音楽業界が崩壊してしまった最大の理由


今まではCDを売ることで成り立ってきた音楽業界なので、CDが売れなくなったことで音楽業界が崩壊してしまったことに間違いはないのですが、その理由が大きく分けて二つあります。

その一つはプロダクションが経済的にレコード会社に依存する体質になってしまったことで、自らがアーティストを育てプロデュースする能力を失ってしまったことです。
レコード会社と契約すれば契約金や援助金の名目で経済的にサポートしてもらえたので、レコード会社と契約することが前提となり、レコード会社ありきでのマネジメントになってしまったのです。
そして現在のようにレコード会社の存続が難しくなったことで、経済的なサポートを受けられなくなると手の打ちようがありません。


そしてもう一つはプロダクションがサラリーマン化したことです。
日本の芸能プロダクションがスタートした頃は、基本的にミュージシャンが事務所を起こして歌手や演奏家が食えるような仕組みを作ったのです。
特に有名なプロダクションのひとつがナベプロですが、以下ウイキペディアからの転載です。

元々は1950年代当時、まだ差別や偏見の目で見られることもあった芸能人の待遇改善と地位向上を目的として、ジャズミュージシャンであった渡辺晋が、妻の渡辺美佐、松下治夫(のちの制作本部長)河合聡一郎等と共にタレントに仕事先を見つけ、出演料の一部を受け取ることだけであった芸能プロの仕事を変革した事が始まりである。レコードやテレビ番組や映画を自社で制作して、レコードの原盤制作収入や番組制作費、興行収入が入ってくるようにし、現代における芸能ビジネスのスタイルを作った。」

老舗のプロダクションである「ナベプロ」や「ホリプロ」は創業者がミュージシャンでした。そして芸能で生活をする人たちの環境を整えた人たちでもあります。
当時は芸能人に仕事をコーディネートし、給料を保証することは画期的なことだったのだと思います。そのおかげで多くの芸能人やミュージシャンが食えるようになったのですから、スタート段階では素晴らしいシステムだったと思います。

しかし時代の流れとともにプロダクションも大きくなり、大卒で新入社員を採るようになったことで一般企業と同じような会社組織となっていきます。
創業社長はミュージシャンであっても二代目は会社組織を運営管理する能力に長けた人間であれば、作曲や楽器演奏やステージに立った経験がなくても経営者としてやっていくことはできました。


どの企業でも同じですが、創業社長はパワフルでとてもエネルギーのある人です。会社というのはスタートする時が一番大変ですから、そこを乗り切ってきた創業者は相当な苦労があったはずなのです。
ところが二代目以降は息子であろうが他人であろうがサラリーマン社長であって、創業者の意志を継いでいてもやはり会社員であることに変わりはありません。
そして毎年のように入社してくる社員は、独立する人以外はずっと会社員として定年までいることになります。

当然マネージャーもサラリーマンであり、タレントやアーティストもサラリーマン感覚のマネージャーに管理されるようになります。
その結果、マネージャーもアーティストもサラリーマン化してしまい、会社に依存するという環境ができあがりました。

経済的にレコード会社に依存する体質になってしまったことと、会社員であることで会社に依存するようになったことのダブルパンチでプロダクションはマネジメント能力を失いました。
レコード会社はもとからサラリーマン社会なので、プロダクションとは多少事情が違いますが、似たような状況であることに変わりはありませんし、主力商品であるCDが売れなくなったことで生き残ることが大変難しくなりました。


どちらにしてもこれから先は今までの音楽業界を作ってきた人たちが違うシステムを作ることは難しいですから、個人か少人数のチームでセルフプロデュース型で自立しながら活動をしていくやり方がベースになるでしょう。
大きく投資して大きく回収するという今までのやり方は通じなくなったので、才能を大事に育て、ていねいにマネジメントし、実績を積み重ねていくことです。

相変わらずCDを売ろうとしているレコード会社に未来はありません。
お金を産むのはCDではなくアーティストなのです。
自分自身で全てをプロデュースできる素晴らしい時代になったのですから、自分を信じて活動していくことです。
あなたには無限の可能性がありますから。



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小山隆信

ブログ 2016年8月

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コメント2件

音楽を聴く立場から発言します。「CDが売れなくなったから音楽業界の衰退」という実感はありません。ネット配信、CD購入より低価格でダウンロードできます。数多く聴きたい音楽リスナーにはありがたいシステムです。
 それとは別に、CDならではのアルバムなどの、リリースを楽しみにしていることもあります。
 私たちリスナーも、自分の感性を磨いて、クリエーター
方々にフィードバックできたら、と思っています。
Web端末さえあれば ほとんど誰でもアマチュア・ミュージシャンになれてしまう時代ですからね
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