音にこだわり自分の仕事に責任を持つ

よく一緒に仕事をさせていただく熟練の音響エンジニアの方が、「最近ステージで実際の音を聴くことをしないで音を作るエンジニアが多くて、ずっとミキサー卓のところにいてミックスすることが仕事だというふうに勘違いしている」ということを言っていました。
これには全く同感です。

ライブでもレコーディングでも、もともとのその楽器から出る音、エレキギターやベースならアンプから出る音を近くで実際に聴くことが重要です。 そもそもどんな音が出ているのか自分の耳で確認して、それをどう生かすかということなんです。
逆にミュージシャンも自分が出す音に責任を持たきゃいけないということなんですけどね。
ミキサーの人がいい感じにしてくれるだろう的な考えは本末転倒です。

若い頃にアメリカ人のレコーディングエンジニアのセミナーを受講した時も、スネアやタムに耳を近づけて、実際の音を聴きながらマイキングするのを見て、「なるほどそうだよな!」と納得しました。
当時、日本のレコーディングでそうやってマイキングしている姿を見たことがなかったですからね。
ドラムをセッティングしたら、いつも使うマイクを決まった距離でセッティングするというパターンでしたから。

確かにミキサーでEQやエフェクトなどで調整し、バランスを整えることがミックスですが、もともとの音を加工しすぎると魅力が半減することもあるし、何よりも歌、そして言葉が伝わらなければ意味がありません。

ライブもレコーディングも最終的に音をまとめる「ミックス」という作業は責任重大ですから、何にこだわりどうすることで観客やエンドユーザーを魅了できるのか、そのアーティストは何を求めていてどう表現したいのか、ということを常に意識しながら音作りすることが大事です。


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