見出し画像

第93号『その旅路の果てに待つものは、戦場のフーガ』

今日はやめるタイミングを見失い、翌日の朝までプレイしてしまったゲームの話にお付き合いいただければと思います。

【戦場のフーガ】について

とある戦争に巻き込まれた獣人の少年少女達が、敵対する国に奪われた家族を取り戻すため、巨大移動要塞型戦車で旅をする。行く先々で色々な事情を抱えた人達と出会い、仲間になったりする人も居れば、場合によっては辛い別れとなる事もあります。

迫りくる戦火の中で常に「選択」と「決断」を求められ、自分の意思で選び取らなくてはいけません。

それは物語だけじゃなく、戦闘パートでも同様です。

あらすじは公式サイトにYouTube動画がありますのでそちらを見ていただけたらなと思います。

獣人好き(ケモナー)はYouTube動画だけでも必見の価値はあります。

時にシリアスに、時にコミカルに描かれてはいますが物語のテーマは戦争なので結構重いです。

それでもお薦めしたい部分と向いている人の為のプレゼンを書き出します。勿論、プレイして『戦場のフーガ』の物語を知って欲しいのでネタバレ無しで且つ面白さが伝わるように書き上げますので是非ご一読ください。

そして、なるべく何も知らない白紙の状態でプレイして衝撃を受けて欲しいのでお薦めしたいポイントを押さえて書き、個人的な感想と考察はおまけ部分で書いていきます。

それではいきましょうか!

【戦場のフーガ】の物語は奪われた家族を取り戻す為、各地で情報を集めながら目的地を目指して旅をする。

そんな物凄くシンプルなストーリー構成となっています。

勿論、目的地を目指しても行く手を拒む敵となる兵士や兵器が立ちはだかる為、戦闘は避けては通れません。

道中選べるのは「安全な道」か「普通の道」か「危険な道」かだけで後退の2文字は存在しないのです。どんなにしんどくても前に進むしかない

試行錯誤が楽しい戦闘パート

巨大戦車タラニスによる戦闘は戦車に搭載されている副砲武器には、キャノン、サブマシンガン、グレネードといった3種の攻撃手段があり、それぞれ威力、命中率、効果が違うため対峙する敵兵器に合わせて組み替えなくてはいけません。シミュレーション系のゲームはこの辺の戦略を練るのも楽しさの一つ。

そして搭乗する子供達の精神状態やバディを組む相手との相性もあるので、それらも加味して作戦を考えないと後半痛い目をみます。

いくら戦車が規格外に強くても、乗っているのはストレスに弱い子供なのです。メンタルケアは超大事。

下記はそれぞれの武器に関する個人的感想です。

【キャノン】 威力:高い 命中:低い  装填:遅い

メイン火力、命中率は低いけど当たれば圧巻。彼らが居ないとボス戦が摘みかけます。最低2人、余裕があれば3人育てましょう。

【サブマシンガン】 威力:低い 命中:高い 装填:早い

威力は無いけれど鬼のような命中率、空中戦の覇者、装甲の堅い敵には必須武器。彼らが居ないと道中とボス戦で摘みかけます。

【グレネード】 威力:普通 命中:普通 装填:普通 特殊:効果付与

上記2つの武器に比べると平凡?否、状況に合わせて対応できる汎用性ならこの武器。弾丸に効果が付与されているので、煙幕で敵の命中率下げたり、炎上させ継続ダメージ与えたり短期・長期戦両方いける万能型。

これら3種の武器を3つ選んで編成し、戦闘を行うのですが3種とも必ず必要とする場面があるし、その武器を使えるキャラもいる為、育成が悩ましいかったです。例えばマルトはキャノン担当なので、サブマシンガンは兼任出来きない仕様なので特定のキャラのレベルのみを育成すると苦労します。

ずっと遊んでいたい日常パート

巨大移動兵器タラニスで旅をする間当然ですが生活の基盤である衣食住や、仲間との絆を深めるイベントや農耕牧畜や戦車の改造を行うといった【インターンミッション】なるものがあります。

戦車タラニス内には生活区画がありそこで生活するんですが、旅する巨大戦車の中なんて『浪漫の塊』以外何物でもないのでそれだけでワクワクしますね。「燃料はどうなってるんだ?」とか野暮なツッコミは無しの方向で。

