プロとアマチュアの意識の違い

音楽でいうと、昔はメジャーのレコード会社と契約することでプロと認められました。
経済的な支援が受けられ、楽曲制作やステージで表現することに集中できることが、何よりもプロとしてやっていくためにありがたい環境でした。

そして時代は大きく変わりCDは売れなくなり、ネットの普及により個人レベルで発信できるようになったことで、音楽の聴き方が大きく変わり「プロ」という言葉の意味も変わりました。
ここ数年でユーチューバーやライバーという新しい肩書きも登場して、広告収入や投げ銭で収入を得て、アルバイトをせずに生活できるどころか、多額の収入を得ることが可能になりました。

自分の能力で収入を得て生活が成り立つことを「プロ」ということもできますが、一時的に人気を得ただけで3ヶ月後または半年後には元に戻ってしまうなら、それはいわゆる一発屋で終わったということでしょう。
やはり継続していくことは、しっかり土台ができていたり秀でた才能を持っていないと難しいことです。

ここで重要になってくるのは「意識」です。
この「意識」もしくは「意思」の持ちようが、プロとアマチュアの違いだということもできます。
ものすごく簡単にわかりやすくいうと、自分自身のキャリアに対して、どれだけ真剣に取り組んでいるかということです。
キャリアというのは働くとか仕事とかの意味ではなくて、自分の人生そのものであり、何らかの形で自分を表現する上で、結果的にその仕事についているということなのです。

音楽は「音」を「楽しむ」ことなので、基本的にはプロとかアマチュアとか関係ないのですが、それを極めていって「道」といえるようなレベルに達するには、継続して積み上げていく作業が欠かせないのです。

日本人は物事を「道」として極めていくことが得意な人種です。
書くことを極めることは「書道」、花を生けることは「華道」、同じようにお茶を点てることは「茶道」といいますね。
そういった意味では、「道」は人生や生き方という意味合いで使われることがあるので、「キャリア」を直訳すると「道」なのかもしれません。

文字を書くこと、花を生けることやお茶を入れることは、生活の中で特別なことではありませんが、それを極めることで「プロ」としての地位が確立されるというのは、真剣に取り組んで理解を深めていった結果なのです。

だから自分が表現することを極めるためには、プロとしての意識がどうしても必要となります。
楽しいからやるというのは趣味の領域であって、プロの域に達するには、しっかりとした意識を持った上で極めていくことが必要なんです。

今はネットのおかげで自由に発信することができ、可能性がうんと広がったので、とても恵まれた時代だということができます。
一時的に評価されることも素晴らしいことですが、その評価を一瞬で終わらせたくないなら「道」として極めることです。
そのためには自分から必要な情報を探し、憧れている人がいるならその人のやり方を研究し、いいと思ったやり方を試してみながら、自分のやり方を見つければいいんです。
自分流でやることが、個性を打ち出し他と差別化することになるんです。

どんな意識を持って行動を移すかによって結果は変わります。
始める動機はどんなことでも構わないですが、やっていくうちに極めたいという気持ちが芽生えたら、まだ未熟だったとしてもプロとしての意識を持ってやることです。
だんだんと結果が追いついてきますから。

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