マニュアル通りはもう役に立たないのかもしれない

以前、西日本豪雨のニュースを見たときに、愛媛県の野村ダムと鹿野川ダムの緊急放流で肱川が大氾濫を起こし、下流域で死者が出るなど甚大な被害が出て、住民説明会でダム関係者は、しきりに「マニュアル通り」を繰り返し、操作規則に基づいた放流だと主張していましたが、これって完全に思考が止まってますよね。
今までのやり方とか考え方が限界にきているのがよくわかるニュースでした。

マニュアルって、一通り作業を覚えてもらったり、決まっていることを理解してもらうには便利なものなのかもしれません。
でもね、それをベースに手を加えるというか、アレンジする能力が求められる時代になったのかなぁという気がしています。
マニュアル通りやるんならAIに任せておけばいいじゃんみたいなことになってしまうし、上から下に言われた通りにやってくださいみたいなのは、もう時代に合わないのでしょう。

飲食店や販売業などの接客業は、マニュアル通りの対応をされると興ざめするのは私だけではないでしょう。
作業としてマニュアルに沿っていたとしても、そこに「心」がなければ機械と一緒。
心がこもっているかどうかがどんな仕事でも大事なことです。
もちろんそれは音楽も同じ。
とりあえずこうやっておけばいいだろう的な仕事のやり方をする人って苦手だったし、また一緒に仕事したいなとは思いませんよね。

誤解のないように言いますが、マニュアルってものを全否定しているのではなくて、マニュアルよりも大事にしなきゃいけないのは、やはり人間力であり人としての魅力。
その部分がマニュアルでカバーできない部分を補うのだと思うんですね。
だからマニュアルはいらないということではなくて、マニュアル通りにやっていればOK!という考え方がダメだってこと。

今この記事を書きながら思い出したのですが、レコード会社にいた頃に、とあるライブイベントを開催することになり、マニュアル人間だった後輩が責任者になったのですが、イベントの当日に出演する何組かのうちの一組が大幅な遅刻をしたことで、タイムテーブル通りに進められなくなったんです。
単純に当日のタイムテーブルを変更すればいいだけなのに、その後輩はパニックになってどうしていいかわからなくなり、現場がグシャグシャにになりかけて、フォローせざるを得ない状況になったことがありました。

組織に長いこといると、上から言われたことに忠実に行動することや、マニュアル通りにやることが仕事だと勘違いしがちです。
まずは自分の意見をしっかり伝えられることと、マニュアル通りにいかないような想定外のことに対応できるように、人間力を鍛えておきたいものですね。

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