随分と昔のことだけれど、人類の歴史は古来より報復の歴史。 京都でヘラヘラ生きてやがる憎き平家の連中に一泡吹かせたい、冷遇されっぱなしの鎌倉源氏のヤンキーたち。織田の我儘当主による壮絶ないじめに耐えかねた光秀くんによる本能寺放火事件。主君の汚名を晴らすために凶器を持った40人強で一人の爺を襲いに行く赤穂浪士リンチ殺人未遂。日本の歴史ひとつを見ても、人類は報復に次ぐ報復

          復讐するは我にあり

          光陰矢のゴト師

          前回の記事から気がつくとまるっと3ヶ月が経過してしまった。 相変わらず自分の3日坊主ぶりには呆れるが、仕方ない。 本格的な坊主の修行は1日で根を上げそうだ。 この間に、娘は初めての風邪をひき、メルシーポッドによる初の拷問を受け、流行りの手足口病に罹患し、北の果てから上京した初めての祖父母に怯え、懐き、髪はさらに伸びて床屋にて散髪デビュー、乳しか飲まなかったやつが離乳食をモグモグと食べるようになり、寝返りからハイハイそしてつかまり立ちから伝い歩きまでを比較的スピーディに習得

          光陰矢のゴト師

          Kill Two Birds With One Stone

          けんかをやめて 二人をとめて あたしのために 争わないで 竹内まりや 「けんかをやめて」 巷では、一枚1万円もするチャチな猿の絵柄がプリントされたダブっとしたTシャツを着るのがトレンドとなっており、私の育った小さな町の数少ない若者向けトレンドショップでも、ぶっといジーンズと斜めにかぶるキャップ、件の猿のTシャツが売られていた。ついこの間までイトーヨーカドーで母に買ってもらったトレーナーとかを着ていた連中が、こぞって横文字のブランド名やデザイナーの良し悪しなどを語る姿がどこ

          Kill Two Birds With One Stone

          Rollin' Growing

          昨日より今日、今日よりは明日。 生まれ変わろう、次なるハードルは高く。 《追うものは追われるものに勝る》 THA BLUE HERB 「MOTIVATION」 平成が終わる。 昭和61年に生を受けた私としては、平成がイコール青春の全てであったし、あと10日で平成が終わると聞いても、全然実感が沸かない。 未だにカラオケでは90年代の曲ばかり歌ってしまうし、DA・PUMPは4人のままだし、ケータイで写真を撮ることを写メって言ってしまう。 こうして人は年をとっていく。 もっ

          Rollin' Growing

          嗤う女

          どんな笑顔みせても心の中が読まれそう 大人ぶった下手な笑顔じゃ心隠せない モーニング娘。「サマーナイトタウン」 2ヶ月を過ぎた頃から、「唸る女」として著名であった我が家の娘は、その名の通りどこか一点を見つめながら、或いは我々夫婦を不思議そうに眺めながら「うぅうう、うぅうう」「うぐぅう、あぐぅう」と、そのハスキーかつ低音ボイスでもって唸りながら何かを訴えかける日々を過ごしていた。 泣く、喚く、落ち着く、唸る。 その度に我々は、「あらあ、そうですかあ!」とか「おやおや、ど

          リトル・イン・ワンダーランド

          「人ごみに流されて 変わってゆく私を あなたはときどき 遠くで叱って」 荒井由実 「卒業写真」 真を写すと書いて「写真」 当時は「(写真に撮られると)魂を抜かれる」なんていう逸話があるくらい刺激的な存在であった写真も、今や片手ひとつで誰もが簡単に撮れる・撮りまくれる時代に突入しており、なんなら動画ですら片手で撮って即座に全世界に公開できるレベルの未来に私達は生きている。TikTokキッズ。思えば僕らが小さい頃は、運動会や学芸会などで母が重いビデオカメラを肩に抱え、首からは

          リトル・イン・ワンダーランド

          バスタイムブルーズ

          浴場の中で心安らげるかどうかは、共に浸かっている人間の様子にかかる部分が大きい。 ルシウス・モデストゥス 私は風呂が好きだ。 東京の銭湯を巡ることを週末の数少ない趣味の一つにしているし、交互浴(熱湯⇔水風呂)やサウナからの外気浴、露天風呂のコンビネーションなどで自律神経を整えることを習慣としている。これを私は「魂の浄化」と呼び、もとより銭湯嫌いであった家人までもを洗脳し、二人で「魂の浄化」に勤しんでいた。家風呂に浸かるのももちろん好きで、今の部屋は比較的風呂が広く快適なの

          バスタイムブルーズ

          ワタナベのおばちゃん

          愛してください私だけ。さすがの私も限界です。 毛皮のマリーズ「愛する or die」 限界だった。 もともと大きなサイズ感でもって産まれてきた娘の泣きじゃくる声は、身体の成長に比例して馬鹿でかくなっており、それに加えて夜中の授乳時に全力で抵抗。シャウト、シャウト、またシャウトという夜が1週間ほど続き、なんならシャウトのし過ぎで、自ら咳き込み声を枯らし、その状況に腹を立ててまた叫ぶという不毛すぎるループを演じる始末。 我々夫婦は、食うものも食わず、ハイトーンボイスでシャウ

          ワタナベのおばちゃん

          天使のような悪魔の笑顔

          誰も寝てはならぬ! 誰も寝てはならぬ! 御姫様、あなたでさえも、 冷たい寝室で、 愛と希望に打ち震える星々を見るのだ… ジャコモ・プッチーニ「誰も寝てはならぬ」 うるせえ。寝かせろ。 何が「星々を見るのだ」だ。この野郎こちとら、「ゆりかご式横スイング抱っこ: 強モード」で寝かしつけたと思った女が気儘に捻り出す「ぎぃあ」とか「んうぐぅ」とかそういう類の<鳴き声>に、家人とふたり打ち震えて過ごしているんだよ。 家人と娘が一ヶ月検診を終えて帰ってきた時、レンタカーを借りて二

          天使のような悪魔の笑顔

          パルコと危険な野郎ども

          「あの娘はきっとパルコにでも行って今頃は茶髪と眠ってるだろう」 ROSSO「シャロン」 16歳だった。 オホーツクの片隅で、MDプレイヤーから流れてくる曲の歌詞に出てくる "パルコ" の意味がわからなくて、首を傾げていた少年に伝えたい。 「大丈夫。君は16年後、そのパルコに行くことになるよ。それも今の君には聞いたこともないような関東の駅前にあるパルコに。ちなみにパルコというのはデパート未満スーパー以上みたいなところ。今君が住んでいる街だとサティみたいな所のことだよ」

          パルコと危険な野郎ども

          Cry Baby Cry

          去年の12月25日に娘が産まれた。 散々、半端者で迷惑かけながら生きてきた俺が、子どもを持つとは思ってもいなかったが、嬉しさと不安の入り混じった複雑な感情と共に父親業がいきなり始まった。 嬉しいことも辛いことも想像以上の勢いで起こり、これまでの日常を変容させていく。このまま日常の流れに埋没させては勿体無いと思い、日々の育児の記録を綴っていければと思っています。 私 / 俺 - 32歳。東京と酒場と銭湯が好き。一人称は気分で変わる。 家人 - 俺の伴侶。年上。 娘 -