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ARABAKI ROCK FEST.23参加の記録-4/30(日)編

お疲れ様です。
さあさあさあ、アラバキ2日目、始めます!


朝早くこそ雨が降っていたものの、10時頃には無事上がり一安心。風が結構強く、頭皮持ってかれて禿げそうな1日のスタートでしたが、この"強風"、このあとのキーワードです。

そういえば1日目は大変だったバスの渋滞もこの日は全く問題なかった!運営さんありがとう。お疲れ様です。


帝国喫茶

大阪のバンド。なんと野外フェス初出演なのだとか!初がアラバキって最高だな。バンド名も最高。

メンバーそれぞれ、個性が際立っていていい。ロン毛でどこか志村正彦や小山田壮平イズムを感じるボーカル、クールビューティーに見えるけどめちゃくちゃよく笑うし笑顔がすごく可愛い女の子ギター(多分数回私に笑ってくれた、そうに違いない、そう思えば明日も生きていける)、厳つい風貌のバンマス的ベース、なんだかあどけなさが残る可愛い顔した男ドラマー(演奏が頼りないなんてことは全く無かったぞ!!)
SEが鳴ってひとりひとり、ひょこひょこと登場してくるのも可愛かった。

1曲目から良質なギターポップを繰り出してきて、ああこれはいいぞと思いながら見ていた。先述の通りこの日はやたら風が強く、メンバーの髪はなびきまくりだし、ステージ横に吊るされたメインスピーカーが揺れてて怖い。そんな中、3曲目あたりでメインスピーカーから音が出なくなり、ステージ上の生音だけになってしまうというトラブルが!あ、やばいぞ…と思ったのも束の間、バンドメンバーは演奏を止めず、パフォーマンスを続けたのだ。そして観客も呼応して一気にテンションがMAXに。ボーカルもマイクをがしりと掴み絶唱。そしてラスサビに突入、というタイミングで見事にスピーカーが復活したのだ!
あの瞬間の歓喜といったらなかった。持っている、としかいいようがない。

本当にこの日、帝国喫茶の時だけは風がマジで異常で、ベースアンプが風に煽られて動いちゃうくらいだった。スタッフの方が慌てて押さえに行っていた。マジでお疲れ様です…。

「僕ら大阪から来ました」「初めての野外フェス、気持ちええなぁ」と朴訥とした喋りで和ませる。風が強い、ということを受けてベースの方が「昨日も来たって方どんくらいいます?」(チラホラ手が上がる)「昨日は天気良かったすか?」(観客頷く)「へーそうなんや。……(無言)」という、いやなんで聞いたんだよっていうMCがよかった。

彼らの音楽はとにかく良質なメロディのギターロック。それだけでなく思わず「おっ!」となる曲展開の巧みさもあって、全く一本調子にならない。
ラストの曲ではボーカルくんがどんどんテンションが上がっていき、マイクスタンドからマイクをもぎ取って、ステージ上で転げ回るように歌う。この姿、ロックスターと言わずしてなんと言うのだ。

全く予習もせずなんとなく見に行ってみたけど、大正解。最高のバンドに会えた。これだからフェスはやめられない。良すぎてタオル買っちゃったもん。

めっちゃ可愛い。




くるり

「こんにちはくるりです」と素朴なトーンで岸田さんが挨拶をし、早速"琥珀色の街、上海蟹の朝"を繰り出してきた。くるり流R&B、アンセムとしてすっかり定着した1曲からスタートした。みんな手をチョキにしてノっていて可愛かった。
そこから投下されたのか"ばらの花"なのだからもう大変。感情が大変。感動がじわりじわりと全身に染み渡っていくこの感覚。昨日のw.o.d.やピロウズとはまた別種のライブにおける歓びだ。

「アラバキこんにちは、というより、ただいま!」と久々の出演を喜んでくれ、"愛の太陽"、"Superstar"と、ベテランならではのじっくり聴かせる技術でどんどんライブを進めていく。最高だったのが"Liberty&Gravity"。この曲を言葉で説明するなら『プログレッシブ民族音楽』とでも言おうか…いやもっとわからなくなった。そんなヘンテコな曲なのだが、エレカシなどを蹴って集まった(本当今年のタイテ担当許さん)くるり好きの皆さんは慣れた様子でノリまくる。私の隣にいた背の高いイケメンのお兄さんもノリノリ。くるり好きなイケメンってマジで良いな。

そして"everybody feels the same"!テンション上がりまくっちゃったサポートギターの方がギターソロだ!と前方に躍り出た瞬間ギターのシールドが抜けちゃうというトラブルも、後半の地名を連呼するパートで「荒吐ーー!!」と叫んでくれたのも、まさにすべてが祝祭空間であった。

