アーティストとして自分の方向性を見つけるまでのプロセス

全部が全部そうとは言いませんが、おそらくほとんどの場合はこういうプロセスを経て、音楽の道でプロを目指すようになると思うんですよ。

1、あるアーティスト、もしくは楽曲に出会い衝撃を受ける。
2、そのアーティストの曲を夢中になってコピーし、見よう見まねで楽器も弾くようになっていく。
3、オリジナル曲を作り始め、ライブなどで歌うようになる。
4、オリジナル曲といっても、憧れのアーティストの曲に似ていることに不満に感じるようになり、自分らしさを追求するようになる。
5、アーティストとしてのイメージが定着してくると、それを壊したくなるか他の可能性を探るようになる。
6、試行錯誤を繰り返して自分のスタイルが出来上がっていく。

こういう流れを経験している人って多いと思います。
特に「4」以降はとても重要なプロセスで、「4」を乗り越えればさらにひと回りもふた回りも大きくなれるのですが、演奏スタイルも楽曲もコピーの域を越えられずに煮詰まることもよくあることです。

ここでは何度も書いていますが、圧倒的な個性やオリジナリティーを打ち出すには、自分の中にあるものをひたすら引き出していくしかないのです。
誰々みたいになりたいというのは、初期衝動としては美しいですが、アーティストとして一流になるためには「誰々みたい」というところから脱出する必要があります。


自分らしさを徹底的に追求することは、他人と一緒にできないし、とても孤独な作業です。
でもここを通り抜けて次のステージに行かなければ、アーティストとして大成することは難しいでしょう。

特にこれからの時代は個性が求められます。
「あのアーティストがこういう歌詞の世界観でこういうサウンドなら、自分はさらにこういうものを加えて行こうとか、全く違うアプローチをしよう」というような発想が必要になってきます。

時代的に誰でも簡単に表現できるようになったことは素晴らしいことですが、一流になる道というのはどんな時代でも生易しいことではありません。
ぜひ自分のスタイルを確立し、音楽史に名が残るようなアーティストになってください。

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