他人の意見をただ100%受け入れるロボットにならないように

数多くのアーティスト育成に関わってきましたが、アーティストに対して常日頃から、『僕の意見をただ100%受け入れるのではなくて、自分の中で「確かにそうだな」と思えることは受け入れたらいいし、「何か違う」と思うのならスルーしていい』ということを言っていました。

それはなぜかと言うと、師匠と弟子みたいな関係ではないし、自分の足で立って自分で考え行動することができるようになること、つまり自立してもらうことが目的だからです。

「確かにそうだな」と思えることは、もともとその価値観が自分の中にあるということですから、それは受け取ってもいいと思いますが、「何か違う」と感じているなら、そのように伝えることも大事なことです。
それは反発するとかケンカを売るとか、そういうレベルの話ではなく、自分の意見としてちゃんと伝えるということ。

日本の社会ではこれがなかなか言いにくいのですが、これからの時代はこれができないと、自分に嘘をつくことになりますから、最終的に自分自身が苦しむことになります。

もちろん否定する必要はないし、話し合った上で一度取り入れてやってみるということもいいでしょう。
そしてその結果どうなるのかを見届けることもいい経験だし、勉強になりますから。

一番危険なのは、「この人が言うのだから間違いないだろう」というように、何も考えずただ100%受け入れること。
これは疑えということではなく、自分の意思でそれを受け入れたという姿勢でいることが大事なんです。

仕事や生きる上で迷うことは多々あるし、その時に他人からアドバイスをもらえたことで、窮地から脱出できることもあります。
そういう意味で人間関係はとても大切でありがたいものですが、「自分の軸」をしっかり持っていないと、「あの人が言う通りやったのにうまくいかなかった」というような文句や言い訳を言うことになってしまいます。

それを受け入れたのは自分だということ。
全ての責任は自分にあるということ。
ここをしっかり理解しておくことがもっとも大事です。

コントロールされることに慣れてしまうと、思考が停止してしまうので、自分がどう感じたのか、それに対してどう行動を起こすのか。
自分の意思で決めたのだという責任と自覚がなければ、ロボットのような人間になってしまうので、何をするにおいても「自分が主役」であるということを忘れないように。

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