【インターンミッション】

この仕様を考えた人は、シミュレーション好きの思考を熟知しているなと思いました。あえてこの日常パートに行動制限(アクション起こす度に使用ポイント制)を設ける事で強制的にシナリオ進行を促すようになっています。おそらくこの制限がない場合、自分はシナリオ進めないでずっと戦車改造素材集めて改造したり、生活区画リフォームしたりずっと戦車引きこもりになりそう。

逆に言えば制限の中で行動を選ばなくてはいけません、仲間との絆を優先するのか?戦車の武器や装甲を改造して次の戦いに備えるのか?

どの子供たちも皆可愛くて良い子なんですよ。仲間との絆は戦闘中のバフ効果だったり物語の分岐に影響を及ぼすし、戦車の改造はそのまま戦闘に影響を及ぼすのでこれまた悩ましい問題です。どっちをおろそかにしても先へ進むほど苦戦して”ある選択”を迫られる事になるので。

このように【戦闘パート】と【日常パート】を繰り返し物語の核心に迫っていくのですのですがこのゲームの核は『選択と決断』です。

このゲームにおいての”最大の決断”は戦車に搭載された主砲にあります。そして気付いてましたか?戦闘パートでは副砲の説明しかしていない事に。そして上記に書いた”ある選択”を迫られるとはこの主砲の事だったりします。

選択と決断のソウルキャノン

戦車タラニスには、悪魔的とも呼べる仕様の兵器が搭載されています。それが主砲である”ソウルキャノン”です。そりゃ封印されるわ

書いて字の如く、仲間の命と引き換えに全ての状況をひっくり返す程の威力のある主砲です。なんでそんな設計にしたの?いっそのこと敵兵詰めて撃ちたい

「人間が道徳心から生まれるジレンマにどう対処するのか」を見るための倫理学の思考実験『トロッコ問題』を武器にするとか考案者の血は何色だ?

何もせずに全滅してゲームオーバーになるか、1人を犠牲にして残りを救うか。どちらを選んでも後味の悪い結果になるから、設計書と実装した技術者は頭のネジが何本か飛んでるじゃないでしょうか

とか毒吐いちゃうくらい吐き気を催す邪悪なんですよ

どんな人にお薦めしたいか?

『メイドインアビス』

『魔法少女まどかマギカ』

『結城友奈は勇者である』

上記作品のいずれかが好きであるなら、間違いなくこの作品を楽しめる事請け合いです。

これらの作品と【戦場のフーガ】が共通している点はキャラクターの可愛さに反するかの様にストーリーが重かったり、敵と戦うシステムがエグかったりするというそのギャップにあります。

逆に【戦場のフーガ】はクリアしたけれど上記作品は知らないなという方はこの期に触れてみてください、言っている意味がわかる筈です。

あとは『Fate/Zero』で言峰神父の様に愉悦を知ってしまった皆さん、どうですか?ある選択肢を選ぶ事で意図的に”それ”を味わえますよ

そんな『メイドインアビス』のボンボルドのような度し難い知的好奇心をお持ちの方?どうですか?とか思っていたら

『メイドインアビス』の作者のつくし先生が撃つ気満々で本当に度し難いw

もしくは「そんな兵器なんか使わなくたって余裕でクリアしてみせるぜ!」と息巻いていたプレイ前のシチューさんみたいな人。

同じ気持ちを共有したいのでどうですか?色々と考察出来る良作SRPGでした。

彼らが旅路の果てに得たものを是非体験してみてください。

おまけ部分は、少なくともクリアするまでに最低2回は「ふざけるな!馬鹿野郎!」言ってそのまま怒りの2週目クリアまでを慣行してしまった話と考察とか色々書いています。

ふざけるな!馬鹿野郎!

ふぅ~。(深呼吸)

ここから先は

1,143字

¥ 100

いつも読んでくれてありがとうございます(´▽`) また面白ければ「スキ」を貰えると嬉しいです、noteアカウント無くてもスキは押せますので是非 またマンガ好き、ゲーム好き、アニメ好き、映画好きのフォロワーを募集しています。条件に当てはまる方はフォローバックします