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第37号『ワンピース スタンピードの話をしよう』

久々に気持ち良いくらいのジャンプ作品らしい王道展開だった。笑いあり涙ありの爽快感たっぷりの映画でした。

今日はそんな映画の話をしましょうか。

海賊の、海賊による、海賊のための世界一の祭典、海賊万博。
「祭り屋」と呼ばれる万博の主催者ブエナ・フェスタからの招待状を手にしたルフィら麦わらの一味。
導かれるまま会場に着くと、華やかなパビリオンが所狭しと並び、世界中から海賊たちが群がる、大きな盛り上がりを見せていた。
全員の目的はただ一つ、万博の目玉「海賊王(ロジャー)の遺した宝探し」。宝を手に入れ名を上げたい海賊たちによるお宝争奪の火蓋が切られた! (公式より抜粋)

ストーリーが物凄くシンプル!予告で内容がだいたい分かる。どうみたって海賊呼ぶ為の罠の匂いしかしない!わかり易いあらすじ。

ストーリーは王道過ぎるゆえに先の展開が読めてしまう。そんな事は分かっている…筈なのに、なのに面白い!正直くやしいです!ド直球の真っ向勝負。誰にでも分かりやすい面白さだからこそ、老若男女皆が楽しめる仕様の劇場版って感じに仕上がってる。拍手!まだ観ていない人は鑑賞後にまたお会いしましょう。

以下ネタバレを含みますのであしからず



◆スタンピードの良かったところ

これ書いた脚本の人凄い。これだけワンピースキャラオールスターで出して2時間の中に各々にちゃんと見せ場が用意してある。トラ男ことローが苦労人ポジション確立してしまったけれど、それでも文字通り”海賊達のフェスティバル”に仕上がってる。週刊少年ジャンプ本誌は話がごちゃごちゃしてきて離れてしまった人、後でコミクッスでまとめて読むか、と思ってる人でもしっかり楽しめる。そのぐらい誤差の範囲だってぐらいにシンプルに纏めてある。このシンプルさこそワンピースの面白さの原点な気がします。20周年という節目に原点回帰ってなんか粋な気しません?

元ロジャー海賊団、ダグラス・バレット。こいつを相手に海賊(最悪の世代)、王下七武海、海軍、革命軍という信念も立場も超えて共闘する胸熱展開!本編じゃ決して叶わない、映画の中だけのイフ世界線だからこそ実現可能な共同戦線!

ところどころ矛盾点もあるけれど「細けぇこたぁいいんだよ!!」という気分にさせてくれる。だってこういうのが観たかったから。

より強大な敵を倒す為に、ライバルや敵との共同戦線。ジャンプアニメの劇場版では『ドラゴンボール』や『銀魂』をはじめ、よくやる王道展開なので使い古された手法といえばそうかもしれない。それでもやっぱり熱く滾る展開が大好物なのです。

昔、友達と話した「あり得ないけど、あいつとあいつが共闘したら楽しいだろうな」って妄想を見事に映像化してくれてありがとう!

◆「手段」と「目的」を取り違えない強さ

人は求めるものが大きいほどこの2つを取り違えます。今回これもテーマとして上手く描けていたんじゃないかなと。限りなく強大ではあるものの本来の目的を見失っていたダグラスと、けして見失わなかったルフィ。意地の勝負は互角、そして勝負の明暗を分けたのはコレだと思ってます。

最強の力を純粋に求めたダグラス。いつの間にか強くなる事(手段)が目的になってしまっていたケース。本当の目的は「いつの日かロジャーを超える事」だったはずなのに。「この海で独りで生きてる奴なんかいねぇ!!」と言われ本来の目的を思い出したから負けたともいえます。

ラフテルへの航路を示すエターナル・ポーズもそう。これを手に入れる事を目的としていた海軍、政府(CP)、海賊は居ます。でもルフィにとってはこれも目的への手段でしかない。だから躊躇うことなく壊せた。

ルフィの目的は”ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”を見つけることと、そして海賊として”自分のやりたいようにやる”こと。支配や強さには拘らない。強さも仲間を守り、自分の信念を貫くために必要だから得た手段であって目的ではないから。このブレない強さ見習いたいものです

◆強さだけではなく弱さもしっかり描く

やっぱりウソップは最高だぜ!

ルフィ海賊団の中でウソップが一番好きなキャラというか、一番感情移入できるキャラです。なぜなら”誰よりも自分の弱さを知っている”から。

自分の弱さを、不甲斐なさを吐露したところなんか、涙腺緩むしそれでも強がるのがまた良いんだ。そして弱さを知ってるからこそ策を練り、意地の一撃をお見舞いした所なんか最高に格好良かった!最高の後方支援だぜ


◆劇場版のツッコミどころ

ロジャー時代の海賊が出過ぎ問題

本編に絡まないから出しやすいんだろうけれど、ロジャーの元ライバルだったり、元クルーだったり、今後も続くんだろうか?旧世代の海賊と新世代の海賊比較は面白いけど、敵高齢化問題w

バスターコール発動し過ぎ問題

バスターコールちょっと多すぎないか?w状況や相手が凄いのは分かる。けど発動しすぎると格闘漫画『バキ』におけるムエタイ扱いにならないかい?w

インペルダウン脱獄され過ぎ問題

監獄LEVEL6。だいたいヤバイ相手はここから脱獄します。本当に管理責任でマゼランさんクビにならないか心配。黒髭により囚人開放したので今後この監獄(LEVEL6)からの敵は出ないのかな。新監獄LEVEL6造ったとしてもまた脱獄されたら今度こそ責任問題だしどうするんだw

◆まとめ

ストーリーよりファンを楽しませる事に重点を置いた20周年記念お祭り映画。それでいて外さない王道展開は流石の一言。鑑賞者の推しの海賊の見せ場もそれぞれあったと思うし、本誌で見かけなくなってる懐かしの面々もいて探すのが楽しかった。本当に気持ちの良いエンターテイメント作品でした。

そして最後の逃走シーン。炎上網の演出にビジョビジョの実の能力でエースの炎投影は泣いた。サボが参謀過ぎて困る、なんだそのサプライズ。最高かよ!

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