差し込む光。
行き交う人たち。
舞い上がるホコリ。
いつもの耳に残るメロディ。
靴音が反響しあい小さなうねりをあげているコンコース。
ここは品川駅。
人が通過するだけの空間。
静けさとは無縁のこの空間にないのは、話し声だけ。

差し込む光。
通り抜けていく風。
ほむらたつ霧。
一定のリズムで小さく聞こえる水音。
湿度がうねりを抑えているかのうように落ち着いた沢筋。
ここは山林。
人がいない空間。
静けさに包まれているこの空間に聞こえてくるのは鳥たちの話し声だけ。

ボクたちは何でも欲しがる。
ボクたちは色々拒絶する。

ボクは人を好きになる。
ボクは人を愛する。

目に見えていることの一部は真実だけど
目に見えていないことの多くは正しい。

この世界ではすべてのことが等しくすべての人に届けられる。

『今』はこの一瞬だけ。
『今』をただ淡々と過ごし『未来』という名の『今』を想像しながら過ごす。

ボクは立ち上がらない。
次の『今』に立ち上がるために。

サクラの咲く今、ボク想う。
この世界ではすべてのことが等しくすべての人に届けられる。

ボクの『今』が、先の『今』につながる。
とどけ、この想い。