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エンタメ批評〜映画 梅切らぬバカ〜

どうも!
エンタメなんでもおじさんです!!

連続投稿16日目の今日は…
エンタメ批評
〜梅切らぬバカ〜です

インパクトがあるこのタイトルの映画は、
一言で言うと、、

「お刺身」です。
(ちょっと捻り強くないか?)

自閉症の息子「ちゅうさん」を
ドランクドラゴン塚地武雅さん。
「ちゅうさん」の年老いた母親を
加賀まりこさんが演じています。

まず2人のお芝居が素晴らしかったです。
障害がある役を演じるって
スキル的にも難しいし、
適当なマインドでやってしまうと、
避難を浴びるものになり
リスクがありますが、、
塚地さんのお芝居、、
素晴らしかったです!

台詞が少ない分、
細かな所作が肝になる役作り。
その一挙手一投足が
自閉症の「ちゅうさん」でした。

僕も演じる側なので、
この「ちゅうさん」を
演じるならば…とイメージすると、、
制限が掛かった上に、台詞が多くないと
「ちゅうさん」として存在することが
難しいだろうなと思いました。
やり過ぎてもダメだし、
やらな過ぎたら「ちゅうさん」に見えない
この絶妙なバランスを
塚地さんは全うされていました。
素晴らしい…

そして、
加賀まりこさんの年老いた母も最高でしたね
障害を持つ息子の母親役ってどこか
ウエットに演じられる方が多い印象の中
カラッとした温度感で、
でも暖かさは人一倍持っている母がリアルでした

これもまた、カラッとし過ぎると
冷たい印象になってしまうし
ウエットだと50年近く付き添ってる
息子との対峙が嘘臭くなってしまう

完全にリアルでした。
圧巻です…

1時間17分という短い作品なので
情報量は多くない
だから
「何の解決も進展もしてない」
という声があるみたいです

でも僕はそれがリアルだと思います。

人によっては
映画、ドラマはフィクションなんだから
「進展」「展開」「解決」しろよ
っていう方がいます。
…その気持ちも分かりますが、
僕はこの作品はこれがベストだと思っています

自閉症を持つ本人、親、地域住民、施設の人
未だに残る問題をそのまま、
調味料を使って調理してない
この「刺身」感が、
この映画のあるべき姿だと思います。
(上手いこと言えてました?笑)

それと僕は学がない為
「梅切らぬバカ」
っていう言葉を知りませんでした…
(恥)

ご存知の方も、
そうでない方もいると思いますが、、
(「そうでない方もいる」は僕の願望です 笑)
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」
という諺(ことわざ)から
引用しているこのタイトル。

この諺の意味は
「個性に応じた手を掛けることが大切」
という意味を、観終わってから調べて知った時
全てのシーン、台詞に納得がいき
この映画のチームのセンスの良さを感じました

僕はタイトルの意味を知らずに観てから
意味を知りましたが、、

僕は今回はこの順番で良かったと思いました
僕みたいに「言葉知らぬ馬鹿」が
最初にタイトルの意味を知って観ると
「個性に応じた手を掛けることが大切」
という色眼鏡で観てしまいます。

色眼鏡を掛けると、
言葉通り偏った色(先入観)がある状態で
観てしまう、、
すると、純粋に適した色で観れないんです!
(「です!」って言い切ってるけど
僕の場合ね 笑)

今回、幸いにも「言葉知らぬシンプル馬鹿」
(なんか悪口増えたな)
だったのは、結果的に功を奏しました!

リアルにある問題やテーマを
リアルのまま、脚色も願望も入れず
とことん「リアル」に
(わしは出川さんか!笑)
拘った姿勢は
作り手として「リアルガチでヤバいよ〜」笑

こうやって、観終わってから
考えさせて貰える作品
もっと増えて欲しいですねー

観終わって「楽しかった」「カッコよかった」
で終わる作品も勿論、エンタメですが
観て感じた後「考える」キッカケを作ることも
エンタメの存在意義だと思うので、、

涙を流したり、震える「感動」もありますが
「感じて」「動く」
「感動」も大事にしていきたいですね!!

ではまた!!
「本気の遊びを!!」

ひらかわつかさ@ひげぽよ

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