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どの箱に宝物が入っているかを当てるゲーム(’22/9/30)

NHKの
「笑わない数学」
がおもしろい。
芸人のパンサー尾形が、真剣かつ一生懸命に解説するところが好ましいし、
番組の中で取り上げるテーマと解説も良くまとまっている。
これで、数学が好きになる人は確実に増えるように思う。

<問>
(マイナス1)×(マイナス1)はなぜ(プラス1)になるのか。
証明せよ。
<答え>
 (+1)+(-1)= 0
ですね。これに、両辺に(-1)を掛けると、
 (-1)×(+1) + (-1)×(-1) = (-1)×0 =0
左辺の第1項の、(-1)×(+1)=(-1)
右辺は、0
だったら、左辺の第2項の、(-1)×(-1)=1 でなければ右辺はゼロにはならない。
だから、
(マイナス1)×(マイナス1)は(プラス1)である。

という感じ。
なんか騙されたようでもあるが、確かに証明されている。
突然証明しろと言われると、ウっと困るけれども、こういう風に見せられると納得する。
数学って面白い!

最近の番組の中で感激したのは、確率の話。

<問>
A,B,C 3つの箱があり、その中のひとつだけに宝物が入っている。
どの箱に宝物が入っているかを当てるゲーム。
ある人が、例えば、「Aに入っている」とまず予想する。
それを聞いて、どれに入っているかを知っている出題側が、BかCのどちらかの「宝物が入っていない方の箱」を開けて見せる。そこには当然、宝物は入っていない。
それを見せた上で、ある人に対して、
「今なら、Aからもうひとつの方の箱に、予想を変えてもいいですよ。」
と言う。
さて、ある人は、最初の予想のAから別の開けられていない方のもうひとつの箱に、予想を変えた方がいいかどうか。
宝物が入っている箱を当てる確率は、最初の予想を変えることで変わるのかどうか。

さて、みなさん、どう思いますか?
(回答は、このコラムの最後でご紹介しますね)

確率は、将来の事を予想する数学。
将来起こるべきことが、すべて洗い出されるのであれば、確率は有効で科学的である。
でも、例えば株価の予想のように、
 「将来、なにが起こるか分からない。」
 「不確定要素が極めて大きいし多い。」
場合には、確率計算は目安にはなるものの、全く予想を外すこともある。
リーマンショックなども、その典型だ。
数字ですべてが正確に見通せることなどない、というケースの方が世の中圧倒的に多い。

そんな不確実な事が多い世の中で、なにを拠り所として考えたら良いのだろうか。

それは、その人がこれからの将来のことをどう想像できるか、だと思う。
言い方を変えると、
「なんとなく、これはおかしいのではないか」
と感じるような、そんな感覚だ。

日本経済は今、世界経済の中で、際立って異質に見えるけれども、
さて、この後どういう日本の将来が来るのだろうか?
世界はどうなっていくのだろうか?
そんな想像力を働かせることも、数学で分析することと同時に必要な事のように感じる。
若い人ほど、頭がキレキレな数字好きな人ほど、
特に、想像力を養って見て欲しい! 想像力、最高~~~~♪

(先程の問いの答えです)

ABC3つの箱があったとして、例えば、Aに宝物が入っていたとする。
①ある人が最初にAを予想した。
→出題側はCの箱を開けて、今なら予想をBに変えてもいいという。
●予想を変えた(つまり予想はBにした) → ハズレ
▼予想を変えない (つまりA)→ 当たり

②ある人が最初にBを予想した。
→出題側はCの箱を開けて、今なら予想をAに変えてもいいという。
●予想を変えた(つまり予想はAにした) → 当たり
▼予想を変えない (つまりB)→ ハズレ

③ある人が最初にCを予想した。
→出題側はBの箱を開けて、今なら予想をAに変えてもいいという。
●予想を変えた(つまり予想はAにした) → 当たり
▼予想を変えない(つまりC) → ハズレ

以上で、●の予想を変えた方が、▼の予想を変えないより2倍の確率で当る、ということが分かります。 だから予想を変えた方が良い、が正解。

皆さん、正解しましたか?


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