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第99号『「ぼくのうつやすみ」制作秘話トークイベントへ行ってきた』

はじめに

久方ぶりのトークイベントということで上記のイベントへ行ってきました。イベント会場まで行けなかった人の為に現地ならではのレポートになります。

サイバーコネクトツーといえばゲーム『ナルティメットヒーロー』『ドラゴンボールZ KAKAROT』『鬼滅の刃ヒノカミ血風譚』を世に送り出したゲームの開発元です。そして今秋に『ジョジョの奇妙な冒険ASBR』をリリース予定という、今勢いに乗っているゲーム開発会社です。少年ジャンプ読者なら誌面で一度は目にしたことがあるタイトルばかりじゃないでしょうか?

なぜなら『NARUTO -ナルト-』『ドラゴンボール』『鬼滅の刃』『ジョジョの奇妙な冒険』という少年ジャンプ歴代看板漫画タイトルを次々とゲーム化しているという事はそれだけの「実績」と「信頼」を週刊少年少年ジャンプの版権元である集英社から得ている事になります。そして実際にゲームを遊んでみれば分かりますが、どの作品も作品への解像度が高い、作り手もその作品絶対好きでしょ?というのがゲームを通して伝わってきます。

そんなエンターテインメント大好き集団である人達が「うつ」という非常にデリケートな問題についてトークイベントを行う。こういう書き方をすると不謹慎だと言われてしまうかもしれませんが興味がありました。

クリエイターによって生まれたエンターテインメント作品が「光」だとするなら、うつはその光によって生まれた「影」なのか?光が強いほどに影も濃くなるのか?もしうつになった時、何を考え、どう向き合えば良いのか?

勿論、これはエンターテインメント業界に限らず、どの業界だって「うつ病」になる可能性はありますし、実際なっています。

そして、このイベントは非常に覚悟のいる決断だったと思います。これは自身が「うつ」だと明かしたミヨシさんも、社内から「うつ」になってしまった社員を出してしまったと公表するサイバーコネクトツーさんもです。

大抵の会社は、世間からの体裁を気にして決して公にはしません。本人も外部に知られたくないだろうし、公表しようものなら「ブラック企業」というレッテルを貼られ、ましてやエンターテインメントを提供し人々を楽しませる側の人間が…なんて確証の無い悪評をSNSで拡散されるリスクの方が高いからです。

けれど、こうやって隠して内密に処理してしまう会社が多いからこそ問題は表面化しないのではないでしょうか?だたし、それは表面化しないだけで水面下では堆積したヘドロの様に漂っている、こういう問題はどの会社でも多かれ少なかれ抱えている問題だと思います。

このトークイベントは、そんな社会の暗闇とも言える部分に踏み込んで行く「覚悟」を感じました。

「覚悟」とは………………犠牲の心ではないッ!
「覚悟」とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開くことなんだッ!・・・・・・・・・・・・・・・

ジョジョの奇妙な冒険第五部 ジョルノ・ジョバーナより

そんなイベントに「ぼくは敬意を表するッ!!」とフーゴの様に思ったから現地へ足を運び、生で感じた事をレポートに書こうと思いました。今日はそんな話にお付き合いいただければと思います。プレゼント企画もありますので是非ご一読ください。

そして、今回のデリケートな内容である「うつ」を題材にした漫画がこちら

作者であるミヨシさんが自身のうつ体験を綴ったエッセイ漫画になります。Kindle Unlimited 会員であれば無料で読むことが来ますし、”うつ”という形の無いものをキャラクターにして形を与えることで、より分かりやすく表現されていると思います。下記からTwitter漫画で読むことが出来ます。が、上記は描きおろしありますし、応援の意味も込めてコミックを買いましょう

https://mobile.twitter.com/i/events/1407869996806463489

著者ミヨシさんについて

ミヨシ@ゲーム会社デザイナー@miyoshi_cc2

冒頭で書いたように家庭用ゲームソフトの開発会社に所属するデザイナーになります。このイベント前からミヨシさんの事は知っていました。自社開発のゲームに登場する大型戦車をフルスクラッチで作成したり、手先が器用で公私ともにエンターテインメントが好きなんだなという事が分かります。

