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オモコロに日本初のラーメンを作る記事が載りました

https://omocoro.jp/kiji/433903/

タイトルの通りです。

「日本初のラーメンを作る」というネタ自体は年単位で寝かせていて、いよいよ作ってみるか、と思い立ったものです。

そして撮影自体もだいぶ前に企画されていたのですが、予定が合わなくなった都合でリスケしたら一気に月単位で後ろにズレ込んだりしました。
今までの飯記事で使ってた部屋がちょっと使えなくなるから、との事だったのですが理由は聞かされておらず、何事?と思いながら後日のスケジュールに調整したりしたのですが……

そしたらバーグのオフィス移転してた。ちょうど移転する頃に撮影させてくれってお願いしてたらしい。そりゃ撮影どころじゃないよ。

結果バカでかくて綺麗なキッチンスタジオを外部ライターとしてはいの一番に使う権利を得ました。多分だけど。やったね。

記事を見てるとわかるかと思いますが、だだっ広い調理スペースから3口のIHコンロ、後ろのカウンターに至るまで縦横無尽に酷使しています。傍若無人というべきかもしれない。
料理好きにとって、広いスペースを自由に使って料理できるのはそれだけで立派なレジャーです。家でできないような料理を好き勝手に作れるのは記事関係なしに楽しかった。

みくのしんさんにも突っ込まれたんですけど、前のキッチンでどうやって作るつもりだったんですかね俺は。


超大ボリュームの記事になりました。オモコロの記事に使う写真はTwitterなんかと比べると猛烈に軽量化されてるのですが、それでもこの枚数だとギガ(通信量の俗語としてのギガ)を喰うかも。これにはちょっと訳があります。



ネタを練ってた時点(2021年とかだっけかな)では「日本初のラーメンって確か水戸黄門が食べたんだよな」という漠然とした知識だったんですが、調べてくうちに「後楽うどん」と「水戸藩ラーメン」、そして「経帯麺」という存在が出てきて、構成として留意しなくてはいけない要素が出てきます。

①「水戸藩ラーメン(水戸のお店で出てるもの)」と「後楽うどん(水戸黄門が作ったもの)」は別のもの
②「水戸藩ラーメン」および「後楽うどん」=「日本初のラーメン」ではなくなっている

この2つに考慮すると
・「水戸黄門が作ったラーメン」として「水戸藩ラーメン」を出してはまずい
・原材料と資料の少なさから「後楽うどん」の方を再現するのは難しい
・故に今作っているラーメンが「水戸黄門が作ったラーメン」とどう違うかを説明しながら水戸藩ラーメンを作らないといけない
・そもそも「水戸黄門が作ったラーメンが日本初」ではなくなった為、「日本初のラーメン」を作るなら「経帯麺」の存在も出さなくてはいけない

という縛りを守らないといけない、「うっかりすると大嘘を広める記事」になるリスクがありました。
まぁ逆に、「経帯麺」がある事で「水戸藩ラーメンを作る記事」だと「日本初のラーメンを作る」というタイトルが嘘になる所(水戸藩ラーメン≠後楽うどんなので)「経帯麺を作ってるから水戸藩ラーメン作ってても問題なし」になったのですけど。

ついでに合体させたやつも作れた

最初から経帯麺だけやればそんなリスクを負わなくていいんですが、言いたいじゃん……「水戸黄門の作ったラーメンを作る」って……

経帯麺があんまりラーメンっぽくない製法なので、がっつりラーメンである水戸藩ラーメンも作りたかったんですよね。

経帯麺の話もちょっと。
経帯麺は2017年に見つかった新説なので、「日本初のラーメン」としては知名度が低い状態です。
なので、経帯麺に関する情報は新横浜ラーメン博物館のプレスリリースをまとめたネット記事の他には辞典的なサイトとクーリエ・ジャポンの記事(全文読むには会員登録必要)、あと製麺系youtuberが作ってる動画とかそんなもんしかありません。

いわゆる「作ってみた系」の記事・動画がほぼありません。上記のクーリエ・ジャポンとつべの動画くらいです。
どうやって味付けしているかも不明です。プレスリリースで「しいたけ汁」と「梅昆布汁」が使われた事がわかるのですが、結局それがどういう味付けなのかがわかりません。クーリエ・ジャポンの記事では僧侶の料理である事から考察した独自の味付け、Youtuberは単にしいたけの戻し汁と昆布の戻し汁+梅、としています。

オモコロの規模を考えるといずれ経帯麺の検索上位に載るので、エイヤでやるのは正確性の問題から「半端じゃない危険」を半永久的に抱えます。俺個人のnoteならまだしも企業のサイトに乗せるなら背負うリスクも大違い。

そこでダメ元で新横浜ラーメン博物館宛に問い合わせた所、当時の研究発表をしていた方から「こういうものを使っていました」と資料を頂けるというビックボーナスを受け取れました。結果としては、プレスリリースで振る舞われたのはクーリエ・ジャポンの味付けが正解でした。

ここで「実は汁の味付け自体はラー博で独自に考案したもの」という大事な情報も手に入り、後顧の憂いはねぇぞとウキウキで撮影に臨んだのですが、それを終えていざ記事にする段階でとんでもない見落としがある事に気付きました。

さっき貼ったクーリエ・ジャポンの記事、全員読めるリード文をご覧下さい。

2017年7月、歴史を書き換えるスクープが発表された。日本最初の中華麺は、室町時代に存在したというのだ。「ラーメンを初めて食べた日本人は水戸黄門」という定説が覆されることになる。世紀の大発見を耳にして以来、文献の解読と史実の検証に心血を注いできたラー博課長が、クーリエ・ジャポンに特別寄稿。500年前のラーメン再現プロジェクトの全貌を明らかにする! 

https://courrier.jp/news/archives/93369/

「ラー博課長が、クーリエ・ジャポンに特別寄稿。」

ラー博の人が寄稿した記事だった。
そりゃ味付け一緒だわ。だってラー博の公式見解だもん。
「日本初のラーメン作ってみた記事」としては完全なる正解がそこにあった訳だ。

ただ、問い合わせをしなければ二種のかけ汁に対して「これが正解」という書き方をしてしまっていた危険があるので結果としては得るものがあった。記事自体も確認して頂いているので大きく誤った情報はない筈。

以上、楽しい料理記事の裏で色々気にする必要があった、という話。

ボツにした塩おじさんのカットでさようなら。
料理記事で100%撮る。
塩を振るシーンで「やっとく?一応?」という一種のサービス精神でやってしまう。
「一応ね!ね!」という俺に対しみくのしんさんが曖昧に言葉を選んでいた。やるなもう。

あ、顔アイコンのサイズ、一回100pxで記事作っちゃってた。
恐山さん曰く90pxが正解らしい、というのをオモコロウォッチで初めて知らされたのだけどそれをすっかり忘れていた。

この長さの記事の顔アイコン全部差し替えました。気が狂いそうだ。

【今後はてなブログやらでオモコロ風の記事を書く時にアイコンジェネレーターを使いたい人向けのかまどさんのTwitterかなんかからスティールしたTips】

アイコン使う時は100pxか90pxで使用するけど、100pxでアイコン作るとなんかぽやぽやした画質になるので120か200で作って使う時にギュッと小さくすると綺麗

【日本語のTips】
隅付き括弧の中にダラダラと長文を書かない

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