エンタテインメントに必要な3つの要素

エンタテインメントに必要だと思っている3つの要素について書きますが、僕自身、音楽の世界でずっと仕事をしてきましたから、まず最初に『音楽』をあげたいと思います。
ライブやコンサートはもちろん、お祭りや芝居、サーカスや水族館のイルカショーに至るまで、音楽は欠かせないものです。

当然ミュージシャンはいい歌や演奏を届けたいと常に心がけていて、もちろんそれは大事なことに間違いはないのですが、忘れてはいけないのは、エンタテインメントは「娯楽」であるということ。
歌に関して言うと、メッセージを伝えたいとか元気を与えたいというのがあっても、そればかりに偏ると、それはそれで息苦しいというか、もう少し気楽に聴きたい人もいるだろうし、違う要素を強調することでメリハリが効いて楽しめるステージになるものです。


そして2つ目の要素は『笑い』
最近はお笑いタレントの数も多くて、芸人=お笑いというイメージもありますが、単純に笑うことでハッピーになれるし、生活の中でも笑うことは重要な役割を持っていますよね。
僕はフォーク世代なので特にそういうイメージが強いのかもしれませんが、フォーク歌手って基本的にMCが面白いんですよね。
代表的なのはさだまさしさん。
歌よりMCのほうが長いんじゃないかってくらいしゃべりますし、しかも観客の心をガッチリ掴んで大笑いもさせる。
他にもかぐや姫の南こうせつさんとか、アリスの谷村新司さんなどなど、しゃべりに長けていて面白い人が多く、歌で聴かせてMCで笑わせるというのが当時のフォークの手法でした。


そして3つ目は『色気』
もちろんこれは男性女性を問わないのですが、その人なりの色気がアピールされていると、観る側はそれだけで興奮します。
エロティックだったり妖艶な色気もあるし、男性の若さゆえの色気や女性の健康的な色気もあるし、ドキドキとかワクワクじゃ表現しきれない、言葉にするのは難しい魅力というものが存在します。
レコード会社にいた頃に、上司に誘われて藤あや子さんの誕生会にお邪魔させてもらったことがあるのですが、狭いお店でしたが目の前でカラオケの歌を披露してくださり、その妖艶な色気に打ちのめされました。
もちろん歌に関してはいうまでもありませんが、色気のエネルギーの凄さに気づかされた瞬間でしたね。


エンタテインメントに欠かせない、「音楽」「笑い」「色気」の3つがバランスよく織り交ぜられていると、魅力が倍増し、観客を魅了します。
個人的な見解ですが、アジアの文化って「笑い」の要素が強いような気がしていて、インドネシアでオーディションの審査員を担当した時にも感じたのですが、MCがよく観客を笑わせていて、その間とかタイミングがとても大阪っぽかったんですよ。
インドネシア語はわからないので意味はわかりませんでしたけど。

「歌や演奏だけ聴いて貰えばいい」という姿勢はもちろん否定するつもりはありませんが、「エンタテインメントは娯楽である」ということを念頭に置くと、可能性はうんと広がります。
メイクや衣装、MCを含めた演出に工夫を凝らせば、あなたのステージはとても魅力的になります。

クレイジーキャッツやドリフターズはお笑いだという印象が強いかもですが、本来はミュージシャンですからね。
しかも皆さん相当な演奏技術を持っていて、そのミュージシャンがコントをやっていたということなんです。
今考えても凄いことですよ。

笑わせることなんて難しくてできないな〜とか、自分には色気なんてないしな〜なんて言ってないで、自分なりに工夫すればいいんです。
自分の魅力って自分ではわからないことが多いので、なるべく客観的に見るようにして、他人からどう見えているのかは研究する余地があります。
いくらでもやれることはあるんですよ。
ただそういう思考回路になってないだけ。

ぜひこの3つの要素について考え、自分の表現に取り入れてみてください。
「あ〜。なるほどこういうことか。」と気づいたら、俄然楽しくなりますよ。

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