そこから続けるのが"ハイウェイ"なのだからずるい。あまりにも磐越の空気に合いすぎていて。
締めは"東京"。沁みた。沁みわたった。

あ、ちなみに岸田さん、47にしてついに運転免許を取ったとか。おめでとうございます。


マハラージャン

ステージ後ろの広場で座って飯食いながらチラ見のつもりが、気づけばすっかり彼の世界に、尚且つフレンドリーでピースフルな人柄に惹き込まれてしまった。
ギターも歌もめちゃくちゃ上手い。楽曲もとにかくキャッチー、しかもしつこくないキャッチーさなのだ。
「アラバキ最高じゃないっすか!」「こんなに集まってくれてありがとう!」とオーディエンスを褒めてノせていくタイプの模様。えらそうに「もっと来いよ!」とか言う奴よりずっといい。

気づけば私と同じのように「チラ見/様子見のつもりがめっちゃ楽しんじゃってる」風の人がぐんぐんと増えていき、気づけば花笠ステージ前はものすごい入りになっていた。彼の才能というほかないだろう。凄く良かった。"セーラ☆ムン太郎"とかいうわけわからんタイトルなのにめちゃくちゃキャッチーで良い曲。「セーラームン太郎ー!」って観客に歌わせといて「誰やそれ!」って言ってたのには笑っちゃった。

なんと彼、仙台生まれであることがMCにて判明。東北からもあんなエキゾチックな人物が生まれてるんやな…


ハンバートハンバート

出てくるなり「質問サイト(Yahoo!知恵袋的な)のを見るのにハマってる」「『大至急』って頭についてる質問は大抵面白い」みたいな話を5分くらいしたあと何事もなかったかのように演奏に突入、これを数回繰り返すという脳味噌バグ不可避のライブであった。
勿論、演奏と歌は最高。"リンダリンダ"のカバーなんかも飛び出す。ゆうほさんのハーモニカと良成さんのギターの競演、ふたりで背中合わせで弾いて吹くとこなんか凄く良かった。そうそう、バイオリン弾きながら歌ってた!あれすごすぎる。バイオリンって弾きながら歌えるもんなんだ…

極上の歌と演奏と夫婦漫才MCを堪能しました。「3.5分押しました!!ごめーーん!!!」

実際、その後の羊文学の開始はちょっと押したのであった…
運営さんに怒られてませんように。



羊文学

津軽ステージはおそらく今日イチの入りだったのでは。

塩塚モエカしゃんと河西ゆりかさんの女の子2人は純白の衣装に身を包み、ドラムのフクダ君は相変わらず方向性無視の黒ずくめ。このアンバランスな三角形がたまらない。

ライブを見るの初めてだったのだが、1曲目"光るとき"からギターの轟音に度肝を抜かれた。びりびりと鼓膜を刺してくるけど、優しい。慈愛溢れる音の壁。

そしてゆりかちゃんのコーラスが凄まじく上手い。彼女の演奏への貢献度は尋常ではない。

「…さっき、芋煮たべた」とはにかみながら話すモエカしゃん。かわいい。
お父さんの仕事の都合で3〜5歳の間仙台市の青葉区に住んでいたのだとか。そこでやっていた芋煮会を思い出して懐かしかった、と言っていた。また「凄くいい景色。こんな自然の中でやるフェスって…フジロックくらい?来れて良かった」とも。来てくれてありがとうだよ、ほんとうに。

一番聴きたかった"マヨイガ"、すごくよかった。本当にいい曲だとおもう。

しかし、女の子2人の衣装はめちゃくちゃ寒そうであった。ゆりかちゃんなんかノースリーブだったし。


ASIAN KUNG-FU GENERATION

安定のアジカンである。いきなり"Re:Re:"からのキックオフで場内大興奮。そしてそこから続くのが"リライト"だ!!ようやく声出しができるようになったということで、「芽生えてた感情切って泣いて〜」のパートの、ゴッチとのコールアンドレスポンスも復活。みんな、でかい声で歌う。ゴッチも思わず「うわ、最高だねこれ」と漏らすほどの。
ゴッチ「ライブの後でさ、Twitterとかで『横にいたやつが歌ってたせいでゴッチの声聞こえない』みたいに炎上しがちなんだけど…でも、リライトくらいはいいじゃん?いいとおもうんだよ」という煽り(?)から突入したラスサビではもう、大合唱!いや、大絶叫であった!!すごい盛り上がりだった。
新曲"宿縁"を披露したあとは、カポタストを4フレットに装着し、あのコードが鳴らされる。そう、"ソラニン"だ。リライトもソラニンも私が行ったアジカンのライブで毎回演奏されてるんだけど、何度聴いても良いものは良い。
「みんな、リライトもやったことだし、他の見たいバンド見に行っていいからね」とそれ言っちゃうんかい的なMCのあと、まさかの選曲が。なんと"転がる岩、君に朝が降る"をやってくれたのだ!!!
ぼっちざろっくフィーバーでこの曲が再注目される前から、アジカンの中でもTOP5に入るくらい好きなこの曲。いやあ、なんらかの液体が頬を伝いましたよね。
"今を生きて"、"Be Aright"で希望を歌い、終了。やはりアジカンは間違いないな〜

MICHINOKU PEACE SESSION
奥田民生 アラバキ☆ライダー


2日間の締めくくりはこちらです。
今回、私はeasten youth→ZAZEN BOYSの流れで二日間を締め括ろうと目論んでおりました。民生さんも見たいけど…。

しかし。ゲストが発表された瞬間考えを改めることとなりました。

なんと!バックバンドとしてフジファブリックの3人が出演するというのだ!!!なんてことだ!!!!

そんなわけでイースタンとザゼンを号泣しながら諦め、アジカン終わりに急いで移動。着いた頃には曽我部恵一さんが"青春狂想曲"やってた。

たくさんのゲストが入れ替わりで登場し夢のコラボをしまくるという、アラバキ恒例行事。毎回とんでもない事件が起こる(例:2019年の9mmのステージでは、チャットモンチーを解散した後の橋本絵莉子が登場し、チャットの"恋愛スピリッツ"をやった)のだが、今回も例に漏れずでした。


まずはのんちゃんが登場。ひらひらのついたジャージという謎衣装はさておき、何やるのかな?と思っていたら民生が12弦ギターを爪弾く。なんと!ユニコーンの"すばらしい日々"!!いきなりすごい展開だ。のんちゃんに合わせてキーを上げたバージョン。


その後に登場したのはくるりの岸田さん。白衣姿、さらに2着の白衣を持って出てきたということは当然、民生さんと伊藤大地さんの3人でサンフジンズ。岸田さんのギターがめちゃくちゃかっこよかった。「残念ですがくるりの曲はやりません(民生)」と言っていた。ばらの花とかやってくれると思ったんだがなー。

そしてお次はアジカンのゴッチ!「東京に出たての、にっちもさっちもいかない時期に聴いてた曲」ということで、民生さんの"674"を2人で弾き語り。ゴッチの声が合いすぎてる。
そして!フジのメンバーと伊藤大地さんがステージに戻り、繰り出されたのは"君という花"!!
あのドンチードンチードンチードンチーが聴こえてきた瞬間、沸騰。ぶち上がり。総くんがあの名ギターリフを弾いている!!!
ゴッチはハンドマイクで楽しそうに踊りながら歌う。民生さんの声もアジカンソングにバッチリハマって、それはもうとんでもない盛り上がり!すごかった!

そのあとは民生×フジということで、まずは総くんの希望で民生さんの"人の息子"を演奏。総くんがこの時弾いてたゴールドのレスポールは、「高校時代、民生さんのコピーに夢中になってたころに使ってたギター」なのだとか。ちなみに民生さんはそれを受けて「高校の時からそんな金色のやつ使ってたんだね」「俺は売れてから金色にした」とかなんとか言ってました。
そしてフジの曲をやります、という宣言から突入したのは"徒然モノクローム"でした!!フジの曲1曲くらいはやるだろうなー、なにかなー、と思ってたけどこれは予想外だった!すごくよかった。

次に登場したのはBiSH!メンバーみんなでひょこひょこと可愛く登場。そしてなんと!あのイントロが!なんと"大迷惑"を民生×フジ×BiSHでやってくれたのだ!!!!なんちゅうライブだ!!完全に狂乱状態になってしまった。BiSHの可愛い振り付けによる大迷惑、最高すぎた。すごかった。
それだけでは終わらず、BiSHの"星が瞬く夜に"まで飛び出してしまう!しかも民生がサビを歌っていたのだ!!声量!!すごすぎる!!照れくさそうにちょっとだけ振り付けする民生さんも可愛かった。(BiSH「ちょっとだけ踊ってましたよね?」民生「いやあれは踊りとは言わないでしょ」)

最早大乱闘スマッシュブラザーズSPばりの豪華さで、民生さんもBiSHがはけたあとは「…もういいんじゃないかな?」なんて言っていたが、その後に出てきたのはアラバキ名物、ブラフマンのトシロウ。ウイスキー片手に千鳥足(の演技?)で出てきて早速爆笑をかっさらい、去年の事件(トライセラトップスのステージで民生さんが泥酔しすぎてて炎上した)を弄りまくる。「"Maybe Blue"やれば盛り上がるかな?」「裏で吉川晃司が酔っ払いまくって楽屋無くなった(大嘘)」などとトシロウ節全開で笑いをとりまくる。
民生「お前まだ蒸し返すのかそれ」
トシロウ「酒が飲めるアラバキにしとかないと、チバ(ユウスケ)が戻って来れないじゃん」と、憎いMCも。チバさん早く戻ってきてね。
(民生「あいつにはもう飲ませちゃダメだろ(笑)」)

トシロウは民生さんの"近未来"とブラフマンの"鼎の問"をセッション。アラバキの夜空に民生さんとトシロウの歌声が溶けていく。なんと素敵な夜だろうか…

そして。民生さんの前にシンバルがセットされた。なにかというと、キック用。(民生「低くね?」)シンバルにキックと言えばもちろん…?そう、吉川晃司!ふらりとステージに現れた時点でオーラがバリバリでかっこよかった。
広島出身で同い年のおふたり、なんとお互い有名になる前から顔見知りだったとかなんとか。広島すげぇなぁ。
で、何を演奏したかというと…なんと、大大迷惑大名曲"さすらい"だ!!!
吉川晃司がさすらいを歌ったのだ!!すごくないですか!?
しかも吉川、ギターソロも弾きまくっていた!「自分のバンドじゃ弾けないんだよ〜」なんて言っていたけど、そのフラストレーションを発散するかのようなブルージーなかっこいいソロを弾き倒していた。民生さんが向かい合って弾こうと吉川さんのところに歩み寄って行ったけど、照れ臭いのか民生さんを見ようとしない吉川さんがなんだか可愛かった。
曲終わりには民生さんのシンバルキック(低め)も拝めました。

そして"BOYS'LIFE"をセッションしたあとは再びゲストのみんなを呼び込み、"イージュー☆ライダー"で大団円!
曽我部さん→のんちゃん→ゴッチ→吉川さん(サビ)→BiSH→総くん→トシロウ→みんな、という感じで歌を回していく。ラストは観客みんなで大合唱でした。最高、最高も最高って感じだった!

終演後、GIPの代表菅さんが登壇し、「これからも、ここでしか見れないライブを皆さんに見せたい」「東北でこんなすばらしいことをやってるんだとみんなも自慢してほしい」「二日間の思い出を胸に、お互い頑張っていきましょう!」とスピーチ。
こんな素晴らしいフェスを作ってくれて本当に感謝しかない。ありがとうございます!!


〜総括〜

歩き倒し、遊び倒した2日間。本当に充実していた。天気も良好でとても過ごしやすかった。1日目はなんなら暑かったし。

ベストアクトはw.o.d.がダントツだった。色気ある立ち振る舞いと今どき珍しいくらいにゴリゴリのサウンド。観客を煽るようなMCもなく、ただただその音だけでテンションをぶち上げてくれた彼らは最高だ。

次点は帝国喫茶。全く予習もせずに臨んだのに、その素晴らしい楽曲とメンバーの強風にも負けない熱量で、気づけば私の頬は持ち上がりまくり、腕突き上げまくり、ビール飲みまくりでした。トラブルを味方にするバンドにダメなバンドは絶対にいない。
もっともっと多くの人に愛されるべき音楽だと思う。

まあ、見たアクトの中にイマイチなのなんてひとつもなかったですけど!総じて最高だった。

今年はマスクは個人の判断ということで、会場を見渡すと6割くらいの人がマスクを外していたような印象。屋台の店員さんの中にも外してる人がいた。マスクあり、歓声なしのライブに慣れてきていてこれも悪くないななんて思い始めてたけど、やっぱり何も縛られず楽しめるのは良いなと思った。個人の感想。



アラバキは本当に、本当に良いフェスだ。ロケーションは最高だし、集う人々も若い子達だけではなく、いかにも音楽マニアって感じのおじさまおばさまなんかもいて、年齢層の幅に関しては日本のフェスの中でもかなり広い方だと思う。
開催地の川崎町の人たちも、このアラバキというイベントを歓迎ムードで受け入れてくれてる感じがして、川崎町ブースで食べたチヂミはとにかく絶品だった。店員さんも暖かかった。のみならず、ゴミステーションのボランティアのお兄さんお姉さんやグッズ売り場の人たちなんかもみんな暖かかった。

自然の力、人の力で本当にピースフルな空間な出来上がっていて、いつ行っても泣きそうになるくらい心を動かされてしまう。歩いてるだけで楽しいし、同じく楽しそうにしているお客さんを見るだけでうるっときてしまうほど。

ピロウズのさわおさんは言った。
「また来年会おう!」


言われずとも!!!



2日間、最高でした!!これを読んでる皆様もぜひ、来年会場でお会いしましょう。そして乾杯しようぜ!


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