見出し画像

第89号『朱に交われば赤くなる、チェイサーゲーム6巻感想』

日本のことわざには「朱に交われば赤くなる」なるという言葉があります。

なぜ漫画の話なのに冒頭からこんな事を書くのか?

それを順を追って書き出していきます。

初めて社会へ出て会社勤めをすれば、誰もが最初は右も左も分からない状態なので当然、仕事を覚えるまで上司だったり先輩が指導を行います。

そしてこの時、上司や先輩は選ぶことが出来ないので、その人から習った事はそのまま覚えてしまう事があります。ある意味上司ガチャですね

それが良い事であれ、悪いことであれ、その影響は少なからず指導を受けた新人に引き継がれていきます。

良い事なら当然問題はないのですが、それが悪い事(社内の悪しき風習)であったとしても、経験の少ない新人は違和感は感じても「そういうものか」と思ってしまいます。

これはどの業界どの会社に関係なく大小あれ、存在する問題だと思います。自分も後輩に仕事を教える際は気をつけていきたいですね

今日はそれらをリアルに織り交ぜて描いた、ある意味で”教訓”を教えてくれたゲーム業界漫画『チェイサーゲーム』6巻の話にお付き合いいただければと思います。

漫画らしいフィクション部分と仕事のリアル部分の塩梅がまた面白いので知らない方もこの期に是非。

たとえ業界は違っても、「あー、うちの会社でも似た内容あるわ」と共感できること請け合いです。

その辺は前回の記事にも書いてありますのでよろしければ下記にて。

そして、ここからは6巻の内容から最新話までのネタバレを含みます。コミックス派の方は特に注意。

チェイサーゲーム6巻について

前巻で読者のヘイト値を上げまくった更木プロデューサーと燃えに燃えた炎上プロジェクト完結編と過去回想編です。

どの漫画でも糸目の参謀キャラは怒らせちゃいけないという鉄板というかお約束もあり、悪しきキャラには天誅を!のハズだったのですが

『スカッとジャパン』並みにスッキリしたかと言えば、そうは問屋が卸さないところがこの漫画のシナリオの妙味ですね。色々と考えさせられる内容でした。

確かに更木プロデューサーが今までして来たことは悪であり、決して許される行為ではありません。

しかし、彼もまた業界の闇に長く触れ(冒頭で描いた朱の部分や心無いファン、理解しあえなかった開発元、横領や着服を教えた先輩等)それらの影響で歪んでしまった一人だと考えるなら、彼もまた犠牲者だったのかもしれません。

甘いと言われるかもしれませんが、出会えた人が違えば彼も違う道を進めていたのだと思いたいです。

ボクはさ
キミたちみたいになりたくて
この業界に入ったんだよ
子供の時に遊んだ
ゲームソフトの中のヒーローに憧れて
『夢』を見て
この業界に入ったハズなんだけどなぁ

龍也の問いに漏らした本音、彼自身も歯車がズレている事を自覚しながら抗おうとはしなかった。それを忘れたくてか酒に溺れ、業界に入ったばかりの頃のやる気を失い、惰性で生きてしまった。普段のおちゃらけた態度からは想像しづらい、彼の一面。もしかしたらこっちが素でそれを隠すために、普段は文字通り道化を演じているのかもしれません。

だとするなら、漫画のタイトルにもある「チェイサーゲーム(夢を追うもの)」のゲームから降りてしまった一人として描かれているのではないでしょうか。そう考えると腑に落ちるかなと。

好きというのは残酷だと。好きだったからこそ味わった絶望も一際大きかったのかもしれません。好きでい続けられなかった。

自分は好きな漫画を読む際は、この先どういう展開になるかなと考える癖があります。来週のジャンプの話とか特に好きですね

それを話せる人が中々居なくてこうしてnoteに書いているわけですが、前回の5巻感想の考察では更木プロデューサー考察のルート2として書いてます。時々こういう作者とシンクロがあったりするから嬉しくて、考察や先読みがやめられない訳です。予想が外れたっていいんです、それも漫画を読み、語る楽さの一つなので。

そして更木プロデューサーに足りなかったのは「少年ジャンプ」だと思います。少年ジャンプの読み込みが圧倒的に足りない。

「?」と疑問符が頭に浮かんでいるあなた。

これは自分が行っているとっておきの鼓舞法なのですが、良い機会なので無料で教えます。試して良かったらtwitterのフォローとこの記事へスキお願いします。

仕事や人生でめちゃくちゃキツイ状況に陥ったら

「好きな少年ジャンプ主人公ならどうする?」と考えます。

もっと分かりやすく喩えるなら『鬼滅の刃』の竈門炭治郎の「俺は今までよくやってきた‼俺はできる奴だ‼」理論です。

この鼓舞法を知ってたら更木プロデューサーも歪んでいなかったハズ、それだと物語が盛り上がらないけど

そうそう、『鬼滅の刃』と言えばこの漫画の舞台にもなっているサイバーコネクトツーで鋭意制作中のゲーム『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』の発売日が決まりましたね。今から楽しみです

おっと、脱線してきたのでこの話は別記事で書くとして、話を『チェイサーゲーム』に戻しましょうか

過去編へ行く前に少しだけ

ファンサービスが凄いぞチェイサーゲーム

以前1,2巻発売時にこの漫画への登場人物になれる出演権というのがありました。

こういうサービスって一回だけ登場して終わりとかが多いんですがなんとこの6巻で、登場権を得たファンの方と人気キャラで6巻表紙の本田さんとの結婚があります。番外編で漫画まで。

…なん…だと…

思わず『BLEACH』みたいなリアクションになってしまいましたが、何その嬉しすぎるサービス!

ズルい!自分も登場人物になって美園さん口説きたかった!あわよくば結k(いったい何の話だ、高望みし過ぎだろ)

出演権獲得した守田さんにも嬉しいサプライズだったんじゃないでしょうか。良いなぁ

【破邪の封印外伝】

あー、あきお店長が出演権なくても登場してる!これが舞台の地元パワーか。

そしてこのお店「コスプレ&アニソンバー萌魂」とあきお店長は実在するお店です。

ちなみに週刊少年シチューは上記クラウドファンディングにて「1日店長権」を獲得している為

この店長権限をつかって

「やちるさんを『場内指名』します」とかやってみたいですね

はやくコロナ収束しないかな

結局脱線してるので閑話休題。

物語は過去編へ

龍也の独白から物語は一度過去へ戻ります。

物語を収束させる為の、「追跡者」の為の、原点回帰といったところでしょうか

高校時代、龍也が時代遅れの髪型(リーゼント)だったのか納得がいきました。「ジョジョの奇妙な冒険4部」の仗助と同じで影響を受けた人物がいたわけだ。そして龍也の育ての親でもある。

ゴン爺みたいなキャラ好きだな

児童施設ルールが色々ジャンプ漫画オマージュだったりで笑う

その24「敬意を払え」

その25「迷った時は遠回り」

『スティール・ボール・ラン』かw

【欲しいものは自分で買え】

小学生でも稼ぐ方法。これまた賛否両論でしょうけれどこれは”生き抜く知恵”として知っておくのは良い事だと思います。最近は漫画にアニメでもこういう表現をどうこう言う人多くて辟易してますが、良い事しか教えないのもどうかと思います。無菌培養した植物は外の環境に弱くなるのと同様に、子供たちにも良い事悪い事両方教えて判断できるようにしないといけないんじゃないのかなと。

【喧嘩の仕方】

これもそう。確かに暴力は良くない。けれど喧嘩の経験があるのとないのでは実際にそんな状況になった時にどうしたらいいのか分からず困ると思います。簡単に言えば仕方や加減のやり方学んでおかないと殴った方も殴られた方も怪我をします。そしてゴン爺、現役時代めちゃくちゃボクシング強かっただろ。デトロイトスタイルで構えるとか。年齢から考えると現役当時はアメリカンスタイルとも呼ばれてて、国内じゃその構え出来るボクサー少なかったはずだし、ゴン爺の普段着とかバイク、聞いてる洋楽とか見てると昔アメリカ住んでたんじゃないのとか考えてしまう。

6巻はゴン爺が吐血した所で次巻へ続く。90年代のドラマはこういうシーン多かった気がする。

さて、恒例のおまけ部分はこの先の展開とこの物語の着地点についての考察になります

この物語の着地点について


さて分厚くなって読み応えのあった6巻ですが、これまでの伏線とこれからの物語を考えると結末まで描ききるには7巻も6巻以上に分厚くなりそうな気がします。

物語が収束に向かうにあたり「追跡者」達は何処へ向かうのか?これを考えるだけでもワクワクしますね。

おさらいとして読み返してみると2巻の最終話にこうあります。

これは――『再生』の物語
『夢と絶望』の間でのたうち回り
泥の中から這い上がり
『確かな復讐』を誓う――
『追跡者』たちの物語
『再び歩き始める者』たちの物語である

そして今回の過去編と現代を結び、結末へ話を持っていくにはまず、「追跡者」チェイサーの追いかけている「夢」を明確にする必要があります。

俺達で『夢のゲームソフト』を作り上げるんだ

かつて河原の河川敷で語った「夢」

アタシ声優になるよ
そんでタツヤ達の作ったゲームのキャラクターの声を演じるよ

もし「追跡者」達の「夢」が上記であるならば

【タツヤ軍団でもう一度ゲームを作り、キャラクターの声をカナンが演じる】

これが物語のトゥルーエンドルートの達成条件になります。

そこで考えないといけないのが次の条件

【タツヤ軍団の状況】

鷹城勇希 → ゲームクリエイターへ(プレインラック社に勤めている点、過去の龍也との確執?和解が条件未達成)

新堂龍也 → ゲームクリエイターへ(サイバーコネクトツー勤務)

鷹城花南 → 声優養成所へ、現代では未登場(声優になれたか不明)

林真子 → 高校生卒業後、龍也と同居しているはずだが現代編では登場せず

吉田銀次 → 現代では未登場(ゲームクリエイターへなれたか不明)

久木亘 → 現代では未登場(ゲームクリエイターへなれたか不明)

今やってる過去編でここへの点と点が線になるように結ばないといけない

そして5巻を読み直すとこう結ばれています。

これから始まるこの―――
『最大の闘い』が
ハッキリ言って
私が龍也さんとやる
最後の仕事となるのでした

池脇蓮実がLast Recodeで語った台詞です。

つまり状況から読み取ると龍也は炎上プロジェクト後、サイバーコネクトツーを退社し夢の為に独立し起業する可能性もあるのかな

ただプレインラック社の椅子を捨ててまで鷹城勇希を合流させる理由、彼に認めさせないといけないのが物語の最難関のような気がします。

「追跡者」達の「夢」は叶うのか、それとも夢は叶わないのか?

『再び歩き始める者』たちの物語である

最後にこう結ばれているので後者とみせかけての・・・かな

仮に自分が松山社長の立場なら最終話のサブタイトルは「歩くような速さで」にします。意味の分かる人は思わずニヤリとするはずなので。

どういう結末を迎えるのか楽しみですね( ´∀`)

ここから先は

0字

¥ 100

いつも読んでくれてありがとうございます(´▽`) また面白ければ「スキ」を貰えると嬉しいです、noteアカウント無くてもスキは押せますので是非 またマンガ好き、ゲーム好き、アニメ好き、映画好きのフォロワーを募集しています。条件に当てはまる方はフォローバックします