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メトロのジム・オルーク

京都メトロのジム・オルークを聴きに行く。目当てはもちろん彼なんだけど、このツアーには石橋英子と日高理樹も参加している。いちおう妻も誘ってみると一緒に来るとのこと。

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今日は宵山なので人が結構多い。時間より早く着いたのでまだそんなに人もいない。店内はなんだか甘い匂いがする。メトロに来るのはひさしぶり。ビールを飲みながら開演するのを待つ。妻はもうビールを一本飲み干している。

最初は日高理樹という人のソロ。なんとなくサム・ゲンデル的なことをやっていたけど、そんなに興味を惹かれない。30分ほどで終了。そのあとジム・オルークと石橋英子。こっちはそれぞれの音がきちんと存在感を放っている。でもやっぱりジム・オルークの音はちょっと凄い。最初鳥肌が立つ。この人は音がどのように響くか明確に理解している。音を雑に扱うことなく、一音一音をきちんと響かせることができる。音をとても丁寧に扱っているから、その音がどこまで響けばいいのか瞬時に理解し、音が響き終えるのをちゃんと待っている。だから彼は本来音が持っている時間的な性質を存分に活かすことができる。そしてその響きの余韻を、聴く人がきちんと感じることができるんだな、と思った。石橋英子も思っていたよりなんだか良い。フルートの音が意外にもノイジーで格好良い。サウンドスケープ的なアンビエント。二人の演奏も終わり、最後は3人一緒。初めはなんとなくそれぞれがインプロみたいなのをしてる感じなんだけど、あるポイントでふと3人の呼吸が同調するかのようにゆるやかに音が融合していって、ひとつの音像が組み上がっていく。あ、ちゃんとこうなるんだ、と少し呆気に取られながらも聴き入ってしまう。このあたりのドロージーなアンビエントがハイライトだった。終了後、お祝いできている花を持ち帰っていいよ、とジム・オルークは言う。お言葉に甘えて僕も白い花を一輪持ち帰る。たぶんカーネーションじゃないかな。妻はばらの花を選んでいた。

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店を出て、僕たちは鴨川沿いを河原町に向かって歩く。メトロは川端丸太町にあるのでそれほど遠くない。食べるところを探しながらうろうろするけど、宵山ということもあり人がむちゃくちゃいる。めぼしい店もだいたい満席。駅に着くまでに適当なところがなかったらしゃあないか、ということになる。しばらく歩くと海鮮料理の店があり、なぜか妻がぐいぐい入っていくのでついて行く。幸い空席がありオーダーをする。僕はあんまり期待していなかったんだけど、おばんざい類が意外に美味しくて驚く。これは魚介も期待できるのでは、と思っていたのに、お造りはほとんど味がしなくて、まるで柔らかいナタデココのような代物だった。残念。妻とはひさしぶりにゆっくり話す。こういう時間もほんとひさしぶりなんだけど、もう子たちも大きくなったし、もうちょっとこういう機会を増やしてもいいのかな、と思った。

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