そして自分が一番好きなエピソードであり、ミヨシさんというデザイナーが好きになった漫画がこちら、下記から読むことが出来ますので是非。

『名もなきデザイナーの小さなチャレンジのはなし』がめちゃくちゃ好きなエピソードなんです。でも、そんな人でもうつになった。
この情報を知った時、自分でもショックだったけれど、当人はもっとだろうという事は想像に難くなかったです。

うつ病について思う事

この前、那須川天心VS武尊のTHEマッチで格闘技界を盛り上げる試合を繰り広げた武尊も実はうつ病だったと知った時はショックだったんですが、このことからも分かるように、うつ病というのは精神的、肉体的な強さとは関係なく患ってしまうものなのかもしれません。

なぜか漫画『ハチワンダイバー』で真剣師であるマムシが話していた不条理の沼の話を思い出しました。

不条理という沼だ そこでは常識がまるで通用しない
少しはつかめてきたか? 常識という巨大ビル群と その最悪の底なし沼との間には 薄氷一枚
透けて見えるほど薄い氷があるだけだ 毎日何万人単位で足下の氷が割れて 人生がぶっ壊れる
男女年齢善人悪人関係ない 誰だって突然そこに落ちる可能性がある
地球を想像しろ それが この世界だ 今・・・ここにいて幸せか?
落ちたんだよ お前の足下の氷は… 砕けた

ハチワンダイバー マムシより

それによく似た状況から職場復帰までどう漕ぎ着けたのか?下記からオンライン視聴チケットを購入する事でそのトークイベント内容を視聴できます。

自分は復帰までのプロセスを生で聞きたかったので会場まで足を運びました。

梅田Lateral

今回のトークイベントの会場になります。
最初、梅田ラフテルと読み間違えたのはご愛敬。いや、でも大阪の梅田駅から結構迷子になりかけて到着したのである意味、『ワンピース』でロジャー海賊団以外で辿り着いたものがいない島、ラフテルだと思ってしまいます。と思ったら松山社長も読み間違えてるのかw

場所は大通りから外れた、ややアンダーグラウンドな路地裏に居を構える素敵なお店です。これがペルソナシリーズだと間違いなくアルカナイベントが発生しそうな雰囲気を醸してて個人的にはめちゃくちゃ好みです。

ドリンクメニュー
フードメニュー

このメニューを見てもらえれば分かるように、ドリンクやフードの種類が豊富です。こういうイベント会場用のお店ってワンドリンク制の所が多いのは知ってますが、イベント中に好きにオーダーして飲み食いの両方ができるサービスがとても新鮮でした。そして自身の地元名物である武生ボルガライスがある事でさらに親近感が湧きました。

ぼくのうつやすみトークイベント

来場者にはミヨシさんが手作りしたミニフィギュアが贈られます。

この手作り感溢れるミニフィギュアが良き

こうして始まったぼくのうつやすみトークイベント。
ここからはオンライン視聴をした前提で書きます。まだの人は下記より配信チケットを購入する事で視聴することが出来ます。

ここからは、トークイベントで自分が良かったと思ったところをピックアップ形式で書き出します。

【禁句について】
うつ病を患っている人に絶対に言ってはいけないワードというのがあります。それは”うつ病とかよくある話”だと言って簡単に流してしまう事。「気にするな」と気休めのつもりで言ったとしても、患った当人からしてみればなりたくてなった訳じゃないのに!と。そして当人はまだ現在進行形で苦しんでいるのに!と余計にモヤモヤしてしまうんですよね、と。
実はこれによく似た話を知っていました。シチューさんリアル職業柄、医療機関へ出入りする事が多く、ある時、心療内科の先生と話す機会があり、質問したことがありました。「怪我なら外傷から判断できますけれど、心の病気ってどうやって判断しているんですか?」と、個人的な興味があったので。ドクターは少し考えてから「実は物凄く難しいんだ、わらないと言ってもいい」ただ・・・と続き、心療内科に足が向いた時点で精神的に参っていて、足を運んだ時点で・・・、「だから患者さんへの伝え方には特に気を付けなければならない」と。うつ症状の人に、はっきり「うつ」だと伝えるとさらに気が滅入ってしまい、うつ症状が悪化する事もあると。そのぐらいデリケートで、風邪の様に栄養とってぐっすり寝れば治るというものではないからと。トークイベントを聞きつつそんな事を思い出していました。

そのぐらいデリケートな症状とどう向き合ったのか?

【うつとの向き合い方】
ミヨシさんの口から語られた話を聞いて、その考え方が素敵だなと思ったのは、「うつは克服すべきものではなく寄り添い、共生していくもの」かもしれないと言っていたことです。「うつ」ってそんなに悪いものか?「うつ」があったから自分の状態に気付くことが出来た。マイナス面だけに目を向けるのではなく、自分のバロメーターとして活用するというのは、ジョジョ好きには非常に良いディモールト・ベネ発想でした。

自分のマイナスを逆に利用するなど抜け目のない奴!

ジョジョの奇妙な冒険第二部 リサリサより

【ハードルは低く設定しよう】
うつ状態の時は例えばランニングしようとしても、いきなり走るのは無理。だから、まずはウェアに袖を通したらランニング出来なくてもノルマクリア!という具合にちょっとずつ、小さいノルマを設定して達成して、出来たら次はほんの少しだけハードルを上げてみる。うつ状態で現状出来ない事を嘆くのではなく、出来ることを探っていく。この”歩くような速さで”というCC2制作ゲームのサブタイトル的な考え方も好きでした。これうつじゃなくても応用効く発想法だと思うので早速ですがパクろうと思います。

【真の相談者は8人目に居る】
これは松山社長の持論、元ネタは韓国ドラマからの引用だったかな。相談する相手は家族、友達、同僚、上司だったりと身近な人間になる事が多いけど逆に身近過ぎると相談しても何も変化が起きない可能性の方が高い。逆に一歩引いた人間関係の方が有益な相談者に成りえる。そのぐらいの距離感の相手が大体8人目の相談者だという。この考えは面白いと思いました。確かに身近過ぎると同意や共感は得れるけど変化は得にくいと、今度相談する事出来たら試してみよう。

こんな具合に話が進むので、一時間半あったトークイベントも体感としてはとても短く感じました。
ただ、現地参加の面白いのは此処からです。オンライン放送終了後、会場を20時まで使って良いとお店から了承得たので、おまけのトークイベントが突発的に発生したりします。さらに追加で1時間半ドン!
ここはおまけ部分に追記します。

ミヨシさん、松山社長、梅田Lateralのスタッフの皆様、素敵な時間をありがとうございました!

あと記事の中で台詞を引用しまくったジョジョの奇妙な冒険がゲームとして今秋9月1日発売、個人的にはジョジョの奇妙な冒険はうつに効くと思っています(おそらく自分がうつにならないのは、この漫画を摂取してるからだと思っているので)

今回のトークイベント『ぼくのうつやすみ』後日談となる『ぼくのうつやすみ明け生活』がCHANTO WEBさんにて連載していて無料で読めます。まだ未読の人はこの機会に是非。

プレゼント企画

そして現地物販でしか買えなかった戦利品なんですが、どうしても現地行けなかった人用にある程度、確保できました。

ミヨシさん、松山社長のサイン入りクリアファイル
編集×作者こぼれ話対談冊子

会場でのみ販売されていた「クリアファイル(ミヨシさん、松山社長のサイン入り)&こぼれ話対談冊子(税込¥1000円)」を【真の相談者は8人目に居る】にちなんで8名様にプレゼントします!パチパチパチパチ

本当は、イベント後に在庫で残った分を週刊少年シチュー読者用に3冊確保したんですが、さらに追加でTwitterフォロワーのナカシ(ジではない)マさん(@yoshi197211266)が5冊プレゼント増やしてくれるという漢気サプライズがありました。流石、週刊少年シチューのスポンサー様だぜ!

応募方法はオンライン放送チケットを購入していて、且つこの記事を(200円)を送料替わりに購入してくれれば完了です。先着8名、多過ぎたら抽選なるかも、この記事のRTとスキももらえれば尚良し。

ここからおまけ部分

おまけトークイベント(裏